世界一大きいクジラ・世界一でかいクジラを紹介してきます。世界最大級とされる10種類のクジラの名前や簡単な特徴などを確認していきましょう。
地球上最大の哺乳類と言えばクジラ。
クジラ達は何千年にも渡って人間にとっては欠かせない生き物となってきており、一部の文化や国家においては、その発展に中心的な役割を担ってきました。
また、近現代においては興味深い観察そして研究対象となっており、人々を魅了し続けています。
そんなクジラには現在、およそ80の種類が存在するとされますが、その中でも大きな種類はその巨大な体躯で人々を圧倒します。
この記事では、そんなクジラの中から体長を基準として世界最大級と考えられるトップ10のクジラの種類を紹介していきます。
世界最大級のクジラ1:ミンククジラ
ミンククジラは現存するクジラ類を二分するグループの1つ「ヒゲクジラ亜目」に属するクジラとしては、二番目に小さいクジラ。
しかし、世界にはおよそ80種類程度のクジラしかいないため、このミンククジラも大きさで、実はトップ10位にランクインします。
その体長は平均して7mほどですが、最大で10.5mほど。
日本では調査捕鯨の対象とされ、このクジラの肉が市場にも出回っていることから、名前を聞いたことがある人は比較的多いはずです。
基本色としては黒、濃いグレー、または少し紫がかった色をしています。
世界最大級のクジラ2:ニタリクジラ
英語では「ブライズクジラ(Bryde’s whale)」の名前で知られるニタリクジラは、南アフリカに初めてクジラの観測所を建てるのに尽力したノルウェー人、「ジョン・ブライド」からその名前が付けられました。
通常、南アフリカの沖合で見ることができますが、メキシコ、カリブ海、ハワイ、カリフォルニア、そして日本でも確認されており、熱帯や亜熱帯の比較的暖かい海水の広い地域に生息しています。
体はグレーで大きさは平均して13mほど。過去には15m級の巨大な個体も確認されたことがありました。
ニタリクジラはペアで行動する傾向にありますが、餌を食べる時は大きなグループを作ることもあります。
世界最大級のクジラ3:ザトウクジラ
ザトウクジラは地球上でもっとも特色のあるクジラの一つで、その独特な頭の形と長い胸びれで簡単に他の種類のクジラと見分けることができます。
また、ザトウクジラは他のクジラに比べてよく水面上に躍り出る傾向にあり、より長い時間を水面で過ごすことから、水面上で発見し易く、比較的よく写真に収められることが多いクジラとしても知られます。
さらに、集団でまとまって長い距離を移動し、その間は体に貯めてある脂肪からエネルギーを得る傾向にあります。
結果、通常の個体はおよそ13m前後ですが、中には栄養を貯めるために食料を食べ続け、19m級に成長する個体もいるとされます。
そのため、平均サイズでザトウクジラを超えるコククジラやイワシクジラを、個体によっては圧倒的に超えることもあります。
世界最大級のクジラ4:コククジラ
コククジラは灰色の体色で知られるクジラ。
かつては北半球全域に生息していたものの、人間による乱獲によって18世紀までに北大西洋からは姿を消してしまいました。
その大きさは平均して14mほどで、大きな個体では15mにまで成長するものもいます。
ちなみに、コククジラの体にはよく白い傷のようなものが見られますが、これらはコククジラの体に寄生していた生物が落ちた後に出来る跡です。
世界最大級のクジラ5:イワシクジラ
ヒゲクジラ類の一種として知られるイワシクジラは、大西洋から太平洋、そしてインド洋にまで広く分布して生息する大きなクジラ。
その体長は平均して16〜17mほどで、大きな個体は18m近くにまで成長します。
その濃いグレーの体と体の前方部分にあるまだらの白い模様で見分けることが出来、また、少しアーチ状に曲がった吻(ふん)状突起によって、一見すると姿が似ているニタリクジラと区別することができます。
