世界一危険な虫や昆虫を16種ピックアップして紹介していきます。ヒトヒフバエやサザンフランネルモスを始め、世界中には数多くの危ない虫が存在しています。
世界に存在する多くの虫たちは、自然の生態系を維持する上で極めて重要な役割を果たしており、必要不可欠な存在です。
しかし一方で、人間から見ると非常に危険で恐ろしい虫や昆虫が存在しているのも確か。
強力な攻撃性や毒、または間接的に引き起こされる感染症によって、人の命を奪ってしまう虫も多くいるのです。
ここでは、世界各地にいる危険な虫の中から、16種をピックアップして簡単に紹介していこうと思います。
- 世界一危険な虫1:マダニ
- 世界一危険な虫2:グンタイアリ
- 世界一危険な虫3:オオスズメバチ
- 世界一危険な虫4:ヒアリ
- 世界一危険な虫5:サザンフランネルモスの幼虫
- 世界一危険な虫6:ヒトヒフバエの幼虫
- 世界一危険な虫7:ペルビアンジャイアントオオムカデ
- 世界一危険な虫8:オブトサソリ
- 世界一危険な虫9:サウスアフリカンジャイアントファットテールスコーピオン
- 世界一危険な虫10:サシハリアリ
- 世界一危険な虫11:ブラジルドクシボグモ
- 世界一危険な虫12:ドクイトグモ
- 世界一危険な虫13:ハマダラカ
- 世界一危険な虫14:ケオプスネズミノミ
- 世界一危険な虫15:アフリカナイズドミツバチ
- 世界一危険な虫16:ツェツェバエ
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世界一危険な虫1:マダニ
特殊なハーラー器官により、哺乳類から発せられる臭いや体温、振動などに反応してその生き物のに取り付き、そして吸血行為を働くマダニは、毎年、多くの人をライム病に感染させてしまう危険な虫。
ライム病とは、野生動物などを保菌動物とし、マダニによって媒介される人獣共通の細菌による感染症です。
マダニが噛んだポイントを中心にして、発疹が広がり始め、その後、初期症状として頭痛や発熱などが発生。
時間が経過するにつれて被害者は、関節の硬直や、心臓に何かしらの問題を抱え、苦しむ可能性が出てきます。
また、ライム病で命を落とすことは滅多にありませんが、苦しみが何年も続くことがあるとされます。
さらに、ライム病に加えてマダニは、
- 日本紅斑熱
- Q熱
- 回帰熱
- ダニ媒介性脳炎
などの感染症も発生させると言われ、危険な虫の一つに数えられます。
世界一危険な虫2:グンタイアリ
軍隊のように隊列を組んで前進する姿が、まるで軍隊のようなことから「グンタイ」の名前がつくグンタイアリは、捕食者としての獰猛さで有名。
昆虫や小さな脊椎動物など、獲物となる生き物を見つけると集団で一気に襲いかかり、大きな動物であっても病気などで弱っている場合は、その攻撃力で食い殺してしまうこともあるとされるほど。
もちろん人間も攻撃の対象となり、噛みつかれることでひどい痛みが発生。無理に引き剥がすと皮膚は切れ、出血を伴うことがあります。
ちなみに、グンタイアリは恒久的な巣を作らない代わりに、長い場合は数十メートルにも及ぶ隊列を組んで移動するのです。
世界一危険な虫3:オオスズメバチ
アジア地域に広く分布するオオスズメバチは、日本にも生息している危険な虫。
体長は大きい個体であれば4cmから5cmにもなり、日本に生息するハチ類の中では最も強力な毒を持つとされ、さらに攻撃性も非常に高いといった特徴を持ちます。
そして、刺されればその患部は腫れ上がり、命に関わる激しいアレルギー反応「アナフィラキーショック」を引き起こし、患部以外にも頭痛や吐き気など、全身に様々な症状を発症させます。
さらに、もしも運が悪く、2度目に刺された場合、より激しいアナフィラキシーショックが起き、場合によっては死に至ることもあるなど、世界的に見ても非常に危険な虫であることは間違いありません。
ちなみに日本では、夏に雑木林を探索していると、樹液を探して飛び回るオオスズメバチに偶然遭遇することがあるので注意が必要です。
世界一危険な虫4:ヒアリ
アメリカや中国の一部、そしてオースタリアや南米の一部に生息するヒアリは、赤褐色の頭部と黒色の腹部が特徴的なアリ。
強力な毒と針を持ち、その針で敵に襲いかかります。
人間が攻撃された場合、炎症や痛みを引き起こし、オオスズメバチに刺された場合と同様にアナフィラキシーを引き起こす場合もあり、人によっては
