ビッグベンと呼ばれるイギリスはロンドンの象徴を見ていきましょう。ウェストミンスター宮殿にある時計台の鐘は、世界的にも有名です。
イギリスのロンドンを象徴する建築物と言えば何を思い浮かべますか?
ロンドン橋やバッキンガム宮殿などが有名だと思いますが、それと同じように有名なロンドンの象徴として、ウェストミンスター宮殿に付属するビッグベンがあり、ロンドンの名所の一つとして知られています。
この記事では、そのビッグベンについて理解を深めるために、基本的な知識から、あまり知られていない13の知識まで紹介していこうと思います。
ビッグベンを知りたければ早速確認してみましょう。
- ビッグベンとは?
- ウェストミンスター宮殿のビッグ・ベンについてあまり知られていない13のこと
- ビッグベンの知識1:グレート・ベルとしても知られる
- ビッグベンの知識2:その愛称の起源については謎に包まれている
- ビッグベンの知識3:時計台の正式名称はエリザベス・タワー
- ビッグベンの知識4:3つの誕生日を持つ
- ビッグベンの知識5:ビッグ・ベンを引き上げるのに一日以上かかった
- ビッグベンの知識6:時計塔は若干北西へ傾いている
- ビッグベンの知識7:時計の機械装置設計をしたのは法律家と天文学者だった
- ビッグベンの知識8:導入された機械システムはその後の標準設計となった
- ビッグベンの知識9:積み重ねられたコインが時間を正確に保っている
- ビッグベンの知識10:全く動かなくなった時期が一度だけ存在する
- ビッグベンの知識11:戦時中はあまり目立たないようにされた
- ビッグベンの知識12:最強の敵は鳥だった
- ビッグベンの知識13:イギリスの在住者は時計塔の中に入ることができる
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- ビッグベンとは?ロンドンのウェストミンスター宮殿にある時計台の鐘のまとめ
ビッグベンとは?
ビッグベン(Big Ben)とは本来、イギリスの首都ロンドンにあって英国国会議事堂として利用される「ウェストミンスター宮殿」に付属する時計台の大時鐘(だいじしょう:時計台に付属する5つの鐘のうち最大の物)の愛称。
(出典:wikipedia)
ビッグベンが含まれる時計台(エリザベスタワー)は、イギリスの建築家「オーガスタス・ウェルビー・ノースモア・ピュージン」によってデザインされ1859年に完成(※ビッグベンを含む振り子式塔時計は、アマチュア時計学者のエドマンド・ベケット・デニスンと、王室天文官のジョージ・ビドル・エアリーがデザインした)。
時計台の高さは96.3mで334段の階段から成り、その底辺は正方形で各辺の長さは12m。
一方のビッグベン(大時鐘)は、高さ2.2mで直径2.9m、重さは13.5tにもなり、1881年にロンドンにあるセント・ポール大聖堂へ、「グレート・ポール(Great Paul)」という愛称の大時鐘が取り付けられるまでの23年間は、イギリスで最大の鐘でした。
そして建設完了以降、ビッグベンはイギリス文化を象徴する建築物として世界的に有名になり、イギリスのシンボルの一つとなっています。
ちなみに、上述したように本来、ビッグベンはあくまでも、ウェストミンスター宮殿に付属する時計台の5つの鐘のうち最大の鐘を指す愛称です。
しかし現在、「ビッグベン」という場合、人によっては時計台全体を指したり、時計台の大時計を指したりすることもある点は覚えておきましょう。
ウェストミンスター宮殿のビッグ・ベンについてあまり知られていない13のこと
さて、ビッグベンに関する基本知識を紹介してきましたが、ここからは、ビッグベンへの理解をさらに深めていくために、この大時鐘について知っておきたい13の知識を紹介していこうと思います。
ビッグベンの知識1:グレート・ベルとしても知られる
ウェストミンスター宮殿付属の時計台の5つの鐘のうち、最も大きな大時鐘を指す「ビッグベン」という名前は、あくまでも「愛称」。
本来の正式名称は「グレート・ベル(Great Bell)」になります。
ちなみに、5つの鐘のうちビッグベンは大きな「ミ」の音を奏で、その他の4つの鐘がそれぞれ奏でる「シ」・「ミ」・「ファのシャープ」・「ソのシャープ」をリードして、ウェストミンスター宮殿の時計台が奏でる荘厳なメロディを生み出しているんです。
ビッグベンの知識2:その愛称の起源については謎に包まれている
「グレートベル」という正式名称を持つ大時鐘になぜ、「ビッグベン」という愛称が付けられたのか?
