マサイ族とは?視力やライオン狩りで有名で高身長なアフリカの先住民達

マサイ族について詳しく紹介していきます。高い身長や視力、そしてライオン狩りなどで、世界的に最も有名なアフリカの民族です。

アフリカには多くの民族が住んでいますが、なかでも最も有名な民族の一つがマサイ族。

古代から受け継がれてきた個性的な儀式や信仰、そして服装や装飾品で知られていますが、同時に子驚異的な視力や高身長といった身体的特徴から、百獣の王ライオンを狩る人々としても有名です。

そんなマサイ族に関して、一般的なことから、彼らを代表する特徴的なことまで、詳しく見ていこうと思います。

マサイ族のことが気になったら確認必須です。

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マサイ族とは?

マサイ族(Maasai)とは、タンザニア北部からケニア南部に何百年と住み続けているとされる先住民族のこと。

非常に個性的な習慣や特徴的な服装、また多くのマサイ族は、アフリカ大湖沼の自然動物保護区近辺に住居を構えていることが、彼らを世界の民族の中でも最も有名な民族の一つにしています。

垂直方向へ高くジャンプするマサイ族の映像を見た人も多いはずです。

現在では人口も増えていると言われ、1989年に実施された調査ではケニアに住むマサイ族の数は377,089だったのに対して、2009年の調査では841,622人に増加しているのがわかっています。

一方、タンザニアに住むマサイ族の人口は700,000〜800,000と推定されており、両地域を合わせたマサイ族全体の数は、およそ150万人強になるとされています(参照:Ethnologue

マサイ族の言語

マサイ族は元来、遊牧生活を送ってきた人々ですが、近年では遊牧生活だけでは暮らしていくのが難しくなってきたため、人によっては観光ガイドの仕事をしたり、自らの村へ観光客を誘致して伝統的な文化、習慣、日常の生活などを見せて報酬を得ることが多くなっています。

(※現在、多くのマサイ族はケニアとタンザニアに定住して生活し始め、遊牧民のライフスタイルが大きく失われつつあります。)

そのため、多くのマサイ族が英語を操れるようになっていますが、彼ら固有の言語ももちろん存在しています。

その名も「マサイ族」または「マー語」と呼ばれるもので、東ナイル諸語に属する言語の一つであり、マサイ族の「Maasai」とは、「マー語を喋る人々」の意味です。

マサイ族やマサイ文化の驚くべき特徴

さて、マサイ族に関して基本的なこと理解したところで、ここからはマサイ族に関する驚くべき特徴を見ていきましょう。

マサイ族の特徴1:マー語の秘密

マサイ族の文化では、世代を超えて伝統や知識を伝承するにあたって、口頭伝承が行われてきました。

Maasai Greeting

そのため、マサイ族が使うマー語は、我々日本人の日本語とは異なり、口語として発達した一方、一般的に書き言葉として使われることはあまりないといった特徴があります。

また、マー語は南スーダンに居住する民族の一つLatuko族が使う「Latuko語」に関係しているとされ、マサイ族は元々この地域から移ってきた人々であるかもしれないと考えられるのです。

マサイ族の特徴2:視力が高すぎ!

マサイ族の身体的な特徴の一つが、その「驚異的な視力」。

なんと彼らの視力は、日本で行われる通常の視力測定方法では計測が不可能とされ、通常、3.0~8.0もの視力を持ち、人によっては12.0の視力を持っていると言われるほど。

この視力12.0というのは、視力表の2.0の記号を30m離れた位置からでも判別出来る程度らしいです。

また、ただ視力が良いだけでなく暗視能力も持つとされ、少しの光があれば、サバンナの暗闇でも周囲を見渡せる優れた能力を兼ね備えているんです!

ただし、都会生活が長いマサイ族の視力は1.0前後になっていることから、彼らの驚異的な視力は遺伝ではなく、環境によるものだと推測されています。

マサイ族の特徴3:身長が非常に高い

もう一つのマサイ族の身体的特徴として高身長が挙げられます。

幅に関しては一般的に細身である一方、身長が非常に高く、いくつかの報告によると、平均身長は190cmにもなると言われるほど。

ただし、厳密な調査が行われたわけではないので、190cmという数字は正確ではないかもしれませんが(参照:NC STATE University、実際に目で見た観光客の多くが高身長という印象を受けているようなので、「高い身長」という身体的特徴を持っていることは間違いないかと思います。

マサイ族の特徴4:牛が大切

マサイ族にとって牛は、何よりも大事な物で唯一無二の存在と言っても良い存在。

マサイ族の中でも特に男性は、最も効果な所有物と考えられている牛の牧畜へとても強い誇りを持っています。

彼らが考える優秀な牛を群れを成すぐらい多く抱えることは、強い富の証で、他の国の人にとっては、高級な家やスポーツカーを所有しているような感覚かもしれません。

マサイ族の特徴5:ライオン狩り!

「マサイ族と言えばライオン!」とイメージされることがあるほど、マサイ族がライオンを狩る民族であるのは有名。

ライオン狩りは、マサイ族にとっては決して楽なものではなく命がけの行為で、男性は一人で雄のライオン(雌ライオンは狩らない)狩ることで、男としての勇気と強さ、そして名声を高めるのです。

一方で近年は、病気によってライオンの数が減少してしまった結果、マサイ族は狩りを制限するため、一人でライオンの雄を狩る行為を禁止し、グループでのみ狩りをしていいというルールを設けてライオンの数の回復につとめています。

ちなみにこのライオン狩りは、マサイ族の戦士たちの間では、恐怖心を取り除いて何事にも動じない精神的強さを獲得するために行われてきた伝統的な習慣の一つなんです。

マサイ族の特徴6:生まれたばかりの頃は人ではない?

