ソロモン諸島について詳しく紹介していきます。基本的な情報から地図上での位置、そして観光情報など、ソロモン諸島について知りたければ必見です。
太平洋の中でもオセアニア地域に分類される海域には、大小合わせて非常に多くの島々が存在します。
そして、なかには複数の島々を合わせて国とする「群島国家」が存在するわけですが、その一つがソロモン諸島と呼ばれる国。
名前が「諸島」で終わるため、一見すると主権国家のように思いませんが、オセアニアの海洋部の一つ「メラネシア」に存在するれっきとした国家の一つです。
この記事では、そんなソロモン諸島について詳しく見ていきたいと思います。
ソロモン諸島の基本情報から地図上での位置、そして観光地としての魅力などを見ていきましょう。
ソロモン諸島とは?
ソロモン諸島(Solomon Islands)とは、主要な6島と900以上の小さな島々から成る群島国家。
地域的にはオセアニアに分類され、オーストラリアの北東、パプアニューギニアの東、バヌアツ共和国の北西に位置している国です。
また、国土全体を合わせた総面積はおよそ28,400㎢で、そこに約60万人の人々が住んでおり、首都はソロモン諸島最大の島ガダルカナル島の「ホニアラ」。
名前の「ソロモン」は、1568年、ガダルカナル島にやってきたスペイン人探検家の「アルバロ・デ・メンダーニャ・デ・ネイラ」が砂金を発見して「ソロモンの宝」と名付けたことに由来すると言われます。
そんなソロモン諸島はまた、透き通った水の浅瀬と光り輝く白沙のビーチが美しく、年間を通して気候が温暖なことから、観光地としても知られます。
一方、第二次世界大戦中には日本軍に占領され、日本軍とアメリカ率いる連合軍の戦い「ソロモン諸島の戦い」の舞台となった歴史を持っている場所でもあります。
ちなみに、ソロモン諸島はかつてイギリスの保護領だったため、その流れから現在はかつての大英帝国が前身となって発足し、主にイギリスとその植民地であった独立の主権国家から成る緩やかな国家連合「イギリス連邦」の一員であり、また、イギリスの国王を自国の王として戴く英連邦王国の一つです。
ソロモン諸島の場所を地図で確認
ソロモン諸島の場所を確認するために、地図でその位置関係を確認してみましょう。
ソロモン諸島の島々は、南緯およそ5度から13度、東経およそ155度から169度の範囲に位置しており、そのすぐ西隣にはパプアニューギニアが位置し、南西にはオーストラリアが位置しているのが分かります。
最西端と最東端の距離はおよそ1500kmで、その範囲に、
チョイスル島 | ショートランド諸島 | ニュージョージア諸島 |
サンタイザベル島 | ラッセル諸島 | ンゲラ諸島(フロリダ諸島) |
マライタ島 | ガダルカナル島 | シカイアナ島 |
マラマシケ島 | ウラワ島 | ウキ島 |
サンタクルーズ諸島 | サンタアナ島 | レンネル・ベローナ島 |
マキラ島(サンクリストバル島) |
など大小様々な島や、小さな離島であるティコピア島、アヌータ島、ファトゥタカ島などが含まれます。
ソロモン諸島の気候に関して
赤道海域に位置しているため、この地域特有の気候として、ソロモン諸島は年間を通じて極めて多湿で平均気温はおよそ26.5 °C。
また、一年の中で気温や天気が大きく変動することはあまりありません。
とは言うものの、6月から8月にかけては比較的涼しく、11月から4月にかけは北西風の影響によって雨天の日が多く、時にはスコールやサイクロンの影響を受けることもあります。
ソロモン諸島の歴史ダイジェスト
ソロモン諸島には、何千年もの昔から人類が定住していた歴史があります。
紀元前1000年頃までには、メラネシア系の人々が既に定住していたと考えられ、これ以降、ソロモン諸島は主にメラネシア人が多く暮らす地域となってきました。
しかし1568年、ソロモン諸島を最初に訪れたヨーロッパ人であるスペイン人海洋探検家「アルバロ・デ・メンダーニャ」がソロモン諸島を発見したことで、ヨーロッパの方でもソロモン諸島に対する関心が高まります。
時を経て1893年6月、イギリスがソロモン諸島の南部を保護領にしたと宣言。
1900年にはドイツ領だった北部もイギリスが獲得し、現在のソロモン諸島の前身である「イギリス領ソロモン諸島」となります。
そして第二次世界大戦中には日本軍に占領され、この地を舞台として起きた日本軍と連合軍の戦い「ソロモン諸島の戦い(1942年~1945年)」では、ガダルカナル島の戦いをはじめとして、アメリカ軍と日本軍との間で激しい戦闘が繰り広げられました。
