夜行性の動物・夜行性の生き物を紹介していきます。アイアイという名前の動物から、パナマヨザルまでの19種類を見ていきましょう。
自然は場所によって様々な表情を見せ、そして生き物はその自然環境に適応するように進化してきました。
例えば水がほとんどない砂漠などは典型的な例でしょう。この砂漠にでさえ動物は生息しているのです。
そしてこのことはまた、辺りが闇に包まれる「夜」に関しても同じで、地球上にいる生き物の中には、夜の生活に適応した夜行性のものが多く存在します。
この記事では、そんな夜行性の動物の中から19種類をピックアップして、それぞれ簡単に紹介していきたいと思います。
夜行性の動物1:アイアイ
アイアイは人間と同じ霊長類に分類される動物の一種で、アイアイ科アイアイ属に含まれる、体長40cmほどの夜行性動物。
マダガスカル島に生息し、焦げ茶色か黒の体と、少しの光さえあれば周囲を確認出来るギョロっとした特徴的な両目を持ちます。
この特殊な目によって、暗い夜でも問題なく活動して餌を見つけ、昼は巣の中で休みといった生活を送っています。
夜行性の動物2:ラーテル
イタチの仲間であるラーテルは、日本ではミツアナグマとも呼ばれる体長70cm前後の動物。
このかわいい夜行性のイタチは、蛇だけでなく、トカゲ、カエル、卵、鳥類、齧歯類、そしてカメでさえも捕まえ、丈夫で強力なあごを使って、動物の骨やカメの甲羅でさえかみ砕いてしまいます。
また、蜂の巣を襲う数少ない哺乳類です。
主に昼間は岩の隙間などで休み、夜間に活動する夜行性動物ですが、昼間に活動することも稀にあります。
夜行性の動物3:メガネグマ
個体によってはメガネをかけているような外見を持つことから「メガネグマ」と呼ばれるこのクマは、体長160cm前後の唯一の南米原産のクマ。
雑食のクマであるにも関わらず、肉はそこまで食べない代わりに、果物、パームナッツ、サボテン、木の実、タケノコなどを好んで食べ、また、ほとんどの時間を木の枝の上で過ごします。
昼間は木の下や木の上で休み、夜間に行動する夜行性の動物として知られています。
夜行性の動物4:サソリ
危険な生き物として有名なサソリは、サソリ目に属する節足動物の総称で、そこには1700種以上が含まれるとされますが、その多くは夜行性です。
そのため、サソリの生息地であっても日中は見かけることがほとんどなく、安心しきってその場で野宿をすると、夜間にサソリに襲われる可能性があるのです。
日中は穴の中や岩の下などに隠れ、夜間出てきて狩りをしたり食べ物を見つけたりします。
夜行性の動物5:ゴキブリ
世界全体で見るとおよそ4000種類も存在すると考えられているゴキブリ目に属するゴキブリは、日中でも姿が確認されることはありますが、夜にこそ本格的に活発になる夜行性動物。
日中は休息を楽しみ、そして周囲が寝静まった夜に活動を開始して、餌を探しに出回るのです。
一方で、ヤマトゴキブリを始めとして、中には非常に素早い動きをする種が存在しますが、その視力はそこまで良くなく、代わりに非常に発達した触角と尾毛によって、周囲の状況を敏感に察知する能力を備えています。
夜行性の動物6:コウモリ
コウモリと言えば、おそらく誰もが知る夜行性動物の代表格。
飛ぶことが出来るため、鳥の仲間と勘違いされることがありますが、れっきとした哺乳類で、全世界で1000近い種を抱え、数の上では哺乳類全体の1/4ほどを占める一大勢力です。
休息時は後ろ足を使って洞窟の天井や木の枝にぶら下がることで知られ、夜行性のコウモリはまた、超音波を用いた反響定位(音の反響を受け止め、それによって周囲の状況を知ること)という特技で、暗い中でも餌を見つけて捕食することが可能です。
夜行性の動物7:ネズミ
世界中に1500種前後いるとされる哺乳類ネズミ目の動物であるネズミの仲間は、そのほとんどが夜行性。
そのため、夜行性の動物としては比較的良く名前が挙がる動物と言えるでしょう。
ただし、ネズミの仲間の多くは視力が弱いため、夜間に活動する場合、その弱い視力を鋭い聴力や嗅覚で補いながら食べ物などを探し当てていくことになります。
ちなみにこのことから分かる通り、ペットとして人気なネズミ目に含まれるハムスターは夜行性動物。
人間の生活に無理やり合わせて昼間に起こすことは、ハムスターにとってはあまり良いことではありません。
夜行性の動物8:アライグマ
「前足を水中に突っ込んで獲物を探る姿が手を洗っているように見える」とされるアライグマは、姿がタヌキに似ている動物。
人間と同様、雑食性でほとんど何でも食べます。
そして、闇の中でも周囲を確認出来る優れた視力によって夜間に活動することが多いため、基本的には夜行性動物と言われますが、昼に活動することも時たまあります。
夜行性の動物9:フクロウ
フクロウと言えば、夜行性鳥類の代表格でしょう。
頭蓋骨に比べて不釣り合いなほど大きな目により、フクロウはコウモリが使う反響定位に頼らなくても暗闇で物を見ることが出来、昼はほとんど動かないで目を閉じて休息し、天敵が少ない夜に活発に活動するのです。
また、首が柔軟なため、それを使って頭を270度回すことが可能なだけでなく、聴力も非常に優れており、さらに音をほとんど出さずに飛ぶことが出来るため、夜間における狩りでは優れたハンターになります。
夜行性の動物10:オカヤドカリ
日本においては沖縄などの暖かい土地に生息し、主に海岸付近の陸上部で生活するオカヤドカリは、夜間に活動量が増える夜行性の動物。
