神話の一覧|10の名前や種類を紹介!

神話の一覧です。知っておきたい10の神話や物語の名前と種類を紹介し、それぞれについて簡単な解説をしていきます。神話に興味がある人は確認してみましょう。

世界各地に散らばり、民族、文化、文明の数だけ存在すると言っても過言でない伝承の中には、「各地域の神々」や「神と人間との関係」を軸に作られて語り継がれてきた神話がいくつも存在します。

そのため、全ての神話の名前を挙げたらキリがないほどで、もしかしたら未だに一般的には認識されていない神話もあるかもしれず、全てを完璧に網羅するのは困難です。

一方で、中には絶対に抑えておきたい神話があるのも確かです。

この記事では、数ある神話の中でも知っておきたい10種類の神話を、一覧としてまとめ、それぞれを簡単に紹介していきます。

ちなみにこの中には、性質上、神話に非常に近いものの正確には神話とは言えない物語も含まれているので、その点は頭に入れておいてください。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

神話の一覧:抑えておきたい10の神話と物語

神話の名前と種類1:ギリシャ神話

古代ギリシャ人は、西洋人の精神や大衆文化にも多大な影響を与えてきた、古代ギリシャ発祥の神話。

古代ギリシャから始まったと言える西洋哲学やキリスト教神学を始め、他にもヘレニズム(アレキサンダー大王の遠征によってギリシャ文化が古代オリエントの広範囲に浸透して融合していった現象)を通してヨーロッパを中心に現在の中東や中央アジアにまで影響を与えました。

このギリシャ神話には多くの神々や英雄、そして怪物などが描かれ、神々の戦いや英雄と怪物との戦いだけでなく、神や英雄がお互いに愛憎劇を繰り返す様々な物語が描かれていることで知られ、ギリシャ神話に登場するキャラクターの中には、現代においても有名なものが数多く含まれています。

例えば、最高神ゼウスや英雄ヘラクレス、怪物ミノタウロスなどは、そのごく一部に過ぎません。

神話の名前と種類2:ローマ神話

ローマ神話は、古代ローマに伝えられた神話で、元々は古代ローマ人が信仰していた固有の神々にまつわる話でした。

しかしその後、西暦6世紀頃になるとローマ人達は、ギリシャ文明に多くの長所を見出し、ギリシャ神話を含めてギリシャ文化から多くの要素を自らの文化へ積極的に取り入れていきます。

その結果、古代ローマにあった既存の信仰や伝承とギリシャ神話が混ざり合い、また古代ローマ人は独自の神々をギリシャ神話の神々と同一視していったことから、現在一般的に知られるローマ神話は、ギリシャ神話に近い物語となりました。

ちなみに、紀元前2世紀頃にローマ帝国に支配されたことでギリシャ世界の独立は失われてしまいましたが、上記の理由からギリシャ神話は生き残り、ローマ帝国がその勢力を広げていくと同時に、神話自体も同じように影響範囲を広げたのが、今日まで良く知られる神話としてギリシャ神話が残った理由だと言えるでしょう。

神話の名前と種類3:北欧神話

北欧神話またはスカンディアビア神話とは、現在の北欧全体に広がった古代スカンディナビアの人々である「ノース人」の信仰に主に基づく神話。

ノース人達はその後、キリスト教化されてしまいましたが、それ以前から口頭で伝わっていた北欧神話の一部はその後も口頭伝承され、なおかつ書き下ろされたため、今日でも生き残っています。

北欧神話には2つの主要な神族であるアース神族とヴァン神族、および巨人を含む他の想像上の存在が登場し、時にはギリシャ神話の神々のような人間臭い模様が描かれながら、世界の成り立ちから天地創造、そして予言という形でナグナロク(世界の週末)の到来までが記されています。

ちなみに、北欧神話に登場する主神オーディンと、オーディンが持つ槍グングニルは、北欧神話に関係なく有名になっている存在でしょう。

また、北欧神話はゲルマン人達の信仰に基づくゲルマン神話の一部とみなされます。

北欧へ移動して定住した北方ゲルマン人達(ノース人やノルマン人)によって信仰されていた物語が集約されていき、北欧神話と知られる神話体系になっていったと考えられているのです。

