プーチンの犬好きは真実であると考えられる一方、政治的側面があるようにも見えます。ロシア大統領の巧みな犬好き戦略を確認していきましょう。また、各犬の名前なども紹介していきます。
現在の世界で最も有名なリーダーで大きな影響力を持つ人物の一人と言えば、ロシアの大統領ウラジーミル・プーチン。
ロシア国内や海外へ与える印象を上手に使い分けながら、自らの体制を盤石なものにしています。
そんなプーチン大統領は犬好きでも知られ、大統領に就任してからこれまで、なんと4度も犬をプレゼントされており、各国はプーチンの「犬好き」を上手く外交戦略に取り入れようとしています。
一方、プーチンが犬好きであることは間違いないかと思いますが、同時に、政治的な目的から犬好きのイメージを発信している側面も見え隠れするのです。
そこで、プーチンの犬好きに関して、2つの異なる視点から探っていこうと思います。また、プーチンが飼っている犬の名前や、各犬がプーチンのペットとなった経緯までも紹介していきます。
プーチンの犬好きを示す出来事
裸の写真を撮らせたり、柔道に取り組む姿を写真に撮らせて「男らしさ」や「強さ」を演出するプーチン大統領は、犬好きとしても知られています。
プーチンの犬好きを利用した外交戦略を展開したトルクメニスタン
このプーチンの犬好きを表す最も最近の出来事としては、2017年10月に行われた、ロシアとトルクメニスタンの首脳会談でしょう。
2017年10月、ロシアのソチにてロシア大統領ウラジーミル・プーチンとトルクメニスタン大統領グルバングル・ベルディムハメドフが会談の席につきました。
ソビエト連邦に属していたこともあり、以前ロシアは、トルクメニスタンの天然ガスの主要な買い手でしたが、昨今、両国間では価格についての折り合いが付かず、取引は停止となっていたのです。
このことはトルクメニスタン側にとっては大きな痛手で、ベルディムハメドフ大統領はどうにかこの問題を解決して両国間の関係を改善したと願っていました。
そこでトルクメニスタン側は、プーチンの犬好きを使った作戦を思いつきます。
トルクメニスタン大統領はプーチン大統領の方を向き、いきなりこのように言ったのです。
「私たちには共通の友人がいます。これがその友、世界で最もユニークなアラバイ犬です。今日、この会談に一緒に連れてきました。」
そして、時期遅れの誕生日の贈り物として、ベルディムハメドフ大統領はプーチン大統領へ、希少な犬種「アラバイ犬」をプレゼント。
これにはプーチンも堪らず笑顔になり、この大人しい子犬を抱き上げ、喜びのあまり頭にキスまでしたのです。
犬嫌いのアンゲラ・メルケルとの会談にも犬を参加させた!
プーチンの犬好きを表す出来事として、次のようなこともありました。
2007年にドイツのアンゲラ・メルケル首相とプーチン大統領が会談をした際、その会議室へプーチンの飼い犬「コニー」を呼び入れたのです。
(出典:RUSSIA BEYOND)
実はメルケル首相、若い頃に犬に噛まれた経験を持ち、それ以来犬に恐怖心を感じるほどの大の犬嫌い。
そのため、コニーが入ってくるとメルケルは固まって、明らかに落ち着きのない様子をしていたのにも関わらずです。
プーチンの「犬好きなイメージ」には政治的な目的も隠されているのか?
このように、一見するとプーチンは根っからの犬好きであるように見えます。
確かに、プーチンは元々犬が好きなことは間違いないかもしれません。しかし同時に、政治的な理由で「犬好きのイメージ」を強く売り出しているとも考えられるのです。
メルケルとの会談では主導権を上手く握るために利用したのでは?
例えば、上で触れたメルケルとの一件に関して、プーチンはメルケルの事情を知らなかったと弁解していまが、メルケルの方は意図的なものに見えたと言っています。
犬嫌いによって落ち着かなくなったメルケルに対して、必要になればプーチンが交渉を優位に進められる環境が整えられたのは明らかでしょう。
心を持った強い指導者であるイメージを発信しようとしてる?
