サハラ砂漠とは?広い面積を抱えアフリカにある世界一大きな暑い砂漠

サハラ砂漠について詳しく見ていきましょう。アフリカ大陸のおよそ1/3にもなる広大な面積を抱えるサハラ砂漠は、「いわゆる砂漠」としては世界一大きな砂漠です。

地図で北アフリカをちらっと見たとき、そこに見えるものの多くは、世界で最も大きくて暑いサハラ砂漠。

北の地中海から大西洋、東の紅海にまで及ぶサハラ砂漠は、アフリカ大陸のおよそ1/3を占める広大な面積を抱えているのです。

そしてサハラ砂漠では、毎年3月下旬から4月上旬にかけて約230kmの砂漠地帯を走破する「サハラマラソン」が開催されるなど、人々を魅了しています。

この記事では、そんなサハラ砂漠に関して、基本的な知識から、ちょっとした豆知識までを紹介していこうと思います。

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サハラ砂漠とは?

サハラ砂漠とはアフリカ大陸の北部にある砂漠で、総面積は920〜940万㎢

一般的にイメージされるいわゆる砂漠」としては世界最大で、おおまかに言うとアフリカ大陸の10%を占めている巨大砂漠。

東側は紅海に接していて西は大西洋まで広がっており、その長さは4800kmにもなります。

また、サハラ砂漠の北側は地中海の境界線まで伸び、南側は砂漠から半乾燥した熱帯サバンナへと変化する場所「サヘル」まで続き、南北の幅は1800kmとされます。

ちなみに、広大なアフリカの中でもサハラ砂漠より南の地域を「サブサハラ」と呼ぶことがあり、国際情勢国際開発などの分野においてサハラ砂漠は、この地域の地理的境界線を示す基準として度々使われることがあります。

サハラ砂漠はしばしば「世界最大の砂漠」と言われますが、これは正確には正しくありません。

というのも、砂漠の定義は「年間降水量が250mm以下の地域」または「降雨量よりも蒸発量が多い地域」のことであり、この定義では約1400万㎢の面積を持つ南極が世界最大の砂漠となるからです。

しかし、暑い砂漠」または一般的にイメージされる「いわゆる砂漠」としては、サハラ砂漠が世界最大になります。

サハラ砂漠の地理

広大なサハラ砂漠にはアルジェリア、チャド、エジプト、リビア、マリ、モーリタニア、モロッコ、ニジェール、スーダン、そしてチュニジアなど、複数のアフリカ諸国が位置します(ただし、サハラ砂漠の大部分は未開発)

また、地形も様々で、同じ場所であっても風などによって時間を掛けながら変化してるため、サハラ砂漠では、

  • 砂丘
    • 風によって運ばれた砂が堆積して出来た丘状の地形
  • 砂海(エルグ)
    • 起伏のない広大な砂の海原で風が通った際に出来る特徴的な波のような跡がある
  • 砂平原
  • 岩石台地
  • 礫平原
    • 砂塵が風で飛ばされて大きな礫(つぶて)や岩塊などが残るため生じた礫を敷きつめたような地面
  • 塩類平原
  • 涸れ谷(かれだに)
    • 流水のない枯れた川で、雨期の一時的な豪雨時にだけ水が流れる

といった異なる地形的特徴を見つけることが出来ます。

ちなみに、サハラ砂漠で一般的に連想されるエレグは、面積全体の約14%しか占めていなく、多くは岩石が点在する岩石砂漠だと言われます。

また、砂漠の中心地域は超乾燥地域で草木がほとんどありませんが、一方で北部と南部にはまばらに牧草地や低木があり、より湿気がある一部の地域では、さらに多くの植物を見つけることが出来ます。

サハラ砂漠の最高峰と最低部

また、サハラ砂漠には山脈もいくつかあり、その多くは火山。

なかでもサハラ砂漠の最高峰として存在するのは、チャド北部のサハラ砂漠中央、ティベスティ山地南部に位置する火山「エミクーシ山」で、その高さは3415mあるとされます。

