世界一小さな鳥・世界最小の鳥を10種類紹介していきます。真に世界最小の鳥となるマメハチドリを始めとして、それ以外の非常に小さな鳥についても確認していきましょう。
世界最大の鳥ダチョウを始め、大きな鳥は比較的良く知られています。
一方で、世界一小さな鳥または世界最小級の鳥に関しては、そこまで有名ではないかもしれません。
しかし、実は世界一小さいと言われる鳥の多くは非常に興味深く、また、その小ささからとても可愛い鳥達だったりします。
この記事では、そんな世界最小として名前が挙がる鳥達の中でも、トップ10に小さいと思われる鳥を一覧にして紹介していこうと思います。
世界一小さい鳥10:ベニオーストラリアヒタキ
ベニオーストラリアヒタキはオーストラリア固有の小さな可愛らしい鳥。
主にオーストラリア西部と南部の草地、砂丘、低木地などでよく見られ、その全長は成鳥でも10〜13cm程度、また体重は10〜11g程度にしかなりません。
独特な動物が数いるオーストラリアに生息していることもあり、その行動は独特で、通常、他の鳥が飛び跳ねるような場面でも、歩いたり走ったりします。
また、オスは頭頂部と胸元が鮮やかな赤色になっており、さらに喉と目の周りが黒く縁取られている一方で、メスはピンクがかった茶色で、喉元の羽毛は白色です。
そして、繁殖期になるとオスの羽毛はより鮮やかな色になっていき、メスは1〜3cmほどの大きさでピンクまたは白みがかった色の卵を3〜5個産みます。
昆虫やクモ、果物、タネなどを食べます。
世界一小さい鳥9:ミナミアサギアメリカムシクイ
主にアメリカのテキサス最南端から南米大陸の中部地域にかけてその姿を確認出来るミナミアサギアメリカムシクイは、全長11cmほどの小さな鳥。
スズメ目のアメリカムシクイ科に属する鳥で、メスはオスよりも色合いがややくすんで見えるものの、オスもメスもどちらも、体の上半分(背中部分)は青みがかった色をしており、一方の下半分(腹部分)は鮮やかな黄色をしているのが特徴です。
また、14に及ぶ亜種が存在し、種によっては色や大きさが微妙に異なってきます。
そして主に、昆虫やクモ、ベリー類などを食べて生活しています。
世界一小さい鳥8:マミジロミツドリ
スズメ目マミジロミツドリ科に属するマミジロミツドリは、中南米の熱帯雨林や森林地帯に生息する色鮮やかな鳥で、全長は約11cm程度にしかならない小さな鳥。
世界中でおよそ40の亜種が確認されており、中には体長が10cm程度にしかならないものもいます。
背中側は灰色がかった黒色で、腹側は鮮やかな黄色をしており、特徴的な鋭く曲がったくちばしを使って花の蜜を吸って生活しています(※亜種によっては全く異なる色合いを持つものもいる)。
非常に行動的で、蜜を求めて花から花へ飛び回るのです。
ただし、ハチドリのように同じ場所へ静止したように飛び続けて蜜を吸うようなことは出来ず、蜜を吸うには枝へ留まらなくてはなりません。
また、小さな果物も食べます。
世界一小さい鳥7:オウゴンヒワ
スズメ目アトリ科に分類されるオウゴンヒワは、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコで姿が確認される小さな鳥。
その全長はおよそ11cmで、体重も13g程度にしかなりません。
オスの体の大部分は鮮やかな黄色で、おでこの部分が黒くなっており、翼と尾は黒く、白い斑点が尾に見られます。
それに対してメスはくすんだオリーブ色に近い黄色の体色を持つなど、オスよりも若干色がくすんでいるのが特徴です。
しかし、オスもまた、繁殖期以外にはその黄色部分がくすみます。
通常は大きな群れで行動し、冬季にカナダから、より南部のアメリカやメキシコに渡ってくることで知られ、状況に応じて様々な鳴き声を出し、主に種子を餌とします。
ちなみに、メスが卵を産んだ後、2週間程度で雛が孵りますが、この羽化からおよそ17日後には巣を離れるなど、その早い成長速度も興味深い点です。
世界一小さい鳥6:タイワンセッカ
スズメ目のセッカ科に属するタイワンセッカは、インドやオーストラリアにかけて分布する小さな鳥で、その全長はわずか10cm、体重は6〜10g程度。
湿地、農地、湾岸近郊などに棲みます。
オスは頭頂部と喉元、胸元が黄金色となり、繁殖期になるとより鮮やかさを増し、一方でメスは、こげ茶色の背中部分とクリーム色の腹部分を持ちます。
また、頭部の毛は少し逆立つように立っているのが特徴です。
葉や草、クモの巣などを使って繁殖期の前に巣作りを始め、鳥類の中では最も「巣作りが上手い鳥」の1つとしても数えられます。
そして、その巣作りでは、クモの巣を手に入れて葉や草を貼り合わせていき、丸い器のような形に仕上げるのです。
