イギリスの動物一覧|チョウシャクシギからハイランドキャトルまで

イギリスの動物を見ていきましょう。チョウシャクシギからハイランドキャトルまで、合計12種類の動物を簡単な解説と共に紹介していきます。

北大西洋に浮かぶグレートブリテン島と、アイルランド島の北部を占めるイギリスは、大陸のヨーロッパ諸国とはドーバー海峡によって隔てられています。

しかし、それでもイギリスには他のヨーロッパ諸国でも見られる動物が多く確認出来ます。

また、イギリス独特な動物も見つけることが出来ます。

この記事では、イギリスに生息している動物の中から代表的なもの12種類を、一覧にして紹介していこうと思います。

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イギリスに生息する動物1:チョウシャクシギ

チドリ目シギ科に属するシャクシギには9つの種が含まれますが、その中でもチョウシャクシギは、主にイギリスを含めたユーラシア大陸から北アメリカの寒帯から亜寒帯にかけて繁殖し、寒い冬の時期には中東、インド、オーストラリア、南米など、より暖かいところへ移動して過ごす渡り鳥。

湿地など水辺の地表を歩き回って採食する生態を持つ鳥を総称する「渉禽類(しょうきんるい)」に含まれ、ヨーロッパで見つかる渉禽類としては最大になります。

下に曲がった長いくちばしが特徴で、他の渉禽類と同じように、主に、ミミズや芋虫などのワーム類、エビ、貝などを食べて生活します。

イギリスに生息する動2:ヨーロッパ・マツテン

イタチ科テン属に属するマツテンは、ロシアの西側からヨーロッパ大陸にかけて広く分布する動物で、その中のヨーロッパ・マツテンという亜種は、イギリスでは主に北部のスコットランに生息しています。

50cm前後の体長と1.2~1.4kg程度の体重を有し、小型の動物から果物、さらには蜂蜜まで、基本的にはなんでも食べる雑種生の動物です。

また、森林地帯に生息し、夜行性なため、日中に遭遇することはあまりありません。

その毛皮を目当てに狩猟され続けた結果、野生での個体数は減ってしまったことから、現在イギリスでは保護の対象となっています。

イギリスに生息する動物3:コキンメフクロウ

コキンメフクロウは、ヨーロッパ、北アフリカ、そして中国にまで分布するフクロウの仲間。

元々はイギリスに生息していなかったものの、19世紀頃に持ち込まれた結果、イギリスに生息する動物として比較的よく知られるまでになりました。

基本的には夜行性なため、日中は木の枝や岩に止まって休息している姿が確認され、主に、甲虫、芋虫などのワーム類、他の小さな鳥、小さな哺乳類などを餌にして暮らし、通常は木や岩などの穴で暮らします。

一方で、現在、コキンメフクロウの数はイギリス国内において大きく減少しているとされ、国内から姿を消してしまわないか懸念されています。

イギリスに生息する動物4:キタリス

西ヨーロッパからロシア、そして遠くは東アジアまで、広く分布するキタリスは、イギリスにも古くから生息している動物で、人目を引く赤い毛皮が特徴的なリスの仲間。

25cm前後の体長と、350g程度の体を持つこの小さな小動物は、房状になった毛が伸びる耳や、ぴくぴくと動くしっぽなどが特徴。

また、英語名では「Red squirrel(赤いリス)」となることが示すように、基本的に赤い毛を持つ個体が多い点も挙げられます。

ただし、全ての個体が赤いわけではなく、個体によっては毛が灰色をしていることがあり、例えば北海道に生息するエゾリスはキタリスの亜種とされますが、その毛色はより灰色に近くなっています。