実はマサイ族、生まれたばかりの赤ちゃんは「人」として考えていないらしいんです。

というのも、マサイ族が昔から暮らす生活環境下では、乳児の死亡率が非常に高く、生後3ヶ月立ってからようやく「人」として認めるというのがその理由。

マサイ族が暮らしてきた環境の過酷さが分かるエピーソの一つですね。

マサイ族の特徴7:服装と装飾品

マサイ族の服装は世界的にも有名で特徴的。

というのも、マサイ族にとって服装とは、青年であったり老年であったり、また割礼からの回復中であったりといった、「現在のライフステージを示すもの」であるから。

また、時には色鮮やかなシュカ(shukas)と呼ばれる布を身にまとい、女性はビーズ、木材、粘土や骨などで作られた、手の込んだ華やかな装飾品を身につけています。

マサイ族の特徴8:死と大地への還元

マサイ族の伝統では、人が亡くなった場合、その遺体を大地に残し、あえて他の動物の食料とすることで、地球への還元が出来ると考えているそう。

遺体を大地へ残す際には、亡くなった人の死を悼みながら遺族は遺体に牛の血を注ぎ、ハゲタカをはじめとする野生動物を惹きつけやすくする工夫をします。

動物を寄せ付けず、遺体が放置されたままの状態となってしまうことは、残された遺族にとって縁起の悪いことであるとされているのです。

マサイ族の特徴9:身体改造してる

マサイ族は皆、頭髪を剃り上げ、耳たぶに大きな穴を開け、枝や小石、象牙をはめこむなど、何かしらの身体改造をしています。

また、子どもの乳歯はすべて抜かれることが伝統となっているらしく、これは病気から身を守るという意味があるそう。

ある意味、身体改造に関しては先進的な民族と言えるかもしれません。

マサイ族の特徴10:神様は「ンガイ」

マサイ族の多くは、男性でも女性でもない「ンガイ(Ngai)」と呼ばれる神様を信仰しているそう。

そして、マサイ族にとって、家畜はンガイからの贈り物であり、家畜の数の多さがンガイからの愛情の深さを示しているとも信じています。

ただし、この地にキリスト教が持ち込まれて以降、キリスト教に改心するマサイ族の人々も増えてきているのも事実です。

マサイ族の特徴11:住居

遊牧民として生活していた歴史があるものの、近年は多くのマサイ族が同じ場所に住居を持ち、定住するようになり始めているのは、最初の方でも触れた通り。

そ住居は円形の形をしていて、一般的に土、木の枝、草、牛糞、そして人間の尿を混ぜたものをセメントとして用いて建てられたもの。

また、マサイ族にとって住居は、危険な野生動物から身を守るためにも重要な役割を果たしています。

マサイ族の特徴12:家父長制

マサイ族の文化は伝統的に家父長制。

重要な決断は、すべて年配の男性たちに委ねられています。

これら年配の男性達は、他の集落や部族と交渉や協議をする際にオブザーバーとして見守ったり、縁談をとりまとめたり、必要な場合は部族のメンバーを罰することもあります。

一方で、若い男性は決まりごとに関わる権利がなく、戦士として育成されます。

マサイ族の特徴13:男性はある程度年をとってから結婚するのが一般的

戦士としての義務、そして村を守る務めがあるため、マサイ族の若い男性が結婚することはあまりありません。

一定の年齢を迎え、戦士として戦力になることが難しくなり始めてから妻を迎えることとなります。

逆に、若い女性はそのようなしがらみがないため、マサイ族の文化では夫婦間に大きな年齢差があることが珍しくないのです。

マサイ族の特徴14:一妻多「夫」制

マサイ族の文化で特徴的なのが、マサイ族の女性がマサイ族の男性と結婚すると、男性本人のみならず親族や友人とも結婚することになるという点。

乳児の死亡率の高さにより、年齢の離れた夫の多くは、同意のもと妻が家族の他の男性と関係を持つことを許可するのです。

妻が妊娠した場合、生まれた子どもは夫、そして実の父親二人の子どもとして育てられます。

マサイ族の特徴15:歌とジャンプ

Maasai Jumping Dance

マサイ族は世界でも数少ない喉歌の文化をもつ民族の一つ。喉を使って変わった音を発しながら歌を歌います。

また、伝統的な踊りには、若い男性が男らしさを示して女性を魅了するため、世界的にも有名なジャンプが含まれています。

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マサイ族とは?視力やライオン狩りで有名で高身長なアフリカの先住民達のまとめ

マサイ族はケニアからタンザニアに広がる地域に昔から暮らし続けてきた先住民。非常に変わった文化や身体的特徴を持っており、人間の多様性を感じさせてくれます。

しかし、社会の近代化や西洋文化の影響、そして干ばつや部族リーダーの求心力が失われつつあること、またナイロビや他の都市部へ経済的なチャンスを求め始めたことなどから、若い世代の伝統と文化離れが進んでいます。

マサイ族の固有の文化や伝統が完全に失われないように祈るばかりです。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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