世界最大のアリ(世界一大きいアリ)とされるディノハリアリとは、どんなアリなのでしょうか?ディノハリアリに関して詳しく紹介していきます。
アリ科に分類される比較的小さな昆虫「アリ」は、約1億4千万年前の白亜紀にハチのような昆虫から進化したと考えられています。
実際、アリ科はハチ目に属しています。
そんなアリは、地球上ほぼいたるところで見ることが出来、様々な生息環境で生存する能力を有し、世界には12,000を超える種のアリがいます。
そして、多種多様なアリの中でも世界最大のアリまたは世界一大きいアリと呼ばれるのがディノハリアリという名前のアリです。
この記事では、そのディノハリアリについて紹介します。
世界最大のアリ(世界一大きいアリ)とは?
世界最大のアリまたは世界一大きいアリとされるアリはずばり、ディノハリアリと呼ばれるアリ。
ハリアリ亜科に属するアリの一種で、その他の通称として「ジャイアントアマゾンアリ」という呼び名でも知られます。
日本でも民家などに生息するヒメアリ(0.3cm前後)や日本最大のアリとされるクロオオアリ(0.7〜1.2cm)と比べ、ディノハリアリはサイズの点ではるかに大きく、なんと働きアリであっても平均的な体長は2.5cm近く、そして女王蟻ともなれば3〜4cmにも達する巨大さ。
この特徴により、ディノハリアリは他の種のアリから容易に見分けることができます。
また、体が大きいだけでなく口元には横並びに突き出た牙のような大きな顎が発達しており、さらに、腹部の末端には毒針を持っている点も大きな特徴。
獰猛な性格を持ち合わせるディノハリアリは、この二つの武器を使って他の昆虫や、両生類や爬虫類などにも襲いかかりエサにしてしまいます。
そして、ディノハリアリは他のアリと同様にコロニーを形成して暮らしています。
ちなみに、ディノハリアリの雌の体は真っ黒である反面、雌に比べ小さな体つきの雄はえんじ色っぽい体色を有しているのも特徴です。
世界最大のアリ「ディノハリアリ」のその他の特徴
ディノハリアリの巣の特徴
ディノハリアリの巣には通常、8ヶ所にのぼる地中の部屋への入り口があり、部屋はそれぞれ直径3〜8cmほどの大きさとなっています。
そして、入り口は一般的なアリの巣と同じように、巣穴を掘る際に掻き出された土壌に囲まれた形になっています。
ただし、一部のアリとは異なり、アリ塚が築かれることはありません。
巣穴の深さはcmほど、部屋の大きさは高さ約3cm、幅約20cmです。
また、ディノハリアリの一部は、一つのコロニーの中に複数の巣を展開しながら生活していることも確認されています。
入り口が40〜250cm離れながらも、複数の巣が同じコロニー内に作られているのです。
ディノハリアリの生息地は?
アリは地球上のほぼいたるところにいますが、世界最大のアリであるディノハリアリは通称であるジャイアントアマゾンアリからも理解出来る通り、南米でその姿が確認されています。
そのほとんどは、アンデス山脈の傾斜地にある山地性熱帯雨林、ブラジル、ガイアナ、アルゼンチン、パラグアイ、エクアドル、ペルーの熱帯雨林の低地、コロンビアのサバンナで見つかります。
ディノハリアリの食事
ディノハリアリが巣に持ち帰る食料は、植物性そして動物性のもの両方で構成されています。
例えば、ヴィスミアと呼ばれる果実やインガと呼ばれる植物の種子を採餌する一方で、クモやコオロギ、カタツムリなどの小さな虫から小さな爬虫類や両生類までを採餌するのです。
ディノハリアリの縄張り
ディノハリアリのコロニーが隣接する場合、それぞれは別のエリアで採餌活動を展開します。
つまり、縄張りが形成されているのです。
例えば、活動範囲の境界線付近で異なるコロニーに属するアリが万が一にも遭遇した場合、アリ同士は向き合い、下顎を突き合わせるような動きを見せ、前足を蹴り合い、それぞれの頭部に触角を当てて威嚇し合います。
そして、一匹がある時点で優勢となると、最終的に相手の頭頂に噛みつき自らの膨腹部を敗者の体に押しつけるのです。
この対立は30分近くに及ぶこともありますが、両者とも対立後は常に無傷の状態であることが分かっています。
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世界最大のアリ(世界一大きいアリ)「ディノハリアリ」とは?のまとめ
世界最大のアリとされるディノハリアリを紹介してきました。
ディノハリアリはその大きさだけでなく、毒針や強力な顎までを持ち合わせる迫力満点のアリです。