ロードス島について詳しく紹介していきます。地図やおすすめの観光スポットまでを確認して、エーゲ海に浮かぶギリシャ領のこの島に対する理解を深めていきましょう。
ギリシャには様々な島があり、どれも観光地として有名。
サントリーニ島やミコノス島など、名前を聞いたことのある島も多くあるでしょう。
そして、ギリシャ領に含まれる島で歴史的にも文化的にも豊かなロードス島もまた、古代から残る遺跡や周りを囲む美しい海によって、多くの観光客を魅了しています。
この記事では、そのロードス島に関して、基本情報から地図で見た場所や歴史、そして観光目的で訪れるなら絶対に訪れてみたい10のスポットまでを紹介していきます。
ロードス島に興味を持ったなら早速確認してみましょう。
ロードス島とは?
ロードス島(ロドス島)とは、地中海の一部であるエーゲ海の南東部、アジア大陸最西部の一部アナトリア半島の沿岸部から、およそ11kmの沖合に浮かぶ島。
現在はギリシャ領に属し、全長77kmで幅は35km、およそ1400㎢の面積を誇り、同国においては4番目に大きな島として知られ、そこにはおよそ12万弱の人々が住んでいます(50,000人以上が島で最大の都市ロードスに住み、それ以外は42ある美しい村々で暮らしている)。
また、エーゲ海に浮かぶロードス島からは、地中海を通って他の主要なヨーロッパ諸国や北アフリカ諸国にアクセス出来る上、さらに西方へ行けば大西洋にまで繋がることから、昔から交易の拠点として利用され、湾岸都市の一つとして栄えてきました。
そのため、ロードス島には古代からの遺跡が点在し、過去には世界七不思議に数えられるロドスの島の巨像が存在していたとされ、現在まで残る中世期頃からの街並みは「ロードスの中世都市」として世界遺産にも登録されているなど、観光地としても有名です。
それに加えて、ロードス島の気候は世界で最も温暖な気候の一つであり、空はこの上ないほど青く、晴天の日が年間300日以上あって過ごしやすいという点も、ロードス島を観光名所の一つにしています。
ちなみに、ロードス島の北部と南部には平野が広がっているものの、それ以外は山がちな地形となっており、島の北西部には標高1216mのアタヴィロス山があります。
ちなみに、ギリシャ神話にはロードス島にまつわる以下のような話が残っています。
最高神ゼウスが巨人族ティターンを倒して彼らの土地を手に入れた時、ゼウスはその土地を他の神々と分け合いました。
しかし、太陽神へーリオス(後にアポローンと混同された)は、その時不在だったため、土地の一部を手に入れることが出来ませんでした。
そこでゼウスは、海から浮かび上がってくる島をヘーリオスに与えると言い、その島こそ、緑が生い茂って美しいロードス島だったのです。
へーリオスはその島の美しさに魅了されて太陽の光を島に浴びせました。
それ以降、ロードス島は太陽の島とされ、他の島々よりも明るく輝いているのです。
地図で見るロードス島
ロードス島の場所を地図で確認すると以下の通り。
トルコのアナトリア半島の南西部沖合に浮かび、東に少し行くと古来から東地中海を往来していた諸民族や諸文明の中継地キプロスがあり、北西に少し行けばギリシャの首都アテネが、そして南方へ行くとエジプトやリビアといった、重要な北アフリカ諸国にたどり着けるのが確認出来ます。
また、地図を拡大してみると、南西へおよそ150km程度いった所には、古代ギリシャ文明のクレタ文明(ミノア文明)が発展したクレタ島(Crete)があるのが見て取れ、ロードス島はその位置から、古代ギリシャ文明の影響を受けてきた地域であることが分かります。
ロードス島の歴史と文明
ロードス島に人が住み始めたのは新石器時代末期、紀元前4000年頃のこと。
そして、紀元前16世紀にはクレタ文明(ミノア文明)の人々が、そして紀元前11世紀頃にはドーリア人(古代ギリシャを構成した集団の一つ)が到来し、古代ギリシャの文化圏として発展していきますが、紀元前340年にはアケメネス朝ペルシャの支配下となります。
しかし、紀元前332年、アレキサンダー大王がロードス島をペルシャの支配から解放したことで、再びギリシャ文化圏に戻されます。
