フランスの食文化4つの特徴と料理を楽しむためのフランス語

フランスの食文化に関する4つの特徴と、フランスの食を楽しむために抑えておきたいフランス語を紹介していきます。フランス観光へ行くためにも確認してみましょう。

観光大国フランスには、パリのエッフェル塔やルーヴル美術館など、数多くの有名な観光地がありますが、フランスと言えば素晴らしい料理とワインでも有名でしょう。

実際、フランスに観光へ行く多くの人は観光地もほどほどに、美味しい料理へ舌舐めずりをするはずです。

この記事では、そんなフランスの食に焦点を当て、フランスの食文化を象徴する4つの特徴を紹介していこうと思います。

また、最後にはフランスの食を楽しむ上で知っておきたいフランス語もいくつか載せておくので、フランスへ訪れる予定の人は必須でチェックしておきましょう。

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フランスの食文化に関する4つの特徴

① フランスと言えば市場

フランスの食文化の特徴として欠かせないのが「市場」。

フランスの食事や料理に関する番組を観ると、この市場がクローズアップされることが多々あるのに気づきます。

真のフランス料理の準備は市場に行くところから始まると言えるほど、フランスの食文化において市場は重要なんです。

都市部や大きな町では最低でも週2回、小さい町や村では週1回の頻度で市場は開催され、なかには数百年の歴史を誇るところもあります。

そして、フランスの市場の利点は、料理を準備するのに必要なものが全て揃う場所だということ。

  • 肉屋
  • 魚屋
  • チーズ屋
  • 生産農家
  • 地元の特産品

などのお店が勢揃いしているんです。

フランス人はそんな市場であっても、質にこだわりながら店頭に並ぶ品を注意深く吟味して、お目当ての品を購入していきます。

② フランスのお食事処の違い

フランスの食文化の特徴の一つとして、日本人にとっては最初戸惑うことがあります。

それは「外食をする場所の種類がいくつかある」ってこと。

  • カフェ
  • レストラン
  • ビストロ
  • ブラッスリー

と、異なる食事処が存在するんです。

これらの場所はそれぞれ大きく違うわけではありませんが、知っておいた方が良い微妙な違いはあります。

下で詳しく見ていきましょう。

カフェとレストランの違い

フランスでのカフェとレストランの主な違いは「フォーマルさのレベル」です。

カフェは大体、カジュアルでシンプルな食事を中心に提供します。フランスで最もカジュアルなお食事処と言って良いと思います。

一方で、レストランは通常、もっとフォーマルで、フルコースディナーの様なメニューを扱っています。

ちなみに、スターバックスやマクドナルドなどのチェーン店は、そのカジュアルさからするとカフェと思われるかもしれませんが、フランスではカフェの部類には含まれず、いわゆるファストフードのチェーン店という認識です。

レストランとビストロの違い

そして、ビストロはレストランよりもカジュアルな食事処ですが、カフェよりはメニューが豊富。

カフェとレストランの中間辺りに位置すると言えるでしょうか。

ビストロとブラッセリーの違い

ビストロとブラッセリーの違いについても見てみましょう。

ブラッセリーはビストロと同じように、シンプルでカジュアルな食べ物を提供するレストランのような食事処です。

しかし、この二つには大きな違いがあります。

それは、かつてブラッセリーがアルコールを提供していたのに対し、ビストロは提供していなかった点です。

しかし、現在はフランスでアルコールを提供しない飲食店はほとんどありません。

そのため、現在提供される食事に関してはメニューはだいだい同じで、今日ではビストロとブラッセリーに大きな違いはないと言えます。

③ フランスの食事スタイル

フランスの食事スタイルと言っても出身地や家族、民族的な背景などによって異なるので、一概には言えませんが、典型的な食事は次のような感じでしょう。

フランスの朝食

まず、典型的な朝食は、伝統的なクロワッサンとパン・オ・ショコラ(クロワッサンの生地の中にチョコレートが二筋のチョコレートが詰められたフランスの菓子パン)です。

または、タルティーヌと呼ばれるスライスされたパン、いわゆるフランスパンにジャムをたっぷり塗ったものをよく食べます。

皆がこれを毎日食べるわけではないですが(ヨーグルトとフルーツのような時もあります)、朝食として食べられる代表的な食べ物で、そこにほぼ必ずコーヒー、ホットチョコレート、オレンジジュースが付きます。

