アメリカの文化や習慣に関する11の特徴を紹介していきます。宗教やマナーなど、アメリカでの生活を考えているなら欠かせない知識を抑えておきましょう。
アメリカ大陸に元々住んでいた先住民に加え、他国からの移民によって形成されてきた「移民の歴史」を持つのがアメリカ。
結果、アメリカは世界で最も文化の多様性に富んだ国の1つとなりました。
1600年代初頭にアメリカへ入植してきたイギリス人を始め、ネイティブアメリカン、ラテンアメリカン、アフリカ系移民、アジア系移民など、とにかく多くの異なる文化的背景を持つ人々が交わることで、「アメリカの文化」や「アメリカの習慣」と呼べるものが形成されてきたのです。
そんなアメリカの文化や習慣とはどのようなものなのでしょうか?
宗教やマナーなど、アメリカで生活するなら絶対に知っておきたい、アメリカ文化や習慣に関する特徴的な11のポイントを紹介していこうと思います。
- アメリカの文化や習慣1:公式な公用語がないアメリカ
- アメリカの文化や習慣2:多くはキリスト教徒
- アメリカの文化や習慣3:多様性こそアメリカ!
- アメリカの文化や習慣4:アメリカ的な食事や習慣って!?
- アメリカの文化や習慣5:大きいのが好き?
- アメリカの文化や習慣6:スポーツ好き!
- アメリカの文化や習慣7:独立心や自立心が高い!
- アメリカの文化や習慣8:競争心と野心を持ってる人が多い
- アメリカの文化や習慣9:ちょっとした世間話は当たり前!
- アメリカの文化や習慣10:主張をする!
- アメリカの文化や習慣11:アメリカの芸術文化?
- 合わせて読みたい世界雑学記事
- アメリカの文化や習慣11の特徴|宗教やマナーなど生活で大切な知識のまとめ
アメリカの文化や習慣1:公式な公用語がないアメリカ
実はあまり知られていないポイントとして、アメリカには「法で定められた公式の公用語が無い」ことを知っていましたか?
アメリカでは人口の80%以上が英語を第一言語として使用し、第二言語として習得している人まで含めればその割合は90%を超え、また、ビジネスや公的機関における使用言語のほとんどは英語であるため、英語が「事実上の公用語」とはなっていますが、法で定められているわけではないのです。
ただし、州によっては、公用語または推奨言語を設定しているところもあり、例えばハワイ州では「ハワイ語」と「英語」が公用語となっています。
ちなみに、アメリカでは英語以外に300種類以上の言語が使用されていると言いますが、その言語を大別すると以下の通り。
- スペイン語
- その他のインド・ヨーロッパ語
- ドイツ語、イディッシュ語、スウェーデン語、フランス語、イタリア語、ロシア語、ポーランド語、ヒンディー語、パンジャブ語、ギリシャ語、その他
- アジア太平洋諸島語
- 中国語、韓国語、日本語、タイ語、タミル語、その他
- その他全ての言語
- 上記3つに当てはまらないもの(ハンガリー語、アラビア語、ヘブライ語、アフリカの諸言語、そしてアメリカ北部・中央部・南部に住むアメリカ先住民の言語 など)
そして、アメリカで話されている英語以外の主要言語5つとその割合を挙げると次のようになります。
- スペイン語
- 約13%
- 中国語(北京語・広東語)
- 約1%
- タガログ語
- 0.5%
- ベトナム語
- 0.4%
- アラブ語
- 0.3%
アメリカの文化や習慣2:多くはキリスト教徒
アメリカでは国教の制定を禁じている上、「宗教の自由」が認められているため、アメリカ市民がどのような信仰を持っていようがそれは権利として尊重されます。
そんなアメリカは一方で、人口の大多数がいずれかのキリスト教宗派に属し、中でも多いのがプロテスタント系。
これは、アメリカへヨーロッパから入植してきた初期のグループに、イギリス国教からの宗教的弾圧を逃れてきた、プロテスタント系のピューリタン(清教徒)達が多く含まれていたことが影響しているでしょう。
およそ46.5%の人々がプロテスタント系のキリスト教徒となっており、その他の宗教も合わせた割合はそれぞれ以下のようになっています。
- キリスト教:70.6%
- プロテスタント系:46.5%
- カトリック:20.8%
- その他のキリスト教宗派:3.3%
- ユダヤ教:1.9%
- ヒンドゥー教:1.2%
- イスラム教:0.9%
- 仏教:0.9%
- その他の信仰:1.8%
- 無宗教/無信仰:22.8%
- 回答なし:0.6%
アメリカの文化や習慣3:多様性こそアメリカ!