(ロードス島の巨人)
ちなみに、この頃(紀元前300年前後)は、ロードス島の黄金時代の一つだったと言えるでしょう。
同時代には、世界の七不思議の一つに含まれるロードス島の巨像が、リンドス(古代都市の一つ)の彫刻家カレスによって建造されています。
それから少し時間が経ち、紀元前164年以降はローマ帝国の影響下に入り、ローマ帝国が分裂した西暦4世紀以降、ロードス島はビザンチン帝国に属していました。
しかし、ビザンチン帝国が衰退していく中で1309年、島は聖ヨハネ騎士団に売却され、この頃、中世ヨーロッパ風の都市に作りかえられます。
1522年、聖ヨハネ騎士団はスレイマン1世率いるオスマン帝国の大軍に降伏し、1912年にイタリア軍がロードス島とドデカネス諸島を占領するまでの4世紀の間、ロードス島はオスマン帝国の支配下となりました。
その後、一旦はイタリアの統治下となったものの、1947年にロードス島はギリシャに引き渡され、公式にギリシャ領として認められることとなったのです。
ロードス島へ観光に行くなら見ておきたいもの
ロードス島に関する基本的な情報を紹介してきましたが、ここからはロードス島へ観光目的で訪れるなら行ってみたい、10個のおすすめスポットを紹介していきます。
ロードス島のおすすめスポット① ロードスの旧市街
ロードス島の中心地ロードス市にある旧市街はヨーロッパ大陸最大の中世都市であり、「ロードスの中世都市」として、1988年にはユネスコによって世界文化遺産にも登録された場所。
そのため、国際レベルでも重要な文化遺産を見て感じることが出来ます。
伝統的建築様式に挟まれた路地、中世の教会、そして中世から残る橋は、現代とは違う時代を彷彿とさせる、古い街並み特有の雰囲気を醸し出しており、歴史好きにはたまらない場所となるでしょう。
さらに、夜の旧市街もまた、まるで物語の世界に入り込んだような気分にさせてくれ、観光客を楽しませてくれます。
ロードス島のおすすめスポット② ロードス考古学博物館
ロードス市にあるロードス考古学博物館は、ミケーネ時代、ヘレニズム時代、ローマ時代など、ロードス島に到来した様々な時代の文化を知ることが出来ます。
花瓶、彫刻、彫像、陶器などの展示品を見ることができ、この島の豊かな文化や歴史を再発見出来るのです。
またロードス考古学博物館は、ロードス市の旧市街の中心部にあるので、旧市街散策のついでに立ち寄るなんていうのもおすすめです。
ロードス島のおすすめスポット③ ロードス市立現代ギリシャ美術館
(出典:Rhodes Info)
ロードス市の旧市街の入り口にあるシミ広場には、この地で発展した現代アートを見ることが出来るロードス市立現代ギリシャ
ここには、20世紀以降の絵画や彫刻などの美術品が数多く展示されており、現代ギリシャの芸術作品を通して現代ギリシャを芸術面から知ることが出来ます。
ロードス島のおすすめスポット④ バタフライ・バレー
ロードス市の南西およそ15kmの場所には、木々が生い茂る丘に囲まれ、小川が流れる美しい自然の谷間バタフライバレーを目にすることが出来ます。
6月から9月までの間、産卵のためにこの場所には色とりどりの蝶がたくさん集まり、それが、バタフライ(蝶)・バレー(谷)という名前の由来です。
ちなみに、この場所は暑い夏の日々に訪れるのに最高。
というのも、他の場所と比べて比較的気温が低めで、レストランやギフトショップも併設されているから。
ただし、訪れる際には蝶たちの邪魔をしないためにも、大きな音を立てないように注意して時間を過ごしましょう。
ロードス島のおすすめスポット⑤ ロディニパーク
ロードス市の中心からおよそ3kmほど離れたところには、地上の楽園と呼ばれるロディニパークという公園があります。
ここは、うっそうとした生い茂った植物、古くさい小さな橋、湖面に広がるスイレン、そして伝統的な狭い道が特徴的な公園。
しかし、この公園に行ってみたい理由はもっと別な所にあります。それは、ロディニパークは世界最古の公園であるということ!
