イギリスの食べ物・料理の中から、有名だったりおすすめだったりするものを15品ピックアップして紹介していきます。イギリス料理のイメージが変わるかもしれません。
フランスやイタリアの食文化とは違い、イギリス料理には長きにわたって、「あまり美味しくない料理」というネガティブなイメージがつきまとっていました。
しかし、近年のグローバル化や、インド人がもたらしたカレーの人気爆発によって、現在のイギリスにはとても美味しな食べ物がたくさんあり、以前とは異なる食事事情が確認できるようになりました。
一方で、イギリスの伝統的な料理の中にもおすすめな食べ物が沢山あったりします。
この記事では、伝統的なものを中心に、意外に美味しくて有名だったり、好き嫌いはあるにしろ一度は試してみたいおすすめなイギリスの食べ物を合わせて15品紹介していこうと思います。
- イギリスの食べ物1:ヨークシャープディング
- イギリスの食べ物2:トード・イン・ザ・ホール
- イギリスの食べ物3:サンデーロースト
- イギリスの食べ物4:バブル・アンド・スクイーク
- イギリスの食べ物5:フル・ブレックファスト
- イギリスの食べ物6:パイとパスティ
- イギリスの食べ物7:フィッシュアンドチップス
- イギリスの食べ物8:ハギス
- イギリスの食べ物9:ブラックプディング
- イギリスの食べ物10:バンガーズ・アンド・マッシュ
- イギリスの食べ物11:ポーク・スクラッチング
- イギリスの食べ物12:チキンティッカマサラ
- イギリスの食べ物13:ライスプディング
- イギリスの食べ物14:ヴィクトリアスポンジケーキ
- イギリスの食べ物15:ブレッド・アンド・バター・プディング
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イギリスの食べ物1:ヨークシャープディング
名前からはイメージし難いですが、ヨークシャプディングはデザートではなく、イギリスのヨークシャー発祥の有名な家庭料理の一つで、少し塩気のあるシュークリームの皮のような食べ物。
主に肉料理のお供としておすすめで、ヨークシャープディングが添えられて提供される光景をイギリスでは当たり前のように見ることになるでしょう。
バターを主な材料として用いて専用のトレーに入れ、ふっくらと膨らんで軽くてフワフワの食感になるまで熱々のオーブンで焼き上げられます。
ちなみに、トード・イン・ザ・ホールと呼ばれる、大きなヨークシャプディングにソーセージを入れて焼く一皿もあったりします。
イギリスの食べ物2:トード・イン・ザ・ホール
上でも触れたトード・イン・ザ・ホールは、直訳すると「穴の中のヒキガエル」の意味。
ある意味でイギリスの郷土料理と言える一品で、説明した通りヨークシャー・ブディングの生地にソーセージをまるまる3本から6本程度入れてオーブンで焼く食べ物で、食べるときにはグレイビーソース(調理された食肉から出る肉汁を元に作ったソース)をかけるのが一般的です。
ちなみに、完成したものが不味い場合は、「沼の中のカエル」という意味のフロッグ・イン・ア・ボグと皮肉られることがあります。
イギリスの食べ物3:サンデーロースト
サンデーローストやローストディナーと呼ばれるこの料理は、イギリス発祥の食べ物の中では最も有名なものの一つ。
日曜日の午後に、レストランのメニューとしても家庭料理としても、イギリス全土で一般的に食べられる料理で、食の享楽を楽しむ一皿と言えるものです。
基本的にローストされた肉と、ローストポテト(ローストしたじゃがいも)、ヨークシャプディング、ファルス(肉や魚、野菜などの中に別の食材を詰めた料理)、野菜などの付け合わせを一緒に盛り合わせた一品で、お肉の種類は好みで選ぶことが可能。
それぞれの肉は、味にピッタリのグレービーソースと共に提供されます。
ちなみに、この料理の起源はクリスマスディナーを質素にしたものに遡るとされ、一般的にクリスマスの夜に出される、大きな七面鳥と共に多くの野菜などを添えた食べ物は「究極のローストディナー」と呼ばれることがあります。
イギリスの食べ物4:バブル・アンド・スクイーク