反対に、サハラ砂漠の一番低い場所はエジプトのカッターラ低地で、海面よりも133m低い所にあります。

サハラ砂漠の水

現在、サハラ砂漠で得られる水の多くは、一時的な豪雨などによって、季節的そして断続的に発生する川(流水)の水です。

しかし、サハラ砂漠の東部には、中央アフリカから北の地中海まで注ぐナイル川も存在します。

さらに、その他にもサハラ砂漠には地下の帯水層があり、その水が地面の表面に出て来る場所にはオアシスや小さな街が集まっています。

サハラ砂漠の気候

サハラ砂漠は極端に乾燥しているのに加えて、世界で最も気温が高い地域の一つです。

年間の平均気温はおよそ30℃とされますが、一番暑くなる地域では時期によって気温が50℃を超えることもよくあります

また、気温ではなくて砂の温度を見ると、過去にはスーダンの首都ポートスーダンで83.5℃を記録したこともあるとされます。

一方で、湿気がほとんど含まれないサハラ砂漠の空気は熱を保つことが出来ないため、夜間には急激に気温が下がり、日中とは対照的に凍えるほどの氷点下に下がることも少なくありません。

例えば過去には、日中の気温が37.5℃あったにも関わらず、夜間の気温が−0.5℃になったことがあり、最高気温と最低気温の幅が大きいのが特徴です。

サハラ砂漠に関する興味深い7つの話

サハラ砂漠に関して基本的な知識を確認してきましたが、ここからは、サハラ砂漠をさらに興味深い場所にしている7つの話を紹介していきます。

以外に多くサハラ砂漠で生育する植物

サハラの中でも特に乾燥しているリビアの南部地域などでは、ごくわずかな種類の植物しか確認することが出来ませんが、サハラ砂漠に点在するオアシスでは多種多様な植物を見ることができます。

そのため、広大のサハラ砂漠全体を見渡すと、この地域に生育する植物の種類は大抵の人が想像するより多く、その数はおよそ1200(500や2500といった説もある)

主に、高木、低木、ハーブ、草などの植物が広範囲に渡ってまばらに生育しており、地域によって高温で乾燥した気候に順応した植物から、高めの塩分濃度に順応した塩生植物までが存在します。

サハラ砂漠にいる動物達

また、水源が限られているサハラ砂漠は他の地域と比べれば、生息している動物の数は少ないかもしれませんが、それでも植物と同じように以外と多くの種が暮らしていると考えられています。

具体的には以下の通りです。

  • 哺乳類
    • 70
  • 鳥類
    • 90
  • 爬虫類
    • 100
  • その他複数の昆虫類 など

(参照:worldatlas

さらに、サハラ砂漠に生息する動物の中には、非常にユニークで他の場所では見るのが難しい生き物も存在しています。

例えば、「ツノクサリヘビ」は、名前から想像出来るように頭にツノが生えた1mにも満たない毒蛇で、サハラ砂漠やアラビア半島などの乾燥した地域に主に生息しています。

他にも、

  • ヒトコブラクダ
  • ドルカスガゼル
  • フェネックギツネ

などは、サハラ砂漠に生息している特徴的な動物達です。

サハラ砂漠に住む人々

現在、サハラ砂漠にはおよそ2500万の人々が住んでいるとされ、その多くは、モーリタニア、モロッコ、アルジェニアに住むとされます。

また、こ人口規模を基に人口密度を導き出した場合、1㎢あたりおよそ0.5人

日本の人口密度が335人/㎢であることを考えると、広大な土地に対して圧倒的に住んでいる人が少ないことが分かります。

一方で、オアシスなどの水源がある地域に定住している人を除いた場合、サハラ砂漠で暮らす人々は基本的に砂漠を移動しながら生活する、いわゆる「遊牧生活」を送っているとされ、ベルベル人系の遊牧民「トゥアレグ族」などは良い例でしょう。

