アマゾン川に関する豆知識を紹介していきます。この地に広がる熱帯雨林と共に自然の偉大さを教えてくれるアマゾン川ついて、興味がある人は必見です!
南アメリカで最も有名な場所の一つアマゾン川は、世界一巨大な川として知られている川。
その周辺には、世界で最も広大なアマゾン熱帯雨林が広がり、地球に欠かすことのできない酸素、新鮮な水、生物の多様性を育んでいるなど、自然の偉大さを感じさせてくれます。
そして実は、アマゾン川は南米で最も人気のある旅行先の一つでもあり、毎年多くの観光客がこの地を訪れているんです。
そこでこの記事では、いつかは訪れてみたいアマゾン川に関するいくつかの豆知識を紹介していきたいと思います。
まずは、アマゾン川に関する基本的な知識を抑えることから始め、旅行や観光の事前知識としても知っておきたい9つの豆知識までを確認していきましょう。
アマゾン川に関する基本知識
南アメリカ大陸の北部を横断するように流れるアマゾン川は、世界最長の川の一つで、流域面積で言えば世界最大。
ペルーに端を発し、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ブラジルのアマゾン熱帯雨林を流れ、大西洋に注いでいます。
そしてアマゾン川は数多くの巨大な支流を持ち、無数の水路や運河が結ばれるなど、アマゾン川から伸びる水系は、あたかも蜘蛛の巣のように、南アメリカ中に張り巡らされているのです。
実際、この巨大な川とそこに繋がる水系は、南米のおよそ35~45%を網羅しており、特にその水系に隣接する国の住民や、周辺地域に生息する生き物にとっては、なくてはならない存在となっています。
加えて、ボートを使うことで水上交通が可能になり、人間にとってアマゾン川は、一つの移動手段としても役に立っています。
そんな世界最大級の川であるアマゾン川のスペックは以下の通り。
- 長さ
- 最長で6,992km(計測によっては6512kmや6400kmとも言われる)
- 水域面積
- 7,050,000㎢
- ナイル川の2,870,000㎢やコンゴ川の3,680,000㎢よりも圧倒的に大きい
- 川幅
- 最大で320km
- 1.5kmから320kmまでと地域によって様々
- 水深
- 30m〜100m
- 雨季や乾季などの時期や場所によって異なる
このように、圧倒的なスペックを備え、アマゾン川は南米が誇る世界最大級の川として世界的にも知られているんです。
アマゾン川の気候
アマゾン川の周辺地域は、その南アメリカの熱帯性気候という特徴がら、一年の中で雨季と乾季の時期があります。
そして、一年を通して気温はおよそ21℃から32℃の間と高く、比較的湿度も高い「高温多湿」な気候が続くのが特徴です。
アマゾン川の雨季
雨季は例年、12月から5月の間で、この時期は気温は下がり、大量の雨が続くために特定の地域では洪水が起こることもあります。
雨季に起こる豪雨によって、最大22〜23万㎢に及ぶ地域が洪水に見舞われことがあるんです。
アマゾン川の乾季
一方で、6月から11月の間に起こる乾期の期間中、気温は上昇し、雨季に増えた水が引き、一部の地域では干上がってしまうこともあります。
ただし、アマゾン周辺地域では乾期といっても雨が降らないわけではなく、実際には一年中、雨が降り、雨季と乾季の差は「雨の量が多いか少ないか」という違いになります。
旅行や観光の事前知識にいかが?アマゾン川に関する驚くべき9つの話!
アマゾン川に関しての基本知識をおさらいしたところで、ここからは、アマゾン川に関する9つの驚くべき話を紹介していきたいと思います。
アマゾン川を実際に目で見たいと考えている人も、事前知識として参考にしてください!
アマゾン川はかつて反対方向に流れていた!?