さらに、プーチンは自らが選んだ写真を世の中へ公開することで、政治的な効果を厳密に計算していることで有名。
このことから、「犬好き」も戦略的に考えられたイメージの一つであると考えるのは妥当です。
(出典:RH Noticias)
実際、アメリカのラトガース大学で政治学部学部長を務めるジャン・キュービック(Jan Kubik)はインタビューの中で、
「動物を愛している。つまり、西洋諸国が考えるように、私は心のない独裁者ではない」
というメッセージをプーチンは発する一方、男らしさの自画像などを公開することで、
「私には心がある。だが私の愛は不屈の男らしい愛だ」
というイメージを、プーチンは作ろうとしているのではないかと発言しています(参照:Washingtonpost)。
特に犬は、動物の中でも昔から人間の友として言われるほど、大衆が最も親しみを持っている動物の一つであり、多くの人へイメージを植え付ける上では利用しやすいのではないかとも考えられます。
過去に出した命令からも犬好きを政治的に利用していることが推測出来る
また、これほど犬好きとして知られるプーチンですが、実は政策の面から言うと、決して犬に優しくない側面を見せたことがあります。
それは、2014年のソチオリンピック準備期間中のこと。
オリンピック効果を最大限高めるためにも、当時プーチンは、ソチを含めた観光都市の美化を推進していく方針を決めます。
その中で、観光都市にいた野良犬たちを集め、殺処分をするという命令を出したのです。
このように、世間で言われるほど盲目的に犬が好きかと言えば、それは恐らく正しくなく、実際は、犬好きのイメージを政治目的で意図的に、より強く発信しているのではないかと考えられます。
犬好きのプーチンが所有する犬達を名前と共に見ていこう!
しかし、どんなに犬好きのイメージを政治目的で使っていたとしても、プーチンが犬好きであることは間違いないかと思います。
というのも、プーチンは実際に多くの犬をペットとして飼っていて、犬好きじゃない人が流石にそこまでの犬を飼おうとは思わないであろうから。
そこで、ここからは政治的な側面を抜きにして、プーチンの犬好きを知るために、彼が飼っている犬達の生い立ちやプーチンとの関係を、名前と共に見ていきたいと思います。
プーチンの犬① コニー
プーチン所有の犬達は大衆の目に触れる機会が多いですが、その中でも一番有名だったのが、黒のラブラドールレトリーバー(雌)であるコニー。
ロシアの政治家で上級大将であるセルゲイ・ショイグから、2000年に贈られた犬です。
また、コニーの血統はロシアの歴史にとって象徴的であったようで、その系譜は元ソビエト連邦共産党書記長レオニード・ブレジネフの飼い犬にまで遡るとか。
ちなみに、プーチンは相当コニーのことを可愛がっていたようで、彼女の機嫌が悪くなった時には叱ったり無視するのではなく、話しかけてご機嫌を取ることが良くあったらしいです。
残念なことに、コニーは2014年に寿命を迎えています。
プーチンの犬① バフィー
2010年にロシアはブルガリアと天然ガスについての協定を結んでいますが、その協定を結ぶにあたって、当時のブルガリア首相ボイコ・ボリソフにプレゼントされたのが、ブルガリア原産のカラカハン・ドッグの子犬(雄)。
この子犬を受け取った後、プーチンは国内で名前を募る呼びかけをし、当時5歳の男の子が提案したバフィーという名前がつけられました。
プーチンの犬③ ユメ
ユメはプーチンへの贈り物として3番目に送られた犬で、名前からも分かる通り、日本三の秋田犬。
2011年に起きた東日本大震災への支援に対する謝意を示すために2012年に送られ、現在はそれより以前からいるバフィーと仲良く暮らしているそう。
また、プーチンにとっては番犬のような存在でもあるみたいです。
話は変わりますが、日本政府は2016年、プーチン大統領訪日の際に、もう一匹秋田犬を贈ろうとしたらしいですが、流石にこれは丁重に断られたそうです。
プーチンの犬④ ヴェルニ
上でも触れた通り、2017年にトルクメニスタンの大統領からプーチンへ誕生日プレゼントとして送られたアラバイ犬は、ヴェルニと名付けられて可愛がられているそう。
ロシア語で「忠実」を表す名前だそうです。
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プーチンの犬好きと見え隠れする政治|名前や大統領との関係も紹介していくのまとめ
プーチンの犬好きに関して、異なった視点から見てきました。
プーチンの犬好きは間違いないであろう一方、そのイメージは恐らく政治目的でも上手く利用されているのではないかと思います。
それにしても、プーチンの犬はどれも大きいですね。