- めまい
- 頭痛
- 激しい胸痛
- 吐き気
- 重度の発汗
- 低血圧
- 呼吸喪失
といった症状に悩まされ、そのまま放置すると最悪の場合、死に至ってしまうことさえあります。
そのため、世界一危険な虫の一つとして考えられると同時に、「殺人アリ」と呼ばれることもあるのです。
世界一危険な虫5:サザンフランネルモスの幼虫
南米のアマゾンの森で発見されたサザンフランネルモスは、見た目が可愛らしく、その毛深いモフモフな体が特徴的な蛾。
特に幼虫は全身が毛に覆われていることから、一見すると小動物か何かにしか見えません。
しかし、この外見に騙されることなかれ。
サザンフランネルモスの毛は棘のようになっていて、その毛が皮膚に刺さると鋭い痛みを引き起こし、時には胸痛、しびれ、呼吸困難を引き起こす可能性があるんです。
ちなみに、サザンフランネルモスの幼虫の姿は、アメリカのドナルド・トランプ大統領の髪型と似ているともっぱらの噂です。
世界一危険な虫6:ヒトヒフバエの幼虫
ヒトヒフバエは、メキシコからアルゼンチンまでの中南米地域に生息する体長1.5〜1.8cmのハエ。
一見するとどこにでもいそうなハエで、決して危険そうには見えないかもしれませんが、このハエの危険性は、その名前「ヒトヒフ=人皮膚」に表れています。
なんとこのハエ、幼虫時代に人間の皮膚の下に寄生することがあるんです!
その流れは以下の通り。
- 親バエが蚊やダニに卵を付着させる
- これらの虫が人間にくっついて吸血する時に、卵が皮膚に付着する
- 体温によって幼虫が孵化する
- 1時間以内に宿主の皮膚に侵入する
- そこで1.5〜3ヶ月発育していく
ちなみに、ハエの幼虫が体の中に入り込む疾患はハエ幼虫症または蝿蛆症(ようそしょう)と呼ばれ、直ちに治療しなければ、感染症を引き起こす可能性があります。
そもそも生きたウジが皮膚の下を動いていること自体が、非常におぞましいですが・・・。
世界一危険な虫7:ペルビアンジャイアントオオムカデ
南米の熱帯雨林に生息しているとされる、ペルビアンジャイアントオオムカデは、通常でも20〜30cmほど、大きな個体では40cmを越えるとされる、世界最大のムカデ。
強い攻撃性に加えて毒を持つムカデの中でも最も大きな体長を誇ることから、世界一危険な虫の一つとして紹介されることがあり、実際に攻撃力は非常に強力。
小さな虫や小さな脊椎動物はもちろんのこと、自分よりも体長が大きな蛇までも襲って餌とするなど、とても獰猛なんです。
また、毒だけでなく強力な牙を持ち、その牙はプラスチックの網を砕いてしまうほどだとも言われます。
そして、人間が万が一にも攻撃されると、強力な牙で皮膚に噛みつかれて毒を注射され、激しい痛みや腫れ、そして吐き気などを催すことになります。
世界一危険な虫8:オブトサソリ
数あるサソリ種の中でも最強の毒を持つと言われ、非常に高い攻撃性と素早い動きが可能なオブトサソリは、別名「デスストーカー」として恐れられる世界一危険な虫の一種。
中東やヨーロッパの砂漠地帯に生息し、獲物がほとんどいない砂漠において、見つけた獲物を確実に殺すために進化・強化した毒は、小動物だけでなく人間のような大きな生き物でさえも死亡させる威力があると言われます。
そして、夜行性であることから、万が一、デスストーカーがその名の通りストーキングしてきていても、なかなか気づくことが出来ず、獲物となった動物は針で毒を注入されるのです。
世界一危険な虫9:サウスアフリカンジャイアントファットテールスコーピオン
その個体の多くが南アフリカの特に砂漠地帯に生息していることから、「サウスアフリカンジャイアントファットテールスコーピオン」と呼ばれるサソリは、太い尾と細い爪が特徴的。
その外見通り、強力な毒を持つと同時に、太い尻尾によって攻撃対象へ多くの毒を注入できるなど、このサソリに狙われると人間は、痛みや麻痺を引き起こすだけでなく、時には命の危険にさらされます。
ちなみに、オブトサソリがデスストーカーなら、こちらのサウスアフリカンジャイアントファットテールスコーピオンは「ジャイアントデスストーカー」と呼ばれる、世界一危険な虫の一つなんです。
世界一危険な虫10:サシハリアリ
お尻にある針で刺された感覚が、銃で撃たれた感覚とも表現されることから、英語では「Bullet Ant(弾丸アリ)」と表記されるサシハリアリは、中南米に生息するアリ。