神話の名前と種類4:メソポタミア神話

かつてメソポタミアと呼ばれていた地域は、現在のイラクにあるチグリス川とユーフラテス川の間に存在していました。

そして、この地域に紀元前4000年から紀元前3000年の間に定住したシュメール人、他にもアッカド人、アッシリア人、バビロ二ア人、カルデア人などの人々の信仰が混ざり合いながら共有され、発展していったのがメソポタミア神話です。

細かく見ていくと、それぞれが違いに影響を与えながらも独自に発展していった、シュメール神話、アッカド神話、バビロニア神話、アッシリア神話などが混ざり合って出来ています。

また、その性格は多神教で、(異なる説があるものの)2000〜2400にも上る神々が神話の中に登場したとされ、古代メソポタミアに生きた人々は、個人的な神や各都市の神に敬意を払っていたと言います。

一方で、メソポタミア神話は古代ギリシャ人やフェニキア人の宗教観だけでなく、一神教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教にも影響を与えたとされ、人間の宗教史においては非常に重要な神話でした。

神話の名前と種類5:エジプト神話

エジプト神話は、古代エジプトに生きた人々によって信仰されていた神話で、古代エジプト人の世界観を示したものとしても知られます。

動物に対する崇拝など、自然信仰が中心になっているのが特徴で、動物は神の化身と信じられていました。

そしてこれら動物の姿をした神々は、古代エジプト初期に生きた各部族によって崇められていた神々に起源を持つようで、次第に神々は独特の特徴を備えた人間の形を備えていきましたが、引き続き頭部は動物をモチーフに描かれ続けました。

ちなみに、エジプト神話において信じられていたことには、次のようなものも含みます。

  • 地球は巨大な円盤のような形だと信じられていた
    • 平らな部分の中心がエジプトで、エジプトを取り囲む山岳地帯が円盤の縁だと考えられていた
  • 天に広がる空は円盤の上に広がるとされた
  • 円盤の下には大きな水源が広がると考えられていた
  • 初期のエジプト神話には異なる話が存在した
    • プタハ神が一人で宇宙を創造したという話
    • クヌム神がろくろ(土器を作るための回転台)で円盤状の世界を創造したという話
    • (最もよく知られた神話の物語として)太陽神ラーが混沌とした世界から現れ、その他の神が生まれる過程で宇宙が生まれたという話 など

神話の名前と種類6:ケルト神話

中央アジアの草原からヨーロッパに渡来したインド・ヨーロッパ語族ケルト語派の言語を用いていた民族であるケルト人によって、紀元前11世紀頃の鉄器時代を中心に信仰されていたのが、ケルト民族の宗教や伝承体系を指すケルト神話。

普遍的な神殿を持っているわけではなく、地域によっても微妙に内容が変化していたようで、それら異なる地域で信仰されていた神々を集めると、300以上の神と女神が信仰されていたと言われ、ケルト神話は多神教の性質を持っているのが特徴です。

ただし、地域をまたいで広く共通して信仰されている神々は限定されていたようです。

また、ギリシャやローマ神話の様に広大な地域へ影響を及ぼすことはありませんでしたが、歴史上、ケルト神話がヨーロッパや現在のトルコ周辺にも伝わった時期が短期間だけあったようです。