世界最大級のクジラ6:マッコウクジラ
マッコウクジラはクジラを二つに分ける大きなグループの一つ「ハククジラ類」の中では最大で、また、「歯のある動物」としては世界最大です。
あらゆる地域で生息できる数少ないクジラの種の一つで、世界のあらゆる海でその姿を見ることができます。
メスのマッコウクジラは群れで移動して生活する一方、オスは交尾の時以外は単体で行動することで知られます。
現生するマッコウクジラは平均的なオスで17m近くになりますが、過去の長きに渡る捕鯨において、よりサイズの大きな個体が狙われてきたため、現在生きているマッコウクジラの全体的な平均サイズは、元々の平均的なサイズよりも小さくなっている可能性が指摘されています。
実際、オスの個体は21m近くになるものも確認されており、過去には24m級の個体も報告されています。
世界最大級のクジラ7:セミクジラ
セミクジラは温帯から亜寒帯の沿岸に生息する世界一大きいクジラの一種。
その体長は18m前後で、大きな個体としてはこれまで21m超のものが確認されています。
また、標準的な体重とされる60〜80トンという数値は、先述した平均的なザトウクジラのおよそ倍です。
そして、このセミクジラの特徴は、丸みを帯びた体、V字型の噴水孔、濃い体色を持つという点です。
肉や脂を取り易いという理由から、かつて乱獲に逢い、数を減らしてしまった結果、現在は捕鯨が禁止されています。
世界最大級のクジラ8:ホッキョククジラ
ホッキョククジラは背びれが無いこと、他の種類のどのクジラよりも大きな口を持っていることなどを始め、数多くの理由から少し変わったクジラと言われるクジラ。
その名前の通り、北極とその周辺の海水が冷たい地域に生息し、平均して体長は18mにまで達します。
ただし、20mや21mの個体の記録が残るだけでなく、中には25m近い個体も存在すると言われます。
世界最大級のクジラ9:ナガスクジラ
ナガスクジラは「世界一大きいクジラ」や「世界一でかいクジラ」と言われる二種類のクジラの内の一種で、世界で二番目に大きなクジラ。
北半球・南半球ともに緯度20度から70〜80度にかけて生息し、体は長く細い傾向にあり、その色は濃い茶色で腹部は白くなっています。
北極から太平洋のあらゆる地域で生息することができるクジラですが、交尾は暖かい海水の地域で行われる傾向にあり、また、一呼吸で水深450m近くまで潜ることが出来るといわれます。
その体長は平均しておよそ26m。
しかし、体はスリムなため、体重は最大でも80トンほどと、体長で劣るセミクジラと同程度です。
世界最大級のクジラ10:シロナガスクジラ
シロナガスクジラは名実共に「世界最大のクジラ」となる世界一大きなクジラ。
また、地球上に現存する動物としても世界最大であり、かつ、これまで地球上に存在したとされるあらゆる動物の中で最大とされる生き物。
通常個体でも26~27mに達し、比較的大きなものでは30mを超え、これまで確認された最大の個体は34m近くになります。
さらに体重も圧倒的で、170〜190トンにも達し、他の世界最大級のクジラ達を大きく引き離しています。
そんなシロナガスクジラは英語で「ブルーホエール(Bule Whale)」と呼ばれますが、この名前が示す通り、体色は濃い青で腹部は少し色が薄くなっています。
商業捕鯨によりシロナガスクジラの数は大幅に減少しましたが、現在は北大西洋、北太平洋、そして南半球の熱帯から寒帯にかけての外洋域に生息します。
合わせて読みたい世界雑学記事
世界一大きいクジラ・世界一でかいクジラ|世界最大のクジラ10種類のまとめ
世界最大級のクジラを10種類紹介してきました。
中でも真に世界一大きいクジラとなるシロナガスクジラは、他のどの動物も比較にならないほどの巨大な体を誇っています。