世界一小さい鳥5:チャイロセンニョムシクイ
スズメ目トゲハシムシクイ科のチャイロセンニョムシクイは、スズメ目の中では世界一小さい鳥の1つで全長は8〜10cm程度。
オーストラリアの主に東側の沿岸部や熱帯雨林に生息します。
背中側はオリーブ色がかったグレーで、腹側はクリーム色をしており、その色合いは比較的地味です。
また、通常は3、4羽の小さな集団で行動し、1日の大半を樹木の先端部分で過ごしながら、飛んでいる虫を補食します。
世界一小さい鳥4:キクイタダキ
スズメ目キクイタダキ科のキクイタダキは、スズメ目に属する鳥類としてはチャイロセンニョムシクイとならんで世界最小の鳥とされる鳥。
砂漠地帯を除くユーラシア大陸の高緯度から中緯度の地域に広く分布し、その全長は8〜10cm程度、体重は3〜5g程度にしかなりません。
英語では「Goldcrest(黄金の冠)」と呼ばれるように、鮮やかな黄色の頭頂部が特徴的で、ヨーロッパでは「鳥の王」とも呼ばれます。
ちなみに、オスの場合はこの黄色の頭頂部が太い黒い模様で縁取られているのに対して、メスの頭頂部の色は黄色一色となるため、これにより、オスとメスを簡単に見分けることが可能です。
それ以外の色は、背中部分がオリーブグリーン、腹部分が薄黄色となっています。
可愛らしい小さな細いくちばしを持ちながら、蛾の幼虫や小さな昆虫などを捕食し、広葉樹林や庭園などを忙しく動き回ります。
また、高音域で多様な音色でさえずる鳴き声で知られますが、こうした鳴き声が聞けるのは冬季であることが一般的です。
世界一小さい鳥3:ホウセキドリ
彩り豊かなホウセキドリはオーストラリアに固有のホウセキドリ属に含まれる4種の中の1つ。
オーストラリアに固有の鳥類としては最小となる鳥の1つで、オーストラリア全土のユーカリの森に生息し、その全長は8〜10cmほど。
また体重も6g程度にしかなりません。
オスとメスはほぼ変わらない大きさで、尾は非常に短くてずんぐりとしているのが特徴。
また、美しい翼と頭部には、黒のベースに白い斑点が目立ちます。
一方で、腹側は美しいオリーブ色をしています。
世界一小さい鳥2:コバシムシクイ
オーストラリア本土で見つかるコバシムシクイは、8〜9cmの全長と6g程度の体重を持つ鳥。
全長で見た場合はホウセキドリよりも若干小さいため、オーストラリアで一番小さな鳥であり、また、世界で見た場合も世界最小の鳥の1つとして名前が挙がります。
オーストラリア国内の森林一帯に生息しており、色が薄く厚みのある小さなくちばしは、非常に小さい虫を捕まえるのに適しているとされます。
ちなみに、英語では「Weebill」と呼ばれますが、この名前は「Wee(ちっぽけな)」と「Bill(くちばし)」から構成されています。
羽毛は薄茶色で、腹部分は黄色がかった色をしているのが特徴。
また、小さな群れを作って行動し、年間を通して同じ地域で過ごし、繁殖期前には草や植物、羽毛などを利用してドーム型の巣を作ることで知られます。
世界一小さい鳥1:マメハチドリ
正真正銘、真の「世界一小さい鳥」や「世界最小の鳥」となるのが、ヨタカ目ハチドリ科に属するマメハチドリ。
キューバの固有種であり、主に沿岸部の森林地帯に生息しています。
その全長は4〜6cm、体重は1.5-2gほどにしかならなかったりと、この記事で紹介してきた他の世界最小級の鳥たちと比べても圧倒的に小さくなり、その卵も鳥類一小さく、なんと重量はたったの0.3gです。
1秒間で50回から80回も翼を羽ばたかせることが出来、同じ場所へ停止したように飛び続ける「停空飛翔(ホバリング)」が可能で、その停空飛翔と長いくちばしを使い、花の蜜を吸い続けて栄養を蓄えます(※時には小さな虫を捕食することもある)。
しかも、停空飛翔は非常に多くのカロリーを消費するため、1日で1000を超える花を訪れて蜜を吸い続けることもあるとされます。
一方で、花から花へ移動するマメハチドリは、花粉を運ぶ重要な役割も果たしており、この土地の植物にとってはなくてはならない存在です。
ちなみに、メスはオスよりも若干大きめであり、また、その小さな体は恒温動物として必要な最小限の大きさだと考えられています。
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世界一小さい鳥・世界最小の鳥トップ10!マメハチドリは有名のまとめ
名実ともに世界一小さい鳥となるマメハチドリをはじめとして、世界最小級に小さな鳥達を10種類紹介してきました。
大きな鳥についてはそれなりに知られていますが、小さな鳥はそこまで知られていないので、ちょっとした豆知識として覚えておきましょう。