一方で、ケルト人達が住む地域がローマ帝国の支配下に入り、その後、ローマ帝国でキリスト教への改宗が進んだため、ケルト神話を後世に伝えるのが難しくなっていきました。

その結果、現在では残されたローマやキリスト教側の資料でしかうかがい知れず、不明瞭な点が多く残されています。

神話の名前と種類7:マヤ神話

マヤ神話は、中央アメリカのユカタン半島など、かつてヨーロッパ人来る以前に発展していたマヤ文明が存在した地域で伝承された神話。

紀元前1000年頃にまで起源を遡り、西暦9世紀前後に最盛期を迎えたマヤ文明に生きた人々の世界観を表したもので、この神話の中には複数の神々が存在しました。

中でも比較的知られているのは、マヤ人達が信仰していた地球創生の話。

その創生物語では、マヤ神話の至高神であり創造神「ククルカン(翼を持つ蛇の姿をした神)」が主要な神として水や大地を作り、動物や人間を作ったことが触れられています。

また、世界に散らばる他の神話のいくつかと同様に、マヤ神話の中には英雄に関わる話も残されており、その中では神に敵対する巨人族の討伐などが描かれています。

ちなみに、ヨーロッパ人と接触する以前の段階で書き言葉を完全に発達させていたのは、アメリカ大陸に生まれた文化の中ではマヤ文化だけでした。

また、マヤ人達は他のメソアメリカ文明(マヤ、テオティワカン、アステカなど)と深く関わっていたこともあり、マヤの神話はアステカや他のメソアメリカの宗教の神話と多くの共通点を持っています。

実際、ククルカンはアステカではケツァルコアトルという名前になり、この名前は一般的にも比較的広く知られています。

神話の名前と種類8:日本の神話

(出典:wikipedia

日本の神話は、日本に古来から伝わり、その大部分が神道に由来している神話。

天と地に代表される世界が初めて生まれた「天地開闢(てんちかいびゃく)」の話から始まり、国生みや神産みなど、日本がどのように出来上がっていったかを言い伝えています。

また、伝承によると、日本国の天皇は主神として登場する天照大神に繋がるとされるなど、日本や日本人が成り立つ上で欠かすことが出来ないアイデンティティの一つ「天皇」のルーツについても、日本神話は示しています。

後に仏教が日本に浸透していき、各地で信仰されるようになっても、自然崇拝や多神教の性質も持ち合わせ、日本の風土や日本人の生活習慣に基づいた神道は廃れることなく、むしろ仏教と共存しながら引き続き信仰されたことから、神道に基づく日本神話は長く日本社会に影響を与えてきました。

神話の名前と種類9:ゾロアスター教の神話

ゾロアスター教はゾロアスター(地域によってはザラスシュトラやツァラトゥストラと呼ばれる)によって古代ペルシャの地で創設された、記録に残る人類史においては初期の一神教。

また、世界の事象を善と悪の二つに分類して解釈する「二元論的」という特徴を兼ね備えています。

元々、イラン高原に住んでいたイラン・アーリア系の人々が信仰していた多神教をルーツに持ち、数ある神の中でも、アフラ・マズダーのみを信仰の対象として始まったことで一神教の形態を採りました。

ただし、あくまでも一神教という性格は実践においてであり、他にも複数の神の存在を「肯定していた」ため、数々の神が登場する善と悪の対立を描いた神話とも言える描写も残っているのです。

具体的には、

アフラ・マズダーは自らの属性を7つ神々として実現化させ、これらの神々は善神群としてアフラ・マズダーを補佐し、悪神アンラ・マンユとアンラ・マンユを始めとしたを悪心群と対立する。

という話が展開されています。

ちなみに、ゾロアスター教は長きにわたり、ユダヤ教そしてキリスト教に影響を与えました。

神話の名前と種類10:聖書の物語

聖書はユダヤ教やキリスト教、そしてイスラム教といった、現代においても多くの人に信仰されているアブラハムの宗教にとっては重要な経典ですが、経典でありながらも様々な物語が描かれており、ある意味では神話と似た性質を持ちます。

例えば、聖書の中でも旧約聖書に属する文献には、神による天地創造の話や、大洪水で有名なノアの方舟伝説、他にもイスラエルの民を導くモーゼの十戒の話など、一度耳にしただけでは神話とも間違えそうな物語がいくつも残っています。

また、キリスト教徒達の手によって描かれた新約聖書では、

  • 福音書
    • イエス・キリストの誕生、生涯、そして死が詳しく語られている
  • ヨハネの黙示録
    • メシアの再臨、最後の審判、悪魔が人間を支配した時代の終わりなどが語られている

など、これまた正確には異なるものの、神話に近い性質を持つ物語が展開されているのです。

合わせて読みたい世界雑学記事

神話の一覧|10の名前や種類を紹介!のまとめ

世界各地に散らばる神話の中から、知っておきたい10種類をピックアップして紹介してきました。

神話や宗教に関するちょっとした豆知識として頭に入れておいてください。

世界のことって面白いよね!By 世界雑学ノート!

error:Content is protected !!