アメリカは様々な文化や背景を持つ人々で構成されている人種のるつぼ。
そのため、幅広い信仰、価値観、伝統が存在し、そこには「典型的なアメリカ人」と言えるような人は存在しないことが分かります。
さらに、同じ民族的なバックグラウンドを有していたとしても、その習慣や伝統は地域または家庭ごとに異なってくるのがアメリカ。
そして、同じ「こと」であっても、地域にとってやり方は異なってきます。
とにかく、多文化であり、異なる習慣や伝統が入り混じっているのがアメリカをアメリカ足らしめる特徴なんです!
違いを尊重して気をつけながら接する
ちなみに、異なる文化や人種または民族背景を持った人が多く暮らすアメリカで生活するにあたって、多くのアメリカ人は、人々の違いや文化を尊重する行動をマナーとしてとらえ、また習慣的に行っています。
例えば、日本では相手に対して「年齢を聞く」ことが当たり前のように行われていますが、アメリカではこれは失礼に当たるので、相手がそのトピックについて話を持ち出したり、自然とその話になるまで直接質問するのは避けるべき。
同僚といっても年齢、性別、人種は異なり、その違いによってそれぞれ同じ言葉でも受け取られ方が異なります。
そのため、不快に受け止められかねない言葉や表現は避けることが基本であり、マナーとなっているのです。
アメリカの文化や習慣4:アメリカ的な食事や習慣って!?
世界各地から移民がやってくるアメリカでは、世界中の料理や、それぞれを上手く掛け合わせたような料理を食べることが出来ますが、その歴史初期のアメリカの食文化は、主にこの地へ始めに入植してきたヨーロッパ人と、アメリカ先住民の影響を受けてきました。
一方で、今日では一般に「ザ・アメリカンフード」と認識されるような料理も多く存在しています。
例えば、
- ハンバーガー
- ホットドッグ
- ポテトチップス
- マカロニチーズ
- ミートローフ
などで、正真正銘のアメリカ的な料理という意味で、「As American as apple pie(アップルパイのようにアメリカ的)」という言葉を用いて表現されることさえあります。
また、およそ日本の26倍の国土を持つアメリカには、その地域独特の料理が存在したり、同じ料理だったとしてもその調理方法や食べ方が異なる場合も多々あります。
もはや習慣!?移動しながら食事をする「テイクアウト」のコンセプト
多くのアメリカ人、特に大都市圏に住む人たちは多忙な生活を送っています。
出勤と帰宅、子どもたちの送迎、アポからアポへの移動、ビジネスミーティングや社交イベント、さらに他の用事もこなすなど、いつもかけまわっています。
このように、アメリカ国民の多くは常に移動する生活を送っているため、食卓にて食事をする時間は限られているのです(座ってゆっくり摂る食事の優先度を意識的に低くしている人も多い)。
そこで、アメリカ人の食文化であり、また、彼らのライフスタイルを支える上で大切な習慣が「テイクアウト」。
アメリカでは、コーヒーなどの飲み物、テイクアウトの食べ物の容器を手に歩く人々を、多く見かけることになります。
ニューヨークなどの街角で、ピザを口にする人や、銀行で順番を待ちながらカプチーノを口に運ぶ人を見かけるなんていうのは日常茶飯事。
また、テイクアウトのために国内のファストフード店では至るところにドライブスルーの窓口があります。
各国の文化を学べる外食
アメリカ文化の多様性は、食の選択肢の広さにも反映されています。
そのため、新たな料理やメニューへ挑戦し、新しい食文化に触れられるのが、アメリカで外食をする上での楽しみの一つ。
小さな街でもピザ、中華料理、日本料理またはメキシコ料理店が見つけられ、大都市であれば、よりマイナーな、エチオピア料理やアフガニスタン料理などの専門店さえも見つけられます。
このような環境にあるためか、アメリカ人の中には外食を頻繁にする人も結構います。
アメリカの文化や習慣5:大きいのが好き?
