人類未踏峰の山|世界各地に点在する登頂未達成の山を知りたくはありませんか?

人類未踏峰の山について具体例を挙げながら詳しくみていきます。なぜ未だに山頂まで登れていないのかの理由なども合わせてチェックしてみましょう。

世界に点在する未踏峰、つまり、未だかつて誰も頂上まで登ったことがないと信じられている山々の存在は、人によってはチャレンジ精神を湧き起こさせるロマンです。

では、人類未踏峰の山々とは世界のどの辺りにあり、また、どんな山なのでしょうか?

未踏峰について具体例をピックアップしながら、なぜ未だに人類が登れないのかについても詳しくみていきます。

山や登山に興味がある人は確認してみましょう。

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人類未踏峰の山は世界のどこにあるの?

世界は広く、まだまだ人類が足を踏み入れたことがない場所を考えると、未踏峰の山というのは大小関係なく世界のあちこちに残っていると言えるかもしれません。

その中でも、世界一標高が高い山々が連なるヒマラヤ山脈には、無数の人類未踏峰の山が残っており、同様に、南アメリカ大陸に沿って7,000kmにも伸びる世界最長の山脈アンデス山脈にも、標高5,000mを超える未踏峰が多数存在します。

また他にも、ミャンマーや、旧ソビエトの国の一部やロシア内部の辺鄙な場所などは、何十年もの間外界から閉ざされてきたため、まだまだ人類が登ったことがない、そもそも存在すら良く知られていない未踏峰の山があると考えられるのです。

それらの山々に加え、人類未踏峰を考える時に忘れていけないのが南極大陸。

特に大陸の南部は何千年もの間人類に知られておらず、未だに氷の下からゆっくりと姿を現してきている、隠れた山脈が存在しています。

このように、世界には人類が登ったことのない未踏峰の山が多くあり、中にはまだ人類に把握されていない山もあるのです。

世界にある人類未踏峰の山を8個確認してみよう!

世界にある人類未踏峰の山を全て紹介するのは難しいですが、ここからはその中でもちょっとした知識として知っておきたい8個の未踏峰を紹介していきます。

人類未踏峰の山① ガンカー・プンスム(標高:7,570m)

ガンカー・プンスム(Gangkhar Puensum)はブータンにあり、ブータン国内では最高峰と言われる山。

そして、このブータンにある最高峰は、人類が未だに登頂していないと言われます。

(出典:wikipedia

標高は7,570mと、世界でおそらく40番目ぐらいに高い山であると同時に、世界で最も標高の高い未踏峰であるとされているんです。

この山の名前には、現地の言葉で「White Peak of the Three Spiritual Brothers」つまり、「スピリチュアルな三人の兄弟の白い峰」といったような意味があり、ブータン人にとっては信仰上、非常に大切な場所。

そのため、1994年にブータン政府は6,000m以上の登山を禁止し、2003年以降には、高さに関係なく登山は完全に禁止され、ガンカー・プンスムは、現在に至るまで誰も登頂できていない未踏峰の山となっているのです。

人類未踏峰の山② ムチュ・チシ(標高:7,452m)

ムチュ・チシ(Muchu Chhish)と呼ばれるこの山は、パキスタンのカラコルム山脈にある山。

(出典:Rab

2014年の夏、世界で二番目に高い人類未踏峰の、ムチュ・チシ登頂がついに成功すると期待されていましたが、当時挑戦したイギリスの登山隊は、登頂に近づいたものの6,000m地点まで撤退を余儀なくされて失敗。

今も未踏峰のままの山として残っているのです。

また、この未踏峰の山が未踏峰のまま残っている所以が、登頂以前の問題としてアクセスが非常に困難であるということ。

そのため、そもそも登頂に挑戦した母数自体が非常に少なく、上記のイギリス登山隊以外は、1999年に挑戦したスペイン登山隊しかいないとされています。

人類未踏峰の山③ カブルー(標高:7,412m)

カブルー(Kabru)はヒマラヤ山脈の山で、ネパールとインドの国境に位置しています。

山頂は7,412mを誇る非常に謎めいた山で、世界第三位の標高(8,586m)を誇るカンチェンジュンガ山から南へ延びる山稜に存在する、公式には未踏峰の山です。

では何故、この山が謎めいており、「公式には」未踏峰と言われているかというと、控えめに言っても分かりにくいカブルーの地勢が理由。

つまり、この近辺には曖昧な名前のついた山頂が非常に多くあり、今まで登頂に挑戦した登山隊達も、どうやら最も高い7412のカブルーの山頂にはたどり着いていないようなのです。

例えば、1994年のインドの登山隊に関しては、一部でカブルーの山頂にたどり着いたと言われることものの、実際にはカブルー山頂の周囲へ登頂した記録しか残っておらず、公式には未だに未踏峰であると考えられています。

ちなみに、カブルーはまた、世界で最も南に位置する標高7,000m以上の山でもあります。

人類未踏峰の山④ ラブチェ・カンIII(標高:7,250m)