サシハリアリに刺された時の痛みは、世界中のハチやアリの中で最も強力だと言われ、ズキズキとした痛みが一日以上、衰えることなく継続します。
また、その強力な痛みを伴う針攻撃と共に攻撃的な性格を持つため、挑発するような行動は避けるべき危険な虫なんです。
世界一危険な虫11:ブラジルドクシボグモ
熱帯の南アメリカと中央アメリアに生息する毒グモであるブラジルドクシボグモは、2010年にギネスブックによって世界一毒性が強いクモに認定された危険な虫。
全長20cm弱にもなる大きな体を持ち、その神経毒はたった0.006mgでマウスを殺すことが可能。
さらに、1個体が持つ毒の量をもってすれば、人間でさえ十数人を殺せ、万が一にもこの蜘蛛に噛まれて毒を注入されると、2時間以内に解毒剤を打たなければ死に至ると言われるほど危険なんです。
ちなみに男性の場合、この蜘蛛に噛まれた後に命が助かっても、なかには後遺症として勃起不全に陥ってしまうこともあるんだとか・・・。
世界一危険な虫12:ドクイトグモ
北アフリカ南部に分布するドクイトグモは、毒グモの中でも神経毒を持つ種ではありません。
そのため、このクモに噛まれたとしても、
- 心拍数の増大
- 血圧上昇やそれに呼吸困難
- 筋肉の麻痺による窒息
など、神経に支障をきたすことで起きる症状は現れません。
しかし、このクモの毒は、咬んだ周辺の組織を壊死させ、治癒には数ヶ月要することになるだけでなく、過去には死亡例もあるとされます。
世界一危険な虫13:ハマダラカ
世界におよそ460種が存在すると言われるハマダラカは、世界中の熱帯地域を中心に広い範囲に生息している蚊で、そのうち100種はマラリアを媒介でき、さらにその中の30〜40種は、マラリアを人間に媒介するとされる蚊。
ハマダラカが人間を刺すことによってマラリア原虫が体内に侵入すると、
- 高熱
- 頭痛
- 吐き気
などの症状を引き起こし、悪性の場合は意識障害や腎不全などが起こり人の命を奪ってしまいます。
また、ハマダラカは他の感染症の原因ともなるため、とにかく熱帯地域では刺されないように注意したい危険な虫なんです。
ちなみに、全世界ではハマダラカによって発症したマラリアによって、年間45万人ほどが死亡しているとされます。
世界一危険な虫14:ケオプスネズミノミ
体長1.5〜2mm程度のケオプスネズミノミは、世界各地に分布し、日本にも生息している虫。
(出典:wikipedia)
その名前からも分かる通り、ネズミなどのげっ歯類に寄生し、また、人を吸血することもあり、刺されると痒みや腫れを引き起こします。
しかし、このケオプスネズミノミが世界一危険な虫の一つに挙げられるのは、それが理由ではありません。
ケオプスネズミノミは黒死病として恐れられ、過去にはヨーロッパで多くの人命を奪ったペストを媒介する虫なんです。
世界一危険な虫15:アフリカナイズドミツバチ
アフリカミツバチとセイヨウミツバチが交配されたことで生まれた「アフリカナイウドミツバチ」は、「キラービー(殺人蜂)」という名前で呼ばれる危険な蜂。
数いる蜂の中で最も防御的だと言われるアフリカナイズドミツバチは、その高い防御本能のため、少しでも脅威を感じると、集団で一気に敵と認識した対象を襲うことで有名。
そのため、一般的に知られるミツバチでは考えられないほどの攻撃性を持ち、過去には人間の死亡例も起きていたりと、集団としては世界一危険な虫にカウントされることがあるんです。
世界一危険な虫16:ツェツェバエ
ツェツェバエは0.5〜1cm程度になる大型の吸血バエ。
ただ血を吸われるだけなら世界一危険な生き物とは言えませんが、実はこのハエ、アフリカ睡眠病の主な媒介生物なんです。
アフリカ睡眠病は、病状が進行すると睡眠周期が乱れてもうろうとなり、その状態が続くと昏睡状態に陥って死に至る病気。
そのため、実は毎年何万という人々の命を間接的に奪っていると考えられる、非常に厄介なハエだったりします。
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世界一危険な虫や昆虫16選!ヒトヒフバエやサザンフランネルモスなどのまとめ
世界に存在する虫の中でも、特に危ないと言われる虫を16種ピックアップして紹介してきました。
まだまだ他にも世界一危険だと言われる虫はいると思いますが、まずは今回紹介した虫を覚えておくと良いかと思います。