世界最大の熊・世界一大きな熊はなんという熊でしょうか?また逆に、世界最小の熊はどういった熊でしょうか?12種類の熊を紹介していきます。
テディベアを始め、熊をモチーフにしたキャラクターの多くは、どれも可愛らしい見た目で描かれ、抱きしめたくなるようなものばかりです。
しかし、熊の多くは野生で出くわしたら絶対に近づきたく無い動物で、万が一にでも怒らせたら人間の命の保証はないなど、非常に強力な力を持ち、大抵の生息地において陸上動物の頂点に立ちます。
では、そんな熊の中でも世界最大の熊と呼ばれるのは何という種なのでしょうか?
また逆に、世界最小の熊は何なのでしょうか?
この記事では、世界一大きな熊とそれに匹敵する最大級の熊6種と、世界最小の熊を含めた抑えておきたい他の6種の熊を紹介していきます。
世界最大級の熊一覧
ホッキョクグマ(世界一大きな熊)
北極圏に生息し、シロクマという名前でも親しまれているホッキョクグマは、名実ともに世界最大、つまり世界一大きな熊。
体長はオスよりメスの方が大きく、オスの個体であれば体長250cm、最大で体重800kgにもなり、特にロシアのチュクチ海に生息する個体群が最も大型化する傾向があると言われます。
極寒の北極圏でも暮らせるように発達しており、その一つの特徴がホッキョクグマをシロクマという名前にしている「白色の体毛」。
この白色(透明)の体毛によって太陽光を皮膚にまでしっかりと行き届かせ、それによって体の中に熱を取り込み、分厚い脂肪と体毛によって一旦取り入れた熱を体内にしっかりと維持することが出来るのです。
そんなホッキョクグマの主食はアザラシで、他の哺乳類や魚、鳥なども捕食。また、陸で産まれますが、生活のほとんどの時間を海氷の上で過ごします。
しかし、近年の気候変動による海氷の減少は、この海氷上での生活を脅かしており、実際、近年は生息数の減少も確認され、将来的な絶滅の危険性が危惧されています。
コディアックヒグマ(世界最大級の熊で最大のヒグマ亜種)
ホッキョクグマと並んでクマ科最大種と言われるヒグマは、茶系統の体毛を持ち、複数の亜種が存在することによって、広大なユーラシア大陸と北アメリカ大陸の広範囲に分布しています。
そして、このヒグマに属する最大亜種で世界最大のホッキョクグマにほとんど匹敵すると言っても過言でないのが、アラスカのコディアック諸島を中心に生息しているコディアックヒグマ。
体長はオスの平均で244cmにもなり、より大型の個体であれば3m近くに達し、体重もオスは平均して390kg前後で、過去には751kgの体重を誇る個体も存在していました。
さらに、直立した時の高さが3m近くに達することでも知られています。
他のヒグマの亜種と比べて、生息地で産卵のために川を遡るサケを捕食しやすいことから体がより大きくなると考えられており、豊富な栄養によって世界最大級のサイズを手に入れるのです。
ちなみに、北アメリカの内陸部に暮らすヒグマの亜種「ハイイログマ(グリズリー)」のオスの平均体重は260kg程度なのに対して、コディアックヒグマのそれは390kgであることからも、このヒグマの亜種が他と比べてどれほど大きいか分かります。
カムチャッカヒグマ(生存が確認されれば世界最大級に匹敵)
残念ながら現在は「絶滅した可能性が高い」とされるものの、過去には最大655.2kgの個体がいたと言われる世界最大の熊種の一つが、ヒグマの亜種に数えられたカムチャッカヒグマ。
ユーラシア大陸では最大の熊となり、ロシアのカムチャッカ地域やベーリング海に位置するアラスカのセントローレンス島などの周辺の島々に生息し、季節によってベリー類やナッツを採って食べ、魚や他の動物を餌としていました。
また、世界最大級の熊であるコディアックヒグマの祖先であるという説も存在します。
しかし、ロシア人がユーラシア大陸の北東部にあるカムチャッカまで入植してきた結果、カムチャッカヒグマは毛皮目当てで乱獲されるようになり、これが結果として絶滅につながったと考えられています。
ちなみに、絶滅したとされるものの、このカムチャッカヒグマを世界最大の熊の一覧に加えた理由は、あくまでも「絶滅した可能性が高い」のであり、もしかしたらまだ生きている可能性もなきにしもあらずだからです。
ハイイログマ(大型の熊としてとても有名)
ラテン語では「恐ろしい熊」という意味のウルスス・アルクトス・ホリビリスという名前が付けられているハイイログマは、北アメリカの内陸部や沿岸部に住み、別名グリズリーやアメリカヒグマと呼ばれるヒグマの亜種。
呼び方がどうであれ、獰猛で、その大きさは巨大であることに変わりなく、オスの平均体重は260kg前後。過去には508kgにも達する大きな個体が確認されたことがあります。
季節によって食べるものは異なり、その範囲は大型の草食獣からサケやマスなどの魚、さらには果物や昆虫までに及びます。
ちなみに、ヒグマの亜種であることから、体毛は茶系統(明るい茶色から黒っぽい茶色まで広範囲)を基本としますが、このハイイログマの体毛は先端部分が灰色(グレー)がかっているのが特徴で、これがハイイログマという名前の由来です。
ユーラシアヒグマ(大型種ヒグマの基本亜種)
