中国の山|中国で一番高い山から有名な山まで!五岳名山や黄山など

中国の山の中でも最も高い山から有名な山までを厳選して紹介していきます。中国四大仏教名山や五岳名山などを含め、自然美や文化的価値を兼ね備えた中国の山々を見ていきましょう。

世界一人口が多い国として知られ、世界的に見ても非常に広い国土を有する中間人民共和国(中国)には、多様な表情を持つ自然が広がっています。

そして、自然の地形が作り出した山に関しても同様のことが言え、中国には非常に多くの山が存在していることが確認出来るのです。

そんな中国の山の中でも最も高い山や有名な山には、どのような山々が含まれるのでしょうか?

この記事では、中国において一番高い山と二番目に高い山、最も有名な山、その他にも有名な中国四大仏教名山や五岳名山を紹介していこうと思います。

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中国で一番高い山と二番目に高い山

一番高い山:エベレスト

ヒマラヤ山脈に含まれるエベレスト、またの名をチベット語でチョモランマは、中国のチベット自治区とネパールの国境に位置する世界で最も高い山で、中国の領土に一部が含まれるため、中国で一番高い山となります。

山の大部分は常に雪に覆われて山頂は銀色の輝きを放ち続け、ピラミッドのような形をした山頂が空に突き刺さっているように見える様は圧巻です。

また、標高8,848メートルの高さによって、山頂だけでなく山腹も雲に隠れてしまうことがよくあります。

1953年にイギリス探検隊に参加した、ニュージーランド出身のサー・エドマンド・ヒラリーと、チベット人シェルパのテンジン・ノルゲイの二人に初登頂されて以降、地上にそびえる山としては最も高い山であるエベレストは、登山愛好家たちにとって最終目標の山となってきました。

二番目に高い山:K2

ヒマラヤ山脈の一部カラコルム山脈にあるK2と呼ばれる山は、標高8611mを誇る世界で二番目に高い山であると同時に、中国のウイグル自治区とパキスタンのギルギット・バルティスタン州の国境に位置するため、中国においては二番目に高い山。

中国名では「チョゴリ」と呼ばれます。

人が住む場所から非常に離れたところに位置しているため、K2は19世紀末までほとんどその存在が知られていませんでしたが、1954年に初登頂されてからは、登山家にとって一度は登ってみたい憧れの山の一つとなっています。

ちなみに、中国側のルートは非常に険しい斜面が続き、登頂は非常に困難だと言われ、世界で最も登頂が難しい山の一つに数えられます。

中国で最も有名な山:黄山

中国で最も有名な山と言えば「黄山(こうざん)」でしょう。

黄山は安徽省(あんきしょう)の南部に位置し、頂上からの眺めは中国屈指。

仙人が住む伝説の地を彷彿とさせるその姿は、後ほど紹介する中国の五岳名山の美しささえ越えると言われ、

黄山を見ずして、山を見たというなかれ

という言葉があるくらいです。

また、この山の特徴は、印象的な尖った山頂、奇岩、断崖絶壁、洞窟の素晴らしさで、黄山が他の山よりも目立つ要因となっています。

さらに、霧が発生したり、曇ったりなどの天候の状態で、この地域の自然の景色は予想だにせず変化し、何度見ても飽きさせない山となっています。

ちなみに、黄山は正確には山というよりは山脈で、その最大標高は1,864メートルになります。

黄山は1990年にユネスコ世界遺産リストに登録されました。

中国の山として有名な「中国四大仏教名山」

仏教は中国における四大宗教(道教、仏教、キリスト教、イスラム教)の一つであり、古代から特別な地位が確立されていました。

そのため、中国には「五台山」、「峨眉山」、「九華山」、「普陀山」の四つからなる中国四大仏教名山があり、それぞれの山は文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩、観音菩薩が祭られている霊場となっています。

① 五台山

五台山(ごだいさん)は山西省東北部の五台県にある霊山で、文殊菩薩を祭っている場所として有名。

五つの丸みを帯びた峰(北、南、東、西、中)がある変わった地形から五台山と名づけられ、その五つの峰の中で北台頂または叶斗峰と呼ばれる北の峰は中国北部の最高峰。

その高さは3061メートルと比較的高く、この山は「中国北部の屋根」と呼ばれることさえあります。

最も繁栄した初期の時代(唐)には300以上の寺院があったと考えられており、それ以降は寺院の数が少なくなっていってしまったものの、現在でも47の寺院が保存されており、中でも佛光寺と南禅寺は中国国内で最も保存状態が良い大きな木造建築群とされています。

また、日本の平安時代や鎌倉時代には、多くの僧が日本からこの五台山を訪れたと言われ、当時は東アジア地域において仏教の聖地として絶対的な場所の一つとなっていました。

2009年にユネスコ世界文化遺産に登録され、現在は観光地としても知られています。

② 峨眉山

中国の四川省にある峨眉山(がびさん)は、四川省の省都である成都市から南西へ約150キロメートルのところにあり、現在は観光地として有名な中国四大仏教名山の一つ。

道徳を司る普賢菩薩を祭っている場所で、遠くから見ると「緩やかな起伏の峨眉山脈が少女の眉毛に似ている」ことから、この名前が付けられました。

その最高地点は標高3099メートルで、山には26の寺院があり、日の出や雲海に加えて、ブッダのオーラや神聖な光と言われる自然の景観は、四大絶景として人気を博しています。

一方で、峨眉山一帯には数千にも上る植物や動物が棲んでおり、1996年には自然遺産や文化遺産としての側面を併せ持つ、複合遺産の世界遺産としてユネスコに登録されました。