1975年になると、イギリスによる統治の正式名称が、それまでの「イギリス領ソロモン諸島」から「ソロモン諸島(the Solomon Islands)」へと変更され、その翌年1976年にはソロモン諸島は自治権を獲得します。
それから二年後の1978年にはついに独立を果たし、現在の主権国「ソロモン諸島(Solomon Islands)※theが外された」となったのです。
ソロモン諸島の人々
ソロモン諸島の国民の多数派は、民族的にはメラネシア人と言われる人々。
歴史的にソロモン諸島へ最初に移住して定住してきたこともあり、メラネシア人が全人口のおよそ94.5%を占めています。
また、同じ太平洋上の近隣地域を起源とする、ポリネシア人やミクロネシア人も住んでおり、それぞれ全人口のおよそ3%と1.2%を占めます。
一方で現在、数千人の中華系移民(華人)もこの地に住んでいます。
言語
ソロモン諸島の公用語は英語であるものの、流暢な英語でコミュニケーションをとることができるのは国民のわずか1~2%。
しかしながら、英語をベースに現地の言語と混じるように発展したクレオール言語(意思疎通ができない異なる言語の商人らなどの間で自然に作り上げられ、世代を超えて使われる言語)が、各部族の言語と並んで国民の大多数が話す事実上の共通語となっています。
ちなみに、ソロモン諸島に居住する部族が使う言語数は74言語あり、そのうち4言語は消滅してしまったものの、70言語は現在も使用されていると言われます。
宗教
ソロモン諸島で信仰されている主要な宗教はキリスト教(国民の約92%がキリスト教徒)。
ソロモン諸島におけるキリスト教各宗派の大まかな割合は、
- 英国教会系メラシネシア教会
- 35%
- カトリック教会
- 19%
- 南太平洋福音派教会
- 17%
- メソジスト系ユナイテッド教会
- 11%
- セブンスデー・アドベンチスト教会
- 10%
- その他のキリスト教
- 8%
となっています。
その他、土着の宗教を信仰する人々が全人口の約5%、残りはバハーイー教と呼ばれる19世紀半ばにイランで創始された一神教や、数は少ないですがイスラム教を信仰するムスリムもいます。
観光目的でソロモン諸島へ訪れてみたい理由から現地で試してみたいアクティビティ
ソロモン諸島に関しての基本情報をまとめてきましたが、ソロモン諸島は観光地としても有名。
ここからは、観光目的でソロモン諸島を訪れてみたい理由や、現地で試してみたいアクティビティを紹介していきたいと思います。
そのままで美しいソロモン諸島!
この透けるような南太平洋の秘境ソロモン諸島は、そのままの自然体な美が非常に美しく、観光客を惹きつけるにあたって、それ以外のエンターテイメントなどは必要ありません。
ソロモン諸島は9つの州に分かれた992の島々(そのうち約150島に人が住んでいる)で構成され、手付かずな自然が多く残っているため、太平洋最後の未開の地と言っても良い場所です。
つまり、大自然の美しさがありのまま残っている地球の宝石のような場所なんです。
サンゴ礁に囲まれたラグーン、砂浜、ジャングル、熱帯雨林、滝、火山など、自然のままの姿が、ソロモン諸島最大の魅力であり、大都市などで忙しく働き、自然から離れた生活を強いられた人こそ、訪れるべき場所です。
マリンスポーツが最高!
スキューバダイビング
ソロモン諸島は、世界でも有数のダイビングスポット。
ここでは、美しいサンゴに囲まれながらも戦争で座礁した難破船を見たり、ウミガメ、イルカ、ジュゴンなど、他ではなかなか見られない生き物や、その他の美しい海洋生物を楽しむことが出来るんです。
首都のホニアラからは、日帰りまたは宿泊込みでスキューバダイビング出来るツアーなんかも出ているので、スキューバダイビングを楽しみたい人はチェックしてみましょう!
シュノーケリング
スキューバダイビングが出来ない人は、代わりにシュノーケリングでソロモン諸島の素敵な水中世界を楽しみましょう。
ビーチや防波堤からダイブするだけで、マンタを始めとした様々な魚に出会うことが可能。
他にも、イソギンチャクと共存するクマノミなど、素敵な光景を当たり前のように見ることが出来ます。
また浅瀬の一部には、シュノーケリングでも見られる、第2次世界大戦時の墜落機や難破船の残骸なども残っていますよ。
サーフィン
サーフィンが出来るなら、ソロモン諸島でのサーフィンはいかが?
ベストコンディションは10月から4月。
多くの島が存在するソロモン諸島には、あらゆるレベルに合ったブレイク(波の崩れ)を見つけることが出来るので、初級者から上級者まで楽しめるはずです。
迷ったら現地の人に聞いて、自分にとってのベストなスポットを見つけてみましょう。
イルカと遊ぶ!