現在でこそアマゾン川は南米大陸の東にある「大西洋に流れる」川として知られていますが、実は大昔、アマゾン川は南米大陸の西にある「太平洋に流れる」川だったそう。
1500万年前頃、南米大陸の西側に沿って陸地が隆起し、強大で巨大なアンデス山脈が形成されたことで、太平洋へ流れるアマゾン川がせき止められ、陸地に囲まれてしまったんだとか。
その後、アマゾン川は約500万年をかけてゆっくりと大西洋方向へ拡大していき、再び大西洋という海への出口を見つけて、現在のアマゾン川の流れになりました。
そのため、大昔のアマゾン川は、現在とは「反対方向に流れていた」川だったんです!
アマゾン川は世界にある真水を供給する川全体の20%を担っている!
今日のアマゾン川は世界最大の流量を誇る川とされ、その量はなんと一秒間に175,000トン、年間に直せば5.5兆トンという途方も無い数字になるほど。
そしてこれは、全世界の河川流量のおよそ20%弱にもなります。
言い方を変えれば、アマゾン川は直接海に降り注ぐ雨を除いて、世界の淡水の5分の1程度を大西洋を通して地球へ供給しているということになるんです。
また、その供給量は、アマゾン川の次に大きな7つの川を合わせた供給量よりも多いと言われます。
ちなみに、アマゾン川から大西洋に注ぐ河口において、アマゾン川の淡水は海水の塩分濃度を非常に薄くし、アマゾン川と大西洋の水の違いは、250㎢以上の領域に渡って確認することが出来るとされます。
アマゾン川に架かる橋はない!
その川幅は1.5kmから320kmにもなり、また平均的な深さも40m、加えて人類が踏み込んだことがない地域が多く残るアマゾン熱帯雨林に囲まれたアマゾン川には、橋が一つも掛かっていません。
そのため、周辺地域住民の交通手段としては船やボートが非常に重要で、これらの移動手段が確保出来ない場合は川を横断することが出来ないんです。
ただし、2010年、アマゾン川の本流ではないものの、アマゾン観光の中心地であるマナウス市を流れるアマゾン川の支流の一つ「ネグロ川」に橋が建設されました。
これは、1100以上の支流があり、世界で最も複雑で広範囲に及ぶ川であるアマゾン川水系全体で、初めて建設された橋だと言われます。
アマゾン川の地下には別の巨大な川が存在する!?
世界最大級に大きなアマゾン川だけでもお腹いっぱいですが、実は少し前、アマゾン川がある地域の地下およそ4kmのところに、全長6000kmにもなる巨大な川が発見されたんです。
この地下水流はハムザ川と呼ばれており、その幅はアマゾン川よりも圧倒的に広い200kmから400kmにもなるほど。
このハムザ川はペルーから始まり、アマゾン川の河口付近に向けて流れているといった点ではアマゾン川に似ているものの、その水の流れは非常におそく、一年で10mから最大で100m程度しか進まないんだそう。
とにかく、アマゾン川の下にもう一つの巨大な川があるなんていうのは超びっくりです!
アマゾン川とアフリカサハラ砂漠との驚きの関係
アマゾン川とアフリカのサハラ砂漠と言えば、世界最大の川と世界最大の暑い砂漠という「世界最大」以外に共通項はありません。
アマゾン川は南アフリカ大陸に、そしてサハラ砂漠はアフリカ大陸にあり、両者は大西洋を挟んでおよそ5500kmも離れています。
しかし実は、アマゾン川とその周辺のアマゾン熱帯雨林の生態系にとって、遠く離れたサハラ砂漠が重要だってことを知っていましたか?