古代からの遺跡が残るロードス島ならではの公園なんです。
ロードス島のおすすめスポット⑥ セブンスプリングス
ロードス島から30kmほど行った東側海岸近くには、たくさんの松やヤシの木が並ぶ美しい場所があり、そこは天然の湧き水スポット「セブンスプリングス」と呼ばれています。
その「セブン」という名前が示す通り、7つの湧き水が出ている場所で、周りは木々が生い茂り、それによって出来た自然の木陰は夏の暑い時期には最高。
また、綺麗な水を求めてやって来た、ガチョウやアヒル、クジャクなどの鳥を目にすることもできます。
ちなみに、この場所を訪れるならついでに近くのレストランで食事を楽しみましょう。
味もさることながら、パノラマに広がった山々の眺望を満喫出来ます。
ロードス島のおすすめスポット⑦ ファリラキ
ロードス市から南へ14kmほどいったところにあるファリラキは、海岸部にある小さなリゾート村。
ここには驚くほど素敵なラディコビーチがあったり、ターコイズブルーの海を楽しむことが出来る上、海で泳いだ後は近くの小さなお店で地元の料理を試してみることだって出来ます。
ただし、多くの観光客を魅了しているファリラキは、8月辺りは非常に混雑するかもしれない点はご注意を。
ロードス島のおすすめスポット⑧ リンドス
リンドスは最大都市ロードス市から南におよそ50km行った、ちょうどロードス島の東海岸沿い中心部に位置する町であり、古代都市「リンドス」があった場所。
島の中で最も美しい場所の1つで、白を基調とした可愛らしい家々が並び、狭くて趣のある路地が最高です。
さらに、古代ギリシャのポリス(都市)のシンボルとなった小高い丘「アクロポリス」があり、そこでは神殿や聖ヨハネ騎士団の城の一部など、文化的価値の高い遺跡を見ることが出来ます。
加えて、リンドスから見渡せる青い海が、このスポットをより魅力的な場所にしているんです。
ロードス島のおすすめスポット⑨ アガシビーチ
リンドスから北へおよそ10kmほど行ったところにあり、島の東海岸に位置するアガシビーチは、ロードス島の中で最も美しいビーチの一つ。
両脇を岩肌むき出しのちょっとした丘に囲まれ、砂浜の目の前には美しい海が広がる隠れ家的ビーチです。
このビーチはまた、キャンプを楽しむのにもおすすめで、気の知れた仲間たちと一緒に1~2泊過ごすのにはもってこいの場所です。
ロードス島のおすすめスポット⑩ プラソニッシ
ギリシャ語で「緑の島」を意味するプラソニッシは、ロードス市からおよそ92km離れた、ロードス島最南端に位置する場所。
ちょうど突き出たように半島の先端に繋がって位置しているため、非常に開けた感じのビーチがありで、ここではサーフィンやウィンドサーフィンを始め、数々のマリンスポーツを楽しめます。
また、半島の先端部分からロードス島の本島までは砂洲で繋がっており、その両端がちょうどビーチとして広がっているのも特徴的。
さらに、ロードス市から離れているためか、あまり多くの人が押し寄せることがなく、混雑した観光地から離れて時間を過ごしたい人にとってはおすすめです。
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ロードス島|地図や観光情報を確認!ギリシャ領でエーゲ海に浮かぶ島のまとめ
ギリシャ領に属し、エーゲ海に浮かぶロードス島を紹介してきました。
ロードス島には紹介してきたスポット以外にも、例えば古代都市カメイロスの遺跡や天然温泉などがあり、加えて現地の美味しい食べ物を堪能したり、カフェでゆっくりと時間を過ごしたりといった楽しみがまだまだたくさんあります。
豊かな歴史と興味深い文化に加えて、ダイナミックなナイトライフなど現代的な楽しみが兼ね備わった場所、そして、どんなに要求が多い観光客でも満足出来るであろう場所がロードス島なんです。