日本では実用的かつコンパクトな物が求められる傾向にある反面、アメリカでは規模が大きく、豪華な物が好まれる傾向にあり、これがまた、ある意味でアメリカの文化や習慣を表していると言えるでしょう。
例えば、駐車場に巨大なトラックや大きなSUV車が並んでいることに驚きますが、これは稀なことではありません。
それぞれが広々としたスペースを好むアメリカ人にとっては、「大きな物 ≒ 正義」的な感じなのかもしれません。
この考え方はまた、アメリカの食文化にも反映されています。
レストランのほとんどは大盛りサイズで料理を提供するため、注文した料理の残りを持ち帰ることも一般的なんです(アメリカのマックにはスーパーラージなる超巨大サイズのソフトドリンクの入れ物が存在する!)。
ちなみに、アメリカに滞在していた2000年頃に実際に経験した話を一つ紹介。
当時、日本では、コンパクトで持ち運びが便利なMD(ミニディスク)が一般的で、そこら中に売っていましたが、アメリカでは未だにCDが一般的で、MDをなかなか見つけることが出来ません。
そこで、アメリカ人の友人に訪ねた結果、次のような答えが返ってきました・・・。
Why aren’t they selling a MD player in the US? Isn’t it that popular here?
(なんでアメリカではMD売ってないの?そんな人気ないんか?)
Well, they rarely sell it and it’s not so popular here. I would be anxious about MDs because they are too small so I would lose them!
(まあ、ここではそんな売ってないねんで。MD小さすぎるから無くしそうで心配だわ〜!)
… right…
(あそう・・・。)
デカさこそ正義です!
アメリカの文化や習慣6:スポーツ好き!
人によっては必ずしもそうでないとしても、基本的にアメリカ人の多くはスポーツ好き。
自分でプレーしないとしても観戦するのは大好きなことが良くあります。
- アメリカンフットボール
- 野球
- バスケットボール
の3つは、アメリカを代表する大人気スポーツで、それぞれのスポーツシーズンが始まると、クラスメートや会社の同僚達の間で議論が白熱し始めるのに気づくでしょう。
最近では、1800年代半ばからアメリカの国民的スポーツになった野球を、アメフトの人気が凌いでいます。
実際に、2017年のスーパーボウル(アメリカ合衆国のプロアメリカンフットボールリーグ、NFLの優勝決定戦。 アメリカンフットボールの最高の大会であり、アメリカ最大のスポーツイベント)は1億人以上の国民が観戦したらしいです。
アメリカの文化や習慣7:独立心や自立心が高い!