毎年、サハラ砂漠の砂が風で飛ばされると、その砂の一部が風に乗って、遠く離れたアマゾンにまでたどり着き、その砂に含まれるミネラルが、アマゾン川と熱帯雨林の貴重なミネラル源の一部になるらしいんです。
実際、このことを確かめるため、過去にはNASAの人工衛星を利用して、サハラ砂漠の砂が大西洋を渡ってアマゾンの熱帯雨林に到達する様子が追跡されました。
アマゾン川と熱帯雨林には地球の約30%の動植物が生息している
アマゾン川流域と熱帯雨林は、多様な生物達が生息する地域としても知られていて、実は世界中の全生物のおよそ1/3が生息しているといわれるんです。
アマゾン川とその周辺の熱帯雨林には、
- 4万種以上の植物
- 2千種の魚
- 400種以上の哺乳類
- 200種以上の鳥類
- 1000種以上の両生類
- 450種以上の爬虫類
- 250万種以上の昆虫類
などが生息しているとされ、毎年のように新種が発見されることで、この数字も増えています。
アマゾン川にはピンク色のイルカがいる!?
アマゾン川とその周辺の熱帯雨林は、数えきれないほどの固有の生物たちで溢れる、まさに「生物のるつぼ」的な場所です。
そして、そんなアマゾン川だからこそ、他の地域ではお目にかかれない珍しい固有の動物を見ることが出来るんです。
その中の一つが、アマゾンカワイルカ、別名「ピンクイルカ」と呼ばれる川に住むイルカ。
その名前の通り、ピンク色をした個体を中心に、暗い茶色やクリーム色の体色を持っているのが特徴で、アマゾン川に生息するカニや小魚などを食べて暮らしています。
このピンクいるかがなぜ「ピンク色」の体色を持つかというと、年齢が上がるにつれてだんだん色が褪せていき、皮膚の下を流れる血管の色が透けて見えるようになるからなんだとか。
生まれたばかりの個体は黒色で、年取っていくにつれてだんだんと名前にふさわしい体の色をまとっていくんです。
ちなみに、このアマゾン川にはコビトイルカという世界最小のイルカも生息しています。
アマゾン川最恐の危険生物「クロカイマン」
多様な生物が生息するアマゾン川とその周辺地域には、もちろん危険な生物も生息しています。
「アマゾン川の恐ろしい生き物」といえば、ほとんどの人が、「ピラニア」と「オオアナコンダ」を思い浮かべるでしょう。
確かに、この2つはどちらとも危険な生き物と言えばそうですが、これから紹介する生き物に比べたら遥かに危険度が低いと言えるかもしれません。
そのアマゾン川最恐の危険生物の一つとして紹介したいのが「クロカイマン」と呼ばれるワニ。
最大全長が5m弱にもなる大型の肉食動物で、アマゾン川に住む魚や貝だけでなく、時には大型の哺乳類も捕食して食べる、アマゾン川最大の捕食動物です。
ただし、クロカイマンは恐るべき危険生物である一方、脅したりしなければ人間を襲うことは滅多にないと言われ、むしろ、人間との遭遇においてはクロカイマンの方が脅威を感じているかもしれません。
というのも、クロカイマンの皮は非常に価値が高く、過去に商売目的で乱獲された結果、数を減らしてしまっているからです。
そのため、過去には6mを超える個体がいたものの、現在ではそこまで大きな個体はほとんど見かけられなくなってしまっています。
アマゾン川に住むサメ!?
サメと言えば海に住む捕食者として恐れられる魚ですが、そんなサメが淡水のアマゾン川にいたとしたら?
実は、オオメジロザメという基本的には海で生活しているサメも、アマゾン川には暮らしているんです。
オオメジロザメは非常に適応能力の高いサメで、様々な塩分濃度に適応して生活出来、淡水域に進出することも可能。
結果的に、海から数千キロ離れたアマゾン川の上流域で発見されたこともあるなど、淡水のアマゾン川にも生息する個体がいるようなんです。
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アマゾン川の豆知識!危険生物や熱帯雨林など旅行や観光の事前知識として!のまとめ
南米大陸が誇る大自然の神秘アマゾン川について、知っておくと良さそうな豆知識を紹介してきました。
アマゾン川への旅行や観光を考えているなら、ちょっとした知識として参考にしてみてください。
ちなみに、アマゾン川のクルーズなどを利用すれば、滅多にいくことの出来ないアマゾン川を自らの目で確かめ、運がよければピンクイルカなども見れるかもしれませんよ!