ヒグマの亜種の中では基亜種となるユーラシアヒグマ(ヨーロッパヒグマ)は、ヨーロッパ各地からロシアにかけて生息していましたが、人間による乱獲や生息地の破壊によって、現在は北ヨーロッパから東欧とロシアが主な生息地となっている熊。
北ヨーロッパでは山岳地帯、ロシアではシベリアの森林地帯で暮らしています。
その大きさはオスであれば平均体重が250〜300kgになるとされ、世界一大きなホッキョクグマやコディアックヒグマには及ばないものの、世界にいる熊種の中では比較的大きなサイズを誇るのです。
ちなみに、かつて古代ローマ帝国がヨーロッパを中心に覇権を広げていた時代、このユーラシアヒグマは闘技場に連れてこられ、グラディエーターや他の動物との戦いをさせられたという話が残っています。
エゾヒグマ(日本最大の陸上生物)
他のヒグマの亜種と比べると、平均的な体重がオスで120〜250kgと比較的小さいものの、これまで450kgのオスや500kgのメス、そして2007年には520kgのオスが見つかっているなど、大きな個体はハイイログマにも匹敵するエゾヒグマは、日本の北海道の森林や原野に生息する大きな熊。
他にもサハリンや南千島列島、スタノヴォイ山脈辺りから中国北東部、朝鮮半島などでも見つかっています。
日本では最大の陸上生物であり、他のヒグマの亜種と同じように、木の実から他の動物まで何でも食べる雑食性。
それに加えて、泳ぐのがとても得意だという特徴も有します。
その他知っておきたい熊一覧(中型の熊〜世界最小の熊)
アメリカグマ
ヒグマやホッキョクグマを大型の熊とすれば、中型の熊に分類されるアメリカグマは、カナダ、アメリカ、メキシコに分布する、北アメリカ大陸に住む熊。
ヒグマを避けるために木が沢山生えている森林の中に住むことを好み、食べ物にありつくために時として人間の世界に近づくこともあります。
体の大きさは年齢、性別、健康状態、季節によって大きく変わるのが特徴で、典型的なオスの成獣の体重は57〜250kg、メスの成獣は41〜170kgの間で推移します。
また、雑種であるもののヒグマに比べると植物食の傾向が強く、さらに、基本的な体毛の色は黒が基調です。
メガネグマ
メガネグマは目の周りに黒い輪っかがあり、メガネをかけているように見えるので、その名前が付けられました。
生息地は南アメリカに限られ、体重はオスで130〜200kgとなる中型の熊。
肉食獣と言われることもありますが、肉食性の食べ物はこの熊が摂取する食事の5%程度に過ぎず、他の多くの熊と同じように雑種で、どちらかという果物を主食としています。
ちなみに、南米大陸の中でも1800〜3300mと、比較的標高の高いアンデス山脈の雲霧林に生息しています。
ナマケグマ
ナマケグマはクマ科ナマケグマ属を一種で構成する中型の熊で、インドやネパール、バングラデシュやブータンなど、主にインド亜大陸を中心とした地域に生息しています。
体重は80〜145kgで、体長は140〜190cm程度。
主な食事としてシロアリを食べ、他の昆虫や鳥の卵、そして果物や花などなんでも食べる雑食性です。
その体はひょろ長く、また、長い毛を有するのが特徴です。
アジアクロクマ
日本ではツキノワグマとして知られるアジアクロクマは、アジア全域に分布する熊です。
典型的なオスの体重は50〜120kg。最大でも173kgと中型の熊で、「ツキノワグマ」という名前から分かる通り、胸部には三日月型の白い斑紋が入っているのが特徴(個体によっては無い場合もある)。
主に森林地帯に住み、また、他の種類の熊に比べると直立歩行をする頻度が高いという特徴も持ちます。
ジャイアントパンダ
可愛らしくて、抱きしめたくなるような姿から、動物園の人気者として知られる中国原産のパンダも、クマ科に属する熊の一種。
丸々とした体つきと白い毛で覆われた顔と体、そして、黒い毛で覆われた眼の周り、耳、四肢、背中の両肩の間が特徴で、体長は120〜150cm程度、オスの体重は約100kgと、他の熊と比べると小ぶりです。
また、一応雑食性であるものの、パンダの食べ物として有名な笹または竹が基本的な食事となります。
マレーグマ
マレーグマは、インドネシア、カンボジア、タイ、マレーシア、ミャンマーなど、主に東南アジア諸国の熱帯雨林に生息し、本種のみでクマ科マレーグマ属を形成する熊。
「世界一小さな熊」または「世界最小の熊」とされる、体長100〜150cm、体重25〜65kg程度の小型の熊で、黒くて短い毛で覆われており、鼻口部は色が薄く、薄い白っぽい部分は目の上まで広がっているのが特徴です。
また、昆虫や爬虫類を始めとした小さな生き物から果物まで何でも食べる雑食性ですが、「甘くてべとべとした食べ物を好む」というイメージを持たれているインドネシアなどでは、現地の言葉で「蜂蜜熊」とも呼ばれています。
一方で、人間による乱獲や害獣として駆除されてきたこと、さらには生息地の減少によって、現在は生息数を大きく減らしてしまっています。
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世界最大の熊・世界一大きな熊とは?合わせて世界最小の熊まで紹介!のまとめ
世界最大の熊から世界最小の熊まで12種類の熊を紹介してきました。
世界各地には熊をモチーフにしたマスコットキャラクターがたくさんありますが、実際の熊はどちらかと言えば力強く、恐ろしい一方でかっこいい動物なんです。