フランスの昼食

また、昼は近所のビストロでカジュアルなランチを摂り、このランチの時にちょっとしたコース料理を1時間以上かけて楽しむ人もいます(※パリのような大都市ではサンドイッチなどで急いで済ませる人もいる)

これは、数十年前まで昼食は「ちょっと短めのディナー」という位置づけで、ワインを飲みながら何時間もかけてするものだったからです。

そのため、フランス人の多くにとって昼食とは、休息をとり、仲間たちと美味しいものを食べながらおしゃべりを楽しむ神聖な時間とさえ言えるんです。

ちなみに、多くのビストロはランチタイムに日替わりのおすすめ料理を、リーズナブルな価格で提供してくれてたりします。

フランスの夕食

ディナーは家族で食べることが一般的ですが、日によってはフォーマルなレストランへ行ってちょっと高めの食事をすることもあります。

ディナーは1日の食事で最もフォーマルな食事だと考えられているので、普段はあまり足を運ばないレストランへ出かけて、ちょっと豪華な食事をするのがクールだったりするんです。

さらに、食前酒と食後酒が出されることがあります。

食前酒は食事の始めに出てくるアルコールまたはノンアルコールの飲み物で、ナッツやオリーブといった小さな前菜と一緒に、食欲を促す目的で出されます。

それに対して食後酒は、食事の終わりに出されるもので、消化を促す目的でアルコール度数の高いウイスキー、バーボン、リキュールなどを飲みます。

④ 地域によって異なるフランス料理

フランス料理には「これが定番」というべき料理はありません。

「フランス料理」という言葉で一括りにされがちですが、郷土料理が多いために地域によって異なるからです。

これら郷土料理は元々、農夫や労働者といった庶民向けに生み出された料理で、その多くが昔からその土地で手に入るもので作られています。

例えば、りんごや乳製品がよく作られてきたノルマンディー地方では、これらを使った料理が多くあのに対して、プロヴァンス地方ではオリーブの木が多く、この地域ではオリーブオイルを使った料理がたくさんあります。

以下では、このフランスの郷土料理として、特に食文化の点で名高い3つ(4つ)の地方の郷土料理を簡単に見ていきましょう。

リヨンの郷土料理

リヨンはフランス第三の都市で、フランス料理の研究をするにはうってつけの場所。料理の評判が非常に高く「美食の街」とも呼ばれるほどです。

例えば、市内には2000軒近いレストランがあり、フランス語で「新しい料理」を意味するヌーベルキュイジーヌを一般に広めた伝説的な存在「ポール・ボキューズ」など、フランスを代表するシェフを輩出してきました。

そんなリヨンで楽しめる伝統的な料理は基本的に重め。

ベジタリアンや小食の人向きではなく、食肉の様々な部位を使うところに特徴があります。

例えば、「tête de veau」と呼ばれる仔牛の頭の煮込みや、「tripes à la Lyonnaise」という名前のリヨン風もつ煮などが具体的な料理として挙げられます。