その起源については謎に包まれています。
(出典:wikipedia)
この名前「ベン」の由来として、まず始めに有力視されるのは、19世紀のエンジニアであり政治家であった「ベンジャミン・ホール卿」。
彼は鐘と同じように大柄な事で有名でした。
ある時ホールは、鐘がどのように呼ばれるべきかについて長々と話し始めたところ、その話があまりにも長いので彼の同僚が、
「話長いから、もうビッグ・ベンと呼ぶようにして話を終わらせない?」
と皮肉を込めて適当に提案したそう。
しかし、なんとこの提案がそのまま受け入れられ、ビッグベンと呼ばれるようになったんだとか。
それに加えて、ベンジャミン・ホールの名前が鐘に刻まれている点も、この説を有力にしています。
一方で、19世紀のボクシングのヘビー級チャンピオンであり、素手の拳で戦ったボクサー「ベンジャミン・カウント」から名づけられたと言う説もあります。
ビッグベンの知識3:時計台の正式名称はエリザベス・タワー
ビッグベンを有する時計台は現在、その正式名称を「エリザベス・タワー」と言います。
元々は「時計塔」の意味を持つ「クロック・タワー」というのが正式名称でしたが、エリザベス2世の在位60周年を記念して、2012年にその名前が「エリザベス・タワー」と改称されました。
ちなみに上述した通り、現在、ビッグベンと言う場合、人によってはこのエリザベス・タワーを意味することもあります。
ビッグベンの知識4:3つの誕生日を持つ
ビッグベンには3つの誕生日があるとされます。
まず一つ目が、ビッグベンが時計台に設置された1858年4月10日。
そして二つ目の誕生日が、大時計が時を刻み始めた1859年5月31日のこと。
そして、三つ目の誕生日が、初めて鐘が鳴らされた1859年7月11日のことです。
ビッグベンの知識5:ビッグ・ベンを引き上げるのに一日以上かかった
最初の基本知識の部分で紹介した通り、ビッグベンの重さは13.5tにも及ぶわけですが、この非常に重くて大きな鐘を、334段の階段を登りきった場所まで引き上げることを想像してみて下さい。
鐘は非常に大きく、塔の狭い吹き抜けを通して引き上げることは非常に難しかったのです。
加えて、鐘を傷つけないように細心の注意を払いながらゆっくりと引き上げたため、作業開始から終了まで、なんとまるまる30時間かかったと言われます。
ビッグベンの知識6:時計塔は若干北西へ傾いている
一世紀半以上ロンドンを見守り続けているビッグベンが属する時計台は、現在、若干北西に傾いてるとされています。
これは、ロンドンにその後に建設された地下鉄などの地下建造物や、時計台の下の土が乾いたことによって、建設当初とその地盤状態が変わってしまったというのが理由。
現在、時計塔は北西へ向けて、中心からおよそ45cm傾いているとされます。
ビッグベンの知識7:時計の機械装置設計をしたのは法律家と天文学者だった
ビッグベンが付属するウェストミンスター宮殿の大時計を設計したのは、「さぞかし優秀な時計職人だったのでは?」と思うかもしれません。
(出典:wikipedia)
しかし、この時計を設計した二人の人物はそれぞれ、
- エドマンド・ベケット・デニスン
- 「アマチュア」の時計学者
- 本職は枢密院議員で法律家
- 本職ではないが機械技師や建築家としての顔も持っていた
- ジョージ・ビドル・エアリー
- 王室天文官
- イギリス王室直属の上級官で王室に対して天文学や、関連する科学的な助言を与えていた
といったように、決して熟練した時計職人達ではなかったのです。
時計が持つべき特徴などの仕様をエメリーが決め、仕様に合わせて時計が動くようにデニスンが設計していきました。
ビッグベンの知識8:導入された機械システムはその後の標準設計となった
ビッグベンが含まれる振り子式塔時計を作るに当たって、当時では新しい機械システムが発明されて導入されたと言われます。
上でも紹介したジョージ・エアリーは、1852年に時計職人のエドワード・ジョン・デントを雇い、エドマンド・ベケット・デニソンの設計を具現化させようとしましたが、デントはその一年後、この仕事を終える前に他界。
このプロジェクトはデントの義理の息子「フレドリック・リッポン・デント」に引き継がれました。
そしてフレドリックは、エドマンドが考案した「二重三脚重力式脱進機」という新しい脱進機(振子などの振動を持続させるために,それらに間欠的な力を与える装置)を採用し、これによって、ウェストミンスター宮殿の大時計が完成します。
後にこの二重三脚重力式脱進機は、時計塔の標準設計になっていきました。