バブル・アンド・スクイークは、上で紹介したローストディナーやクリスマスディナーに使用した残り物の野菜を使って作る、イギリス国内では有名な料理で、言ってみれば食べ物を無駄にしないために残飯で作った簡易的な料理。
具体的には、残ったポテト、キャベツ、豆、ニンジン、芽キャベツなどを集めて炒め、ローストの残り物の、冷えた肉と共に食べるのが一般的です。
一方で、名前にあるバブル(bubble:泡)とスクイーク(squeak:キュッキュッという音)は、一見するとこの料理に何の関係も無さそうですが、料理する過程でグツグツと泡立つほどに煮込むことと、キュッキュッと音がすることに由来しています。
イギリスの食べ物5:フル・ブレックファスト
イギリスの伝統的な朝食は、メタボ気味の人には命とりな高コレストロールな料理のとして有名ですが、他の国の朝ごはんには無い数々の料理で、一日のスタートをエネルギッシュにサポートする料理だとも言えるかもしれません。
この伝統的な朝食とは、地域ごとにイングリッシュ・ブレックファスト、スコティッシュ・ブレックファスト、ウェルシュ・ブレックファスト、アイリッシュ・ブレックファストと呼び名が変わるフル・ブレックファストと呼ばれる食べ物で、イギリス発祥料理の代表格の一つです。
ソーセージ、ベーコン、ハッシュブラウンポテト、豆類、トースト、卵焼き、ブラックプディング、焼きトマト、マッシュルーム、スクランブルエッグ、フライドブレッド等々、信じられない数の食事がお皿に載せられて朝から振る舞われます。
イギリスの食べ物6:パイとパスティ
小麦粉とバターなどから作った生地であるパイは、イギリス人にとっては欠かせない食べ物。
このパイ生地の中に、牛や羊の肉、豚の腎臓、チキン、ジャガイモ、チーズや玉葱など、考えられるありとあらゆるものを詰めて焼き上げます。
また、そのパイ生地にグレービーソースを掛けて食べるのも、イギリスでは一般的です。
さらに、パイに似ているパスティと呼ばれる食べ物も、イギリスで有名な食べ物として知られています。
これは、イギリスのコーンウォール発祥だとされる具入りのペイストリーで、最も有名なコーニッシュ・パスティは半円形の形をして、中には通常、ステーキ、玉葱、ジャガイモなどが詰められています。
イギリスの食べ物7:フィッシュアンドチップス
フィッシュアンドチップスは、イギリス料理としてはおそらく最も有名でおすすめされることが多いであろう食べ物。
名前の示す通り、衣をつけて揚げた魚の身とフライドポテトが添えられた食べ物で、イギリスの伝統的なファストフードと言えるものです。
現在でもイギリスではとても人気で、街のあちらこちらにある「チッピー」と呼ばれるお店で見つけることが出来、新聞に包んだ揚げたてのフィッシュアンドチップスを持ち帰りにすることが出来ます。
ちなみに、基本的には白身魚を使いますが、場所によってはピンク色をしたマスの身を用いたり、テイクアウトの際には新聞紙の代わりに専用の箱のようなものに入れて提供されることがあるなど、微妙に異なります。
イギリスの食べ物8:ハギス
最も有名なスコットランドの伝統料理であると共に、初めての人にとっては最も食欲をそそらないかもしれない料理がこの一皿。
このハギスは、羊の心臓、肝臓、肺、玉葱オート麦、牛脂を一緒にミンチにし、そこへスパイスで味付けし、羊の胃袋に詰めた後、3時間ほど茹でて出来上がった食べ物です。
このような料理のため、苦手な人も多いですが、好きな人にとってはお酒のお供として最高な食べ物に変わったりします。
イギリスの食べ物9:ブラックプディング
ブラックブディングは、名前を聞いただけだと美味しそうなデザートとして思い浮かべるかもしれませんが、外国人の間では好き嫌いがはっきり分かれるイギリスの食べ物。
別名「ブラッドソーセージ」と呼ばれる通り、動物の血、オート麦、玉葱が混ざったソーセージで、一旦調理した後に冷やしてから食べられます。
ただし、昔からこのブラックプディングに慣れ親しんでいる人が多いため、イギリスでは子供でも気にせずに食べており、イギリスの伝統的な食べ物として有名です。
イギリスの食べ物10:バンガーズ・アンド・マッシュ