ちなみにリヨンでは、ブションと呼ばれる郷土料理のお店で料理を食べるのがおすすめです。

ブションは16世紀から17世紀にかけて街に多くいた絹織り工向けに作られた、居酒屋スタイルの食堂で、現在は沢山の名店があります。

プロヴァンスの郷土料理

リヨン料理と比べると、プロヴァンス料理はとてもあっさりしています。

フランス南部のプロヴァンス地方は、ラベンダー畑とオリーブの木が有名で、魚介や野菜、オリーブオイル、ハーブをふんだんに使う地中海風の料理が特徴。

そんなプロヴァンスの料理として最も有名なのは、おそらくマルセイユ発祥の魚介のスープ「ブイヤベース」でしょう。

その次が、トマト、ズッキーニ、ナス、玉ねぎ、ピーマン、にんにくなどをオリーブオイルで炒めてつくる野菜煮込み「ラタトゥイユ」でしょうか。

他にトマトやピーマンなどの野菜へ肉を詰めた「プティ・ファルシ」も人気があります。

ノルマンディ・ブルターニュの郷土料理

フランス北西部沿岸にはノルマンディ地方とブルターニュ地方が位置し、それぞれ特徴がありますが、どちらも海が近いため「魚介を使った名物料理」が数多くあります。

ノルマンディ地方特有な料理や食べ物

一方でシーフード以外だと、ノルマンディ地方にはりんごをふんだんに使った料理や特産品があります。

りんごを添えた「オージュ谷風 鶏の煮込み」、「りんごのタルト」、「カルヴァドス」と呼ばれるりんごのブランデーなどです。

またノルマンディ地方は酪農が盛んなこともあり、カマンベールなどチーズの名産地です。

ブルターニュ地方特有な料理や食べ物

ブルターニュ地方を代表するのは、ガレットと呼ばれる甘くないクレープです。

そば粉から作られた生地は、卵やハム、チーズと一緒にだされることが多いですが、生地全体を覆うほどに具が乗っていることもあります。

一方で甘いクレープもあり、その場合、塩キャラメルやチョコレートソーズがたっぷりとかけられているものもあれば、シンプルにバターと砂糖だけのものあります。

フランスの食文化を楽しむために知っておきたいフランス語

最後に、フランスの食文化を楽しむ上で必須となる、いくつかのフランス語を紹介しておきます。

  • Boulangerie(ブーランジェリー)
    • クロワッサン、焼きたてのパン、サンドイッチを扱っているいわゆるパン屋
    • 手っ取り早く朝食や昼食を取るのにぴったりで、マカロンなどのちょっとしたお菓子を扱っているところもある
  • Patisserie(パティスリー)
    • フランスのケーキ屋
    • 普通はパン類は置いていないが、パン屋と同じようなお菓子、または菓子パンを販売しているお店もある
  • Boucherie(ブーシュリー)
    • フランスの肉屋
    • 美味しいサンドイッチやシャルキュトリ(肉の加工食品)の盛り合わせに出会えることもある
  • Fromagerie(フロマジュリー)
    • チーズ屋
  • Chocolatier(ショコラティエ)
    • チョコレート屋
  • Cave à Vins(カーヴ・ア・ヴァン)
    • ワインショップ
    • グラスでワインを売ってくれるお店もある
  • Supermarché(シューペルマルシェ)
    • スーパーマーケット
  • Petit Déjeuner(プティ・デジュネ)
    • 朝食
  • Déjeuner(デジュネ)
    • 昼食
  • Dîner(ディネ)
    • 夕食
  • Entrée(アントレ)
    • 前菜
  • Plat(プラ)
    • コース料理のメインディッシュ

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フランスの食文化4つの特徴と料理を楽しむためのフランス語のまとめ

フランスの食文化について見てきました。

フランスには美味しい料理が多くあり、また地域によってその特徴は異なってきます。フランスへ行くなら今回紹介したことを参考に、食文化を楽しんでみてください。

ここでいくつか簡単なアドバイス。

フランス料理は全体的に重いものが多いので、ヴィーガンやベジタリアンの人はそのことをウェイターやウェイトレスに伝えた方が無難です。

また食事をする際に、「Meilleur Ouvrier de France」と宣伝している場所があるなら試してみるのがおすすめ。

Meilleur Ouvrier de Franceは「国家最優秀職人章」という意味で、フランス文化の最も優れた継承者たるにふさわしい高度な技術を持つ職人に授与される賞。

つまり、この「国家最優秀職人章」を宣伝しているってことは、そのレストランでは最高レベルの技術をもったチェフが作った料理を楽しめるってことです。

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