ビッグベンの知識9:積み重ねられたコインが時間を正確に保っている
ビッグ・ベンの大時計は、その管理方法として現代のハイテク技術を避け、「ラッキーペニー」と呼ばれる古風な方法に頼っています。
この方法の特徴とは以下のようなもの。
- ビッグ・ベンの振り子の上に現在は製造されていないイギリス旧硬貨「ペニー」のコインが積み重ねられている
- 積み重ねられたコインの重さが振り子の重心を保ち、安定した振り子の揺れや回数、そして正確な時間を管理出来るようになる
ちなみに、コインを一枚でも少なくしたり増やしたりすると、一日に0.4秒、時計の動きが変わるらしいです。
ビッグベンの知識10:全く動かなくなった時期が一度だけ存在する
ハイテクを使わないで古風な方法で厳密に管理されているビッグベンですが、その長い歴史の中で、一度だけ長期に渡って上手く機能しなくなったことがありました。
それは、1976年の8月から翌年1977年の5月までの間。
古くなった装置に一部消耗が起こり、それが原因と思われる機能障害が起こってしまったのです。
結局、その装置を修理するまで、およそ9ヶ月の間、断続的に時計が止められる事になりました。
ビッグベンの知識11:戦時中はあまり目立たないようにされた
現在、ビッグベンを含む時計塔は、夜になると明るく輝き、ロンドンの街全体を象徴するように大きな鐘の音を鳴り響かせています。
しかし戦時中、ロンドンを象徴するこのビッグ・ベンは、破壊から身を守るためにも、目立たないように工夫されました。
まず、第一次世界大戦中、ビッグベンの灯りは二年間ほど消され、そして鐘の音も鳴りませんでした。
また、第二次世界大戦中は、鐘は鳴り続けたものの灯りは消されていました。
しかし、どんなにビッグベンを目立たなくしたところで、ビッグベンが付属するウェストミンスター宮殿が、イギリスにとって重要であることは敵に分かっていました。
ビッグベンを敵の攻撃から守ろうとした努力も虚しく、第二次世界大戦中の1941年5月、ナチスドイツの攻撃によって、国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)の一部は破壊され、また、時計台の屋根と時計の文字盤もダメージを受けました。
しかし、外面は傷ついても、ロンドンの街をずっと見守り続けてきたビッグベンや、時計台の機能は全くダメージを受けることがなく、致命傷を免れたのです。
ビッグベンの知識12:最強の敵は鳥だった
二つの世界大戦をも乗り越えたビッグベンにとって、最強の敵は全く予想もしていなかった「鳥」だったのです。
その鳥とはスズメの親戚である「ホシムクドリ」。
1949年8月、ホシムクドリの群れがロンドンにやってきた時、その群れは大時計の巨大な長針を見つけ、そこを一時休憩の場所として使いました。
その結果、群れになった鳥たちの重さによって時計の動きが4分以上遅れてしまうことに。
自然の脅威恐るべしです!
ビッグベンの知識13:イギリスの在住者は時計塔の中に入ることができる
ビッグ・ベンはイギリスで最も人気のある観光スポットの一つであるにも関わらず、海外からの観光客は塔の中に入ることは出来ません。
現在のところ(※変わる可能性もあるので必ずチェックしてください)、イギリス在住の人(イギリス国籍でなくても在住者であればOK)のみが、塔の中に入ることが許可されます。
しかし、その許可を得るためには他にもいくつかの条件があり、その一部を紹介すると以下のようなものが含まれます。
- イギリスの国会議員または貴族院の議員からの紹介を得る
- 12歳以上であること
- 334段の階段を補助なしで登ることができる
- 塔の中にはエレベーターなどは無く、あくまでも334段の螺旋階段があるのみ
- 心臓に関する病気を持っていない
- 妊娠後期ではない
- 登るのに適した靴を履いている など
(参照:FREE Tours BY FOOT)
また、条件を満たしたからと言って、ビッグ・ベン内をいつでも見学できると言うわけではなく、基本的には事前の予約が必要で、場合によっては6ヶ月も待たなくてはいけない可能性もあります。
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ビッグベンとは?ロンドンのウェストミンスター宮殿にある時計台の鐘のまとめ
イギリスの首都ロンドンにあるビッグベンについて紹介してきました。
ロンドンを象徴する名所の一つなので、ロンドンへ訪れる際にはビッグベンが含まれる時計台(エリザベスタワー)を見に行っているのがおすすめです!