③ 九華山

九華山(きゅうかさん)は地蔵菩薩を祭っている中国四大仏教名山の一つ。

安徽省(あんきしょう)の青陽県に位置しており、素晴らしい景色と古代の寺院があることで有名。

標高1342mとそこまで高くないこの山には、九つの散らばった頂があり、蓮のような形をしていることから、その名前が名付けられました。

かつて興隆を誇った時期には地域一帯に5000名前後の僧侶がいたと言われ、その名残は今でも残るおよそ80の寺院と6000体以上のブッダの像によって確認することが出来、「蓮と仏」の世界を表現している特別な場所となっています。

④ 普陀山

東シナ海上、上海の南東に位置する舟山群島(しゅうざんぐんとう)の島の一つは、普陀山(ふださん)と呼ばれる有名な場所となっています。

最高地点も284メートルと、山と言うよりは島であるものの、この地は中国四大仏教名山の一つとして観音菩薩が祭られ、西暦858年の唐の時代にはこの島で最も古い寺院が建てられました。

また、その壮大な海の景色と穏やかな自然の美しさ、そして信仰の深さを感じさせる雰囲気を持ち、中国四大仏教名山の中では唯一の海上にある聖地であることから、別名「海天佛国」とも呼ばれています。

現在は年間400万人近い観光客が訪れる、中国でも有数の観光スポットとして有名です。

中国の山として有名な「五岳名山」

中国の有名な山の中には、黄山や中国四大仏教名山の他に、中国の四大宗教の一つで中国社会に大きな影響を与えてきた道教の聖地である「五岳名山」が存在します。

この五岳名山は、山岳信仰、天地信仰、そして五行説文化の核心部分と組み合わさった道教精神を象徴する以下5つの山々から成ります。

① 泰山(東岳)

五岳名山の中で東を司る泰山(たいざん)は、中国山東省の中部にある泰安市(たいあんし)に位置し、五岳名山の中では主要な山とされる標高1545メートルの山。

その壮大な自然の風景に関連する活力と造形美、そして空を突き刺すようにそびえ立ち、大地に根ざす壮大な姿でよく知られています。

また、ここはかつての皇帝たちが封禅の儀式(帝王が天と地に王の即位を知らせ、天下が泰平であることを感謝する儀式)を開いた場所としても有名で、壮大で神聖な山として泰山は、中国の信仰における象徴的な場所とされてきました。

このように、自然と文化の両面から優れた特徴を持つ泰山は、1987年からユネスコ世界複合遺産として登録されています。

② 衡山(南岳)

(出典:wikipedia

標高1,300.2メートル、湖南省に位置する衡山(こうざん)は、五岳名山の中でも南を司るとされ、極上に美しい自然の風景と宗教文化で有名。

まず自然に関しては、比較的温暖で安定した天候によって、一年を通して緑が生い茂っており、その自然風景は「南岳独秀」と評されている点が挙げられます。

また、宗教文化の側面について述べると、衡山は中国南部の信仰の中心的な場所であり、道教にとっては神聖な場所。

さらに、複数の仏教の学校が創設された場所でもある点が知られています。

特に、神聖な4つのスポット、

  1. 朱陵洞天
  2. 青玉壇
  3. 光天壇
  4. 洞霊源

は、道教において重要です。

③ 嵩山(中岳)

中国の河南省の登封市(とうほうし)にある嵩山(すうざん)は、古代から山岳信仰の地であり続ける五岳名山の一つで、陰陽五行説の「中」を司る場所。

五岳名山の中心に位置する山として知られています。

最高地点は標高1440メートルで、奥深い中国文明の発祥地の一つであり、古代においては政治、文化、そして経済の中心地だったこともありました。

また、中岳寺のような道教の重要な寺院が複数あると同時に、この山は仏教にとっても大変重要な場所となってきた歴史を抱え、数多くの仏教遺跡が残っています。

さらに、世界的に有名な寺院である少林寺はこの山にあり、ここは昔から禅仏教発祥の地とされてきました。

2010年には、少林寺も含めた歴史遺跡8箇所11点が世界遺産となっています。

④ 華山(西岳)

中国の陝西省(せんせいしょう)にある華山(かざん)は、西を司る五岳名山の一つで、5つの山の中では最も高い標高2154メートルを誇ることで知られます。

20以上の道教の寺院が建てられており、玉泉院、東道院、そして鎮岳宮は中国の道教の寺院の中でも重要な寺院です。

また、その壮大で息を飲むような険しい岩山、急勾配の道、断崖絶壁の美しい景色、深くて細い小川、そして奥深い道教文化によって世界一険しい宗教聖地として有名。

山頂に作られた寺院へアクセスするには、一部の断崖絶壁に作られた20cm程度しかない足場や桟道を通っていく必要があることも、この地を険しい宗教聖地にしています。

一方で、華山に含まれる朝陽峰と呼ばれる東峰は、中国で最も美しい日の出スポット一つに数えられています。

⑤ 恒山(北岳)

2017メートルと五岳名山の中では二番目に高い恒山(こうざん)は、中国の山西省にあり、「北」を司ることで知られています。

その高くそびえ立つ様、壮大な力強さ、そして宗教的な遺産が残っていることで有名な恒山には、道教の仙人を代表する八仙の一人である張果(ちょうか)が住むと言われます。

また、周の時代から神聖な山として扱われ続け、この地にまつわる多くの伝説や神話が後世に語り継がれてきました。

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世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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