アメリカでは幼少の頃から、「自立心」と「独立心」が尊重され、また、この二つを養うように促されていきます。
例えば、多くの子どもや10代の青少年達は、サマーキャンプや旅行で長期にわたり家を離れます。
そして、高校を卒業すると子どもたちの多くは、故郷から離れた短大や大学に進学することを選び、学生は一般的に2年間から4年間、在学しながら一人暮らしまたはほかの学生との寮生活を送ります。
そのため、ほとんどのアメリカ人は、17年または18年間過ごした後に家を出ていき、自ら学費をまかなったり、炊事洗濯を行い、自分自身で人生を切り開いていこうとするのです。
そして、キャリアにおいても同じような感じで、一つの会社に依存して生きるのではなく、転職を繰り返しながら特定の分野の専門家になったり、人によっては小さくても自ら起業する道を選ぶことが少なくありません。
アメリカの文化や習慣8:競争心と野心を持ってる人が多い
アメリカの文化では、幼い頃から習慣的に、ことあるごとに競争心を育むように教育されている気がします。
アメリカの子供達は、学業面、スポーツ、そして趣味の分野においても努力を重ね、成功するために精一杯課題に挑むことを教えられます。
例えば、ガールスカウトの子どもたちが活動基金を募るためのクッキー販売をする際、同時に、上位の成績を出して賞の獲得を競い合うゲームをするなどは、競争心を煽る習慣の良い例でしょう。
この結果、何かを達成するにあたって、自ら率先して競争に勝つために立ち向かっていく野心的な性格が形成されるんだと思います。
アメリカの文化や習慣9:ちょっとした世間話は当たり前!
アメリカで生活を始めると、知らない人の隣でバスを待ったり、知らない人と同じエレベーターに乗るなんていうことは日常茶飯事です。
その際、初対面であっても、「今日の天気最高だよね?ところで、昨日のスーパーボウル観た?まじヤバかったよね?」なんて声を掛けられることが当たり前にあることに気づくでしょう。
そう、アメリカ文化では、ちょっとでも待ち時間があったりすると、近くにいる人と世間話を始めるなんていうことが習慣的に行われているんです。
ただし、その際にもしも不快に感じるような人がいたら、注意する必要がある点は覚えておきましょう。
アメリカの文化や習慣10:主張をする!
アメリカ文化またはアメリカ人の特徴として、「主張をする」というのを耳にしたことは多いはず。
これは、多くのアメリカ人に共通していて、そして大切にされているアメリカの慣習だと言えるかもしれません。
一般的に、アメリカ人はそれぞれ自分の考えや意見を述べ、しっかりと相手に気持ちや望みを伝えることで知られています。
これは、例えば職場であってもそうで、周りを恐れずにそれぞれ意見を交わしていることは良くある光景です。
また、相手が上司であっても同じ。
もちろん上司は上司であり、常に敬意を持って接する必要がありますが、疑問がある場合はためらいなく質問したり、意見の相違があれば自分の意見をしっかりと主張したりします。
実際に、仕事の面接などにおいても、進んで的確な質問をする人は雇用側に好まれる傾向にあると言えるでしょう。
アメリカでは、まずはしっかりと主張することが求められるのです。
アメリカの文化や習慣11:アメリカの芸術文化?
アメリカには、ヨーロッパで見られるようなルネッサンス時代の絵画や彫刻といった芸術はないかもしれません。
しかし、1950年代初旬にテレビ放送がアメリカに根付き、それ以降、この分野が大きく発達したことで、現在は誰でも知る映画業界「ハリウッド」が出来、世界中へ大きな影響を与えています。
実際、アメリカは世界のメディア・娯楽業界の3分の1を占めていると言われるほどです。
また、ニューヨークにはブロードウェイがあり、演劇も盛んなのに加えて、ポップミュージックシーンに関しても、世界中でアメリカの曲が大人気です。
さらに、ニューヨークは現代アートを目指す人にとっては最先端の場所であり、また、世界のファッションシーンにおいても、パリとミラノと一緒に三大ファッション都市と言われるほど。
ヨーロッパ人の入植が始まって以降、まだ数百年の歴史しかないアメリカは、ヨーロッパのような昔からの芸術文化はないかもしれませんが、「現代」の作品に関しては、それぞれ発展している国なんです。
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アメリカの文化や習慣11の特徴|宗教やマナーなど生活で大切な知識のまとめ
アメリカの文化や習慣に関する11の特徴を紹介してきました。
アメリカへ留学するまたは移住するなど、長期で生活するのであれば、紹介したポイントを抑えておくと良いかと思います!