複数の異なる種が含まれ、これら全てのオカヤドカリの種が日本では天然記念物に指定されています。
また、オカヤドカリにとっては気候環境も非常に重要で、気温が15度を下回ると活動が鈍って冬眠状態になることから、日本では熱帯の気候に近い沖縄など一部の地域にしか生息していないのです。
夜行性の動物11:タスマニアデビル
オーストラリアのタスマニア島に生息するタスマニアデビルは、世界最大の肉食有袋類として、また、非常に恐ろしい鳴き声を持つことで有名な動物。
昼間は穴ぐらなどに潜んで休んでいますが、夜になると餌を求めて活発に動き出す夜行性動物です。
手に入る動物性の食べ物は何でも食べ、通常は、トカゲ、カエル、鳥類、昆虫を食べますが、時には腐肉や動物の死骸でも食べます。
さらには、小さなものや弱ったものを捕食するため、現地で飼われている羊の側にすら近寄っていくこともあります。
夜行性の動物12:ホタル
ホタル科に属するおよそ2000種の生き物は「ホタル」と呼ばれますが、ホタルの多くは夜行性です。
日本でもヘイケボタルやゲンジボタルなど、夜間に草むらの上をふわふわ飛びながら発光するホタルを見たことがある人も多いでしょう。
暗闇の中で発光することは、交尾相手をより簡単に探すことが出来るだけでなく、捕食者への警告にもなっています。
ただし、数は少ないものの昼行性で日中に光を発光する種がいたり、また、発光しない夜行性の種もいたりします。
夜行性の動物13:コアラ
コアラは「半夜行性」と呼べる動物です。
というのも、大抵の場合は夜に行動することが多いものの、時には夜に寝て昼に活動したり、また、個体や育った環境によっても、夜行性に近くなったり昼行性に近くなったりと、異なる習慣や個性を持ち合わせるからです。
1日大体18~20時間は何も過ごさずに木の股や隠れ場所にうずくまってうとうとし、限られた時間の中で餌を探して生きるのに必要なエネルギーを補っています。
夜行性の動物14:アカカンガルー
カンガルーの種としては最大種となり、地球上で一番大きい有袋類とされるアカカンガルーもまた、コアラと同じで半夜行性の動物と言える存在です。
その個体の多くが主に夜明けや夕暮れの時間、そして夜間に活発になり、逆に昼間は木陰などで休むからです。
ただし、コアラと同じように昼間でも活動することがあるため、完全な夜行性動物と言うわけではない上に、生活環境によっても異なってきます。
夜行性の動物15:キノボリカンガルー
カンガルーの仲間は地上をピョンピョンと跳ね回る姿がイメージされがちですが、同じカンガルー科に含まれるキノボリカンガルーはちょっと違います。
その名前が示す通り、樹上で生活し、また後ろ脚の代わりに前脚が発達しているのです。
そんなキノボリカンガルーは、昼は丸くなって休み、夜は活発に餌を探して活動する夜行性の動物です。
夜行性の動物16:コヨーテ
イヌ科の動物の一種で、オオカミに近いとされるコヨーテは、北アメリカ大陸に分布する動物。
オオカミよりも小型ですが、現地では捕食者および害獣として恐れられています。
そんなコヨーテは、基本的には夜行性ですが、昼間にも活動することがあり、小動物を中心に捕食します。
また時には、民家の庭に侵入してペットを襲ったり、ブルーベリー、草類、リンゴ、ナシ、ニンジン、トウモロコシなどの植物を食べることもあります。
夜行性の動物17:フクロモモンガ
体長18cm前後のフクロモモンガは、外見がどことなくリスに似ている夜行性の動物。
インドネシア、オーストアリア、パプアニューギニアなどに生息し、暗闇の中でも少しの光があれば周囲を認識出来る大きな目を持っているのが特徴です。
また、前足と後ろ足との間に広がる特殊な皮膜を持っており、この皮膜を使って、木から木に滑空することが可能で、夜間に滑空するフクロモモンガの姿がこれまで何度も確認されています。
さらに、昆虫、果物、種子、そして小型鳥類の卵も食べるフクロモモンガは、有袋類でもあることで知られ、雌の腹部には赤ちゃんを入れておくための袋があります。
夜行性の動物18:ハイエナ
アフリカのサバンナに生息する動物としては、脇役的な存在で描かれることがあるハイエナは、日中は穴や隙間などで休み、夜になると活発に餌を探すようになる夜行性の動物。
種類によっては狩りではなく、腐肉を餌とする傾向にあるものもいます。
また、あまり知られていませんが、ハイエナ種の中で最も有名であろうブチハイエナは、実は体長が150cm近くになる比較的大きな動物で、さらに、時速65kmを超えるスピードで走ることさえ出来ます。
夜行性の動物19:パナマヨザル
パナマヨザルは、パナマとコロンビの一部に生息するサルの仲間。
また、その名前を分解すると「パナマ」+「夜」+「サル」となうことからも、このサルが夜行性の習慣を動物であることに気づきます。
体重はわずか900g前後となる小さなサルで、顔面に対して非常に大きな割合を占める目が特徴。
木の上で主に夜間に活動するため、現地でもその姿が確認されることはそこまで多くありません。
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夜行性の動物(夜行性の生き物)一覧|19種類を紹介!のまとめ
夜行性の動物を19種類一覧にして紹介してきました。
日中ではなく夜を選んだ夜行性の動物達の多くは、その生活に適応するために独特な進化を遂げてきています。