また、ソロモン諸島へ観光に行った際、他の場所ではなかなか出来ないイルカと遊ぶ体験が出来てしまうかも。
ガイドに頼んで、ソロモン諸島の中でもイルカの群れに遭遇しやすい場所へ連れていってもらいましょう。
運がよければ100頭や200頭を超えるイルカの群れが小型ボートの周りにやってきて、そのイルカたちと遊ぶことが出来ちゃいます。
もちろん、このような体験はイルカ次第であるため、絶対に経験出来るという保証はありませんが、決して珍しいことでもないため、試す価値はあるでしょう。
運が良ければ人生において素晴らしい経験となるはずです!
海以外の大自然とも触れ合う!
ソロモン諸島は海が綺麗なのは言うまでもないですが、陸地の自然も同じように美しいですよ。
例えば、レンネル島、マキラ島、イサベル島、マライタ島、コロンバンガラ島などで、珍しい鳥を探すバードウオッチングはいかがでしょう?
特にコロンバンガラ島は、ソロモン諸島でも独特の生態系を有し、そこに生息する生物も多種多様なので、生き物好きにとっては興味をそそられる場所です。
加えて、雄大な自然に囲まれたトレッキングなども、ソロモン諸島でのアクティビティとして検討してみると良いかも。
「デッキで眠り、野鳥のさえずりや霧に覆われた山に囲まれて目覚める」など、都会では絶対に味わえない経験ができるんです!
伝統的な村へ訪れてみる!
人類が定住してから何千年もの歴史を持つソロモン諸島はまた、文化面でも興味深い場所。
町から離れた所には、ソロモン諸島に昔から住んでいる人々の伝統的な生活様式を残す村が点在し、その中には観光客が訪れて、昔ながらの生活を経験出来るような場所も含まれます。
そのため、ソロモン諸島の文化面に興味ある人は、そういった村へ訪れてみるのが良いかもしれません。
ただし、現地の村を突然訪問するのは現地の人に対して失礼なので、ツアーで行くのが良いでしょう。
ソロモン諸島の観光局(The Solomon Islands Visitors Bureau)では、いつどこに行けば良いか、また宿泊可能かどうかなどをアドバイスしてくれるので、興味があれば聞いてみると良いかと思います。
第2次大戦の名残を訪れてみる!
ソロモン諸島には第二次世界大戦の遺産があり、そこを巡って当時のことを知るのも良いでしょう。
ホニアラ近くのスカイラインリッジを上に進むと、「ガダルカナル・アメリカンメモリアル」があります。
このメモリアルの赤い大理石の柱には、当時の戦いの凄まじくも勇敢な物語を詳細が刻まれています。
また、オースチン山にある日本軍に関する同様の記念碑にもまた胸が打たれるでしょう。
そして、ホニアラから西へ1時間ほど離れた草原の中にはビル村の戦争博物館があり、第2次世界大戦中に残された航空機、砲兵、その他の残骸を見ることが出来ます。
ちなみに、現地にはこれらを巡るツアーもあるので気になったら調べてみましょう。
ビートルナッツ(ビンロウ)を試してみる!
ビートナルナッツとは、日本では一般的に「ビンロウ」として知られる植物で、ソロモン諸島では欠かせない「ビートルナッツの種を嗜好品として楽しむ」文化が現地には存在するんです。
この島を訪れたお客さんに提供されたり、また伝統的儀式でも使われたりしており、ソロモン諸島では市場へ行けば普通に見つけることが出来ます。
大きさや品質によって値段も様々で、噛むとじんわりとした陶酔感や高揚感が感じられます。
ただ、ビートルナッツを噛んだ後の、真っ赤な歯や歯ぐきは少し気持ち悪いですが・・・。
国立博物館に行ってみる!
ホニアラを通る主要道路にあるキタノメンダナホテルの向かいには、ソロモン・ナショナルミュージアム・アンド・カルチャーセンター(Solomon National Museum and Culture Center)と言う、国立博物館兼文化センターが位置しています。
資金的には乏しいとは言え、十分にしっかりと維持管理されたこの博物館では、ソロモン諸島の伝統や文化を伝える展示品、例えば、
- 当時を伝える古い写真
- アート
- 工芸品
- 伝統的なドレス
- 通貨
- 当時の武器や兵器
- 戦争の残骸
などを見ることが出来ます。
また、この博物館のギフトショップには、ソロモン諸島の工芸品やジュエリーなど、ソロモン諸島ならではの物がとてもリーズナブルな価格で売っているので、お土産を購入するために訪れても良さそうです。
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- アゾレス諸島|行き方や地図を確認して観光スポットも抑えておこう!
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- ツバル|「観光情報」から温暖化により沈むツバルの「難民状況」まで
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ソロモン諸島|観光に行くべき理由や地図上の場所確認までのまとめ
南太平洋のメラネシアにあるソロモン諸島について見てきました。
観光地としても非常に良い場所だと思うので、興味があったら行き方などを確認してみると良いかもです!