ちなみに、サハラ砂漠に住む人達の中には様々な言語や国籍が入り混じっていますが、7世紀頃、北アフリカを中心にアラブ人達が多く流入した結果、今日、この地域で最も良く使われる言語はアラビア語となっています。

サハラ砂漠の気候変化

現在のサハラ砂漠は暑くて極端に乾燥していますが、この数十万年の間、地球の気候変化に影響を受け、サハラ砂漠自体も気候変化を繰り返してきたと言われています。

例えば大昔、サハラ砂漠一体は湿潤な気候で、水も十分にあったと考えられ、現在は同地域に住んでいない野牛やゾウ、そしてカバなどが生息していたと言われます。

また、当時の環境下で人類は、狩猟生活をしていたそう。

しかし、紀元前3500年前後に、季節風の流れが南へと移動するなど、何かしらの気候変化が起きた結果、サハラ砂漠の大部分が乾燥して現在の状態に近くなったと考えられます。

※サハラ砂漠南部にある熱帯収束帯(大気循環の中で赤道付近に形成される低気圧地帯)によって、この地域への湿気の侵入が遮られていることも、サハラ砂漠の乾燥を促進した原因の一つだと思われる。

一方で、近年の地球温暖化の影響により、南の縁部では緑化の兆候が見られるとする主張もあります。

このように、サハラ砂漠は気候変動によってその形を変えてきたのです。

サハラ砂漠にも雪が降る!?

サハラ砂漠に関する驚くべきことの1つとして、「サハラ砂漠には雪が降ることがある」という事実があります。

例えば、「サハラへの入り口」や「サハラ砂漠への玄関」と呼ばれる、アトラス山脈に位置するアルジェリアの「アインセラフ」では、2018年1月7日に雪が降っただけでなく、異例の積雪が観測されました

この時の積雪は、最も深いところでおよそ40cmにもなったとも言われます(公式な観測では1cmに満たないとされる)

そして、降雪後に太陽の光によって雪の一部が溶け始めると、オレンジ色の砂と白色の雪のコントラストが非常に美しい、世にも珍しい光景が生まれたのです。

サハラ砂漠はシロッコが生まれる地

毎年初夏、イタリア半島にはシロッコと呼ばれる強い風が吹きます。

The Scirocco Winds in Sicily – May 2017

このシロッコは、アフリカ大陸から地中海を超えてイタリア半島に吹く南風で、場合によっては砂嵐を伴うこともあるんです。

というのも、このシロッコの起源はサハラ砂漠だから。

サハラ砂漠で強い風が巻き起こることで一緒に多くの砂が飛ばされ、イタリアに到着した時には砂嵐になることがあるのです。

ちなみに、サハラ砂漠は非常に乾燥しているため、風が巻き起こった当初は乾燥していますが、地中海を超える間に海から湿気を含むようになるため、イタリア半島に到達したシロッコは「高温湿潤風」に変わっています。

サハラ砂漠の砂丘の中にはびっくりするほどの高さを誇るものも存在する

サハラ砂漠にはいくつもの砂丘がありますが、中には150m以上で200m近い高さになるものも存在すると言われます。

砂丘は強い風が吹くことで砂を押し上げ、山なりの形を作ることで出来上がるわけですが、150m以上級の砂丘は、ハリケーンレベルに達することもある北東の風が吹いた時、稀に大量の砂を押し上げられることで出来るらしい。

とにかく、サハラ砂漠にはびっくりするほどの高さを誇る砂丘が存在するんです。

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サハラ砂漠とは?広い面積を抱えアフリカにある世界一大きな暑い砂漠のまとめ

サハラ砂漠について詳しく見てきました。

北アフリカと呼ばれる地域の大半を占め、その広大さで知られるサハラ砂漠は、地球上で最も大きく暑い砂漠。

そんなサハラ砂漠は、その地形や動植物、気候、そこに住む人々に関して、多くの魅力的な話を持っているのです。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

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