ソーセージとマッシュポテトが一緒に提供される料理で、別名ソーセージズ・アンド・マッシュと呼ばれるバンガーズ・アンド・マッシュは、イギリスやアイルランドの伝統的な料理。
一般的には、オニオングレービーと呼ばれるソースが掛けられ、イギリス国内ではとても広く普及している家庭料理の代表格であると同時に、典型的なパブメニューです。
ちなみに、ソーセージが大好きなイギリス人は、この料理へ異なるソーセージを盛ったりして、違った味をアレンジしたりしますが、中でも豚肉をベースにして螺旋状に曲げられたカンバーランド・ソーセージを用いることが多いです。
イギリスの食べ物11:ポーク・スクラッチング
ポーク・スクラッチングは、一見すると全然豚肉のように見えなく、むしろ手軽に食べられるチップスの様に見える食べ物。
豚の脂身を落とした皮を油でカリカリに焼いたもので、イギリスではパブなどで提供されることで有名です。
味も癖がなくてとても食べやすいので、お酒のお供として最高で、小腹が空いたときなんかに食べるスナックとしてもおすすめです。
イギリスの食べ物12:チキンティッカマサラ
かつて大英帝国時代にインドを支配し、その結果として多くのインド人がやってきたイギリスでは、カレーがまるで国民食になる勢いで人気を獲得しており、現在のイギリス国内には10000軒近くのカレー屋があると言われます。
そんなイギリスでは、多くの人がインド発祥だと思い込んでいる、あるインド料理が産み出されました。
それが、チキンティッカマサラと呼ばれる、タンドールで焼いた鶏肉「チキンティッカ」を、トマトとクリームをベースにしたカレーソースで煮込んだ料理で、20世紀後半にイギリスのインド料理店で作られたのが最初です。
多くの人がインド発祥だと思っているチキンティッカマサラは、イギリス発祥のとてもおいしくておすすめな料理だったんです。
イギリスの食べ物13:ライスプディング
この記事でこれまでイギリスの有名な食べ物として紹介してきた他のプディングとは違い、プディングの一般的なイメージであるデザートに近いのがライスプディング。
米とミルクで煮た料理で、そこにシナモンやドライフルーツなどを加えて、軽めのデザートとして世界的に食べられている一品ですが、イギリスでは伝統的なデザートして数百年前から食べられてきました。
イギリスでは鍋かオーブンで作られ、また、食べ方も冷やして食べるか温かいまま食べるかなど、家庭や地域によって微妙に差があります。
イギリスの食べ物14:ヴィクトリアスポンジケーキ
かつて、大英帝国の栄華を築いたヴィクトリア女王が、アフタヌーンティーに食べたと言われることからその名前が付けられたのがヴィクトリアスポンジケーキ。
いわゆるスポンジケーキではありますが、イチゴのジャムとバタークリームの層を間に挟んだ、二層のスポンジケーキで出来ており、一般的なスポンジケーキと比べて少し重量があって固めなのが特徴です。
現在のイギリスでも非常に人気があるデザートで、イギリスで一服したいときなどにおすすめな食べ物です。
イギリスの食べ物15:ブレッド・アンド・バター・プディング
その起源が11世紀に遡ると言われるイギリスの質素なデザート「ブレッド・アンド・バター・プディング」は元々、主食となる穀物を使い切るために作られたものでした。
食べ残しの硬くなったパンを美味しくするために、それを小さく切りわけてバターを塗り、レーズンやカスタードを掛け、他にも好みに合わせて砂糖を振りかけたらオーブンで焼きます。
すると、残り物だったものが美味しなデザートに変わり、おすすめしたいイギリスの食べ物に変わるんです。
ちなみに、このブレッド・アンド・バター・プディングは、故ダイアナ妃の大好物だったことでも有名です。
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イギリスの食べ物・料理15選!有名でおすすめな食事に加えてみたいかもしれない食べ物達。のまとめ
イギリスの食べ物・料理の中から、有名だったりおすすめしたいものを15品集めて紹介してきました。
イギリスで食事する際には、紹介した品を試してみると良いかもしれません。