(出典:youtube

「登山を禁止されていない、世界で最も標高が高い未踏峰の一つ」と称されるこのチベットの山は、ラブチェ・カンIII(Labuche Kang III)と呼ばれる山。

ヒマラヤ山脈に含まれる山で、チベットと中国の国境沿いに存在している標高7,250mの山です。

過去にほとんど登山隊が挑戦してこなかったため、登頂に際してのテクニカルな知識共有がされておらず、それに相まって変わりやすい天候も、登頂を難しくしています。

人類未踏峰の山⑤ カージアン I(標高:7,221m)

カージアン(Karjiang)はチベットにある山で、ブータンと中国との国境付近に位置しており、なかでも、「カージアン I」と呼ばれる峰は、カージアンの中で最も高い7,221mの標高を誇っています。

(出典:summitpost.org

「カージアン I」登頂の最も最近の試みは、2001年のオランダの登山隊によるもの。

一団は、周辺のカージアンIII(6820m)には登りましたが、悪天候によって下山を余儀なくされ、最終的には山から撤退しなければならなくなりました。

その後の2010年には、アメリカ人登山家のJoe PuryearとDavid Gottliebが「カージアン I」の登頂に挑戦しようとしましたが、必要な許可を得る事ができず、代わりにカージアンIIIへの登山に切り替えます。

しかし不幸にもこの登頂に失敗してJoe Puryearは山中で死亡してしまい、それ以来誰も登頂を試みていないため、人類未踏峰の山として残っています。

人類未踏峰の山⑥ カイラス山(標高6,656m)

カイラス山(Kailas)は、チベット高原西部に位置しており、近辺にあるヒマラヤ山脈を形成する他の山とは違い、一つだけで山を形成している独立峰。

力強く立派な姿から、ボン教、仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の4つの宗教によって聖地として崇められており、登頂許可が下りないため、未だに人類未踏峰の山の一つとなっています。

中国当局は2001年にスペイン登山隊に登頂許可を与えましたが、地元や国際コミュニティから反対の声が上がり、中国カイラス山への全ての登山を禁止することに決めたのです。

また、宗教的な理由だけでなく、この山へたどり着くまでの交通手段もほとんど整備されていないこともまた、カイラス山が人を近づけない理由の一つとなっています。

人類未踏峰の山⑦ サウイル・スオタシ(標高:3840m)

サウイル・スオタシ(Sauyr Zhotasy)は、中国とカザフスタンの国境沿いに位置する山で、標高は3,840m。

他の人類未踏峰の山と比べると、それほど威圧的で迫力はないかもしれませんが、未だに人類が登頂したことのない未踏峰の山であるとされています。

また、未踏峰の山としてはプロミネンス(地誌学においては、頂上と最も低い等高線の間の垂直距離:下図参照)の高い山とされ、そのプロミネンスは3,252mになります。

(出典:By Cmglee – wikipedia

それほど標高が高くなく、また、登山に関して高い技術力を求められるわけではないと考えられる一方、これまで多くの登山家が登頂に挑んでこなかったために、登頂付近の情報や信ぴょう性に足る画像などが少なく、そのことが登頂を困難にしているのかもしれません。

人類未踏峰の山⑧ サイプル山(標高:3,110m)

サイプル山(Siple)は、南極大陸のマリーバードランド沖にあるサイプル島に位置する人類未踏峰の山。

サウイル・スオタシと同じようにプロミネンスが高く、その高さは標高と同じ(3,110m)となっています。

(出典:wikipedia

サイプル山が未踏峰な理由の一つが、世界の中でも非常に辺鄙な場所にあり、その地勢を記録しているのが略図だけという点。

この山に関しては知られていることがあまりに少なく、登頂を目指した本格的な登山を試みる前に、まだまだ調査しなくてはいけないことがたくさんあるのです。

また、南極という過酷な環境も、サイプル山への登頂を難しくしています。

結局、人類未踏峰の山には理由がある

世界の様々な地域にある人類未踏峰の具体例を8つ紹介してきたわけですが、これらの山が未だに未踏峰なのにはハッキリとした理由が存在している場合が多くあります。

具体的には、

  • 地理的に全くの遠隔であること
  • 政治的障害
  • 単に知られていない
    • 存在が知られていない山には登れません
  • ある山が未踏峰なのかどうか突き止める事が難しい
    • 世界中の全ての山の登頂歴を記録する完全なデータベースは存在していない
    • 初登頂が未確認もしくは未だに議論されているケースも多々ある

といったもの。

そのため、世界中には数知れない未踏峰の山があると同時に、未踏峰だと信じられている山が、実は歴史上、昔に生きた人たちに登頂されている可能性だってあるわけです。

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人類未踏峰の山|世界各地に点在する登頂未達成の山を知りたくはありませんか?のまとめ

世界にある人類未踏峰の山は人々へ挑戦欲を湧き立たせ、ロマンを感じさせてくれます。

未だに登れていない理由がどうであれ、それらの山々へ人類が登頂出来る日が楽しみです。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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