そして、キタリスは生まれつき雑食性であり、様々な物を食べます。

例えば、植物の種、昆虫、キノコなどの菌類、果物、鳥の卵などです。

イギリスに生息する動物5:オークニーハタネズミ

オークニーハタネズミは、その名前が示しているように、イギリスのオークニー諸島(イギリス北部の多くの島が広がる地域)に生息している動物。

イギリスに古くから住み着いていた品種として知られており、オークニー諸島にはおよそ5000年前から住んでいたと言われています。

その地にいる多くの捕食者から逃れながらこの地で繁殖し、世代を重ねてきました。

体重が軽いため、空からの捕食者達に狙われやすい傾向にあり、また、最長で2年程度しか生きないといった短命な特徴を有します。

さらに、オークニーハタネズミの食べ物は、葉っぱや木の根、植物の茎など、窒素を多く含んだ物である場合が多い傾向にあります。

イギリスに生息する動物6:スコティッシュ・ワイルドキャット

スコティッシュ・ワイルドキャットまたはスコットランド・ヤマネコは、ネコ科ネコ属に分類され、家畜化されたイエネコの近縁となるヨーロッパヤマネコの亜種。

大きなオスの個体では、最大で体長65cm程度、体重7.5kg程度になるスコティッシュ・ワイルドキャットは、イギリスに現存する野生動物としては最大の捕食者とされます。

基本的に単独行動をする動物であり、繁殖期の間だけ他の個体と共に過ごし、また、大胆不敵であって知性が高く、強い力を持っているため、大型の肉食獣がいないイギリスでは、強力な捕食者となっているのです。

主に、ウサギやハタネズミなどを捕食します。

一方で、人間やその他の猫がイギリスに移住して来るよりはるか昔から、この地に生息していたとされるスコティッシュ・ワイルドキャットは、近年大きく個体数を減らしており、絶滅の危機が叫ばれています。

イギリスに生息する動物7:ハイイロアザラシ

北大西洋の東西両側に生息するハイイロアザラシは、イギリスの海岸沿いで子育てを行うことで知られる動物で、イギリスに生育する哺乳類の中では、最も大きな動物としても有名。

生まれた時は14kgほどの重さしかありませんが、成長するとオスでは3m前後の体重、そして300kg前後の体重に達することがあります。

海岸の岩石地帯や比較的水流が穏やかな海域で暮らし、濁った水の中で生活しても、大きな目を使うことで水中でも獲物を見分けることが出来、さらに、発達した聴覚によって、素早く獲物を探知する能力も持つ、優れた水中のハンターです。

ちなみに、ハイイロアザラシはまた、生まれた時から母親と子供が強い絆を育んでいく点でも知られ、母親は自分の子供を匂いと鳴き声によって識別できると考えられています。

イギリスに生息する動物8:ヨーロッパトガリネズミ

ヨーロッパトガリネズミは、名前に「ネズミ」とあるため、ネズミの仲間のように思えるかもしれませんが、げっ歯類ではなく、実はモグラやハリネズミなどに近い動物。

英語では「common shrew」と書きますが、この「common(普及している)」が示すように、イギリス国内では最も広く分布している動物の1つです。

その体色は大きく3つの色に分かれていて、背中は暗い茶色、横はわずかな薄茶色、腹は白っぽくなっているのが特徴。

基本的に、トガリネズミは日中も夜間も活動的ですが、夜の間は特に活発に活動し、そして主に落ち葉の下で過ごす時間が長いため、簡単には見つける事ができません。

また、孤立して過ごすことが多く、自身の縄張りを厳しく守る事でも知られ、主に昆虫を捕食します。

イギリスに生息する動物9:モリアカネズミ

スカンジナビア半島を除くヨーロッパに広く分布しているモリアカネズミは、茶色の毛皮や突き出た大きな目、また長い尻尾が特徴的な、9cmの体長と20g前後の体重を有する、小さくて可愛らしい野ネズミ。

イギリスを含めたヨーロッパ原産の動物で、主に、植物の種や果実を餌にして暮らしています。

また、その小さい体からキツネやイタチ、猫などによって捕食されてしまう恐れがあるため、地下に掘った穴などで生活し、夜行性として知られます。

イギリスに生息する動物10:ナミハリネズミ

主に西ヨーロッパの森林地帯や郊外地域を中心に分布するナミハリネズミは、イギリスで確認出来る唯一のトゲを体に纏った動物です。

嗅覚や聴覚が優れており、その点においては完璧と言えるほどの能力を持っている一方で、代わりに視力が弱い点が特徴。

冬の間は冬眠し、夏になると活発に動き出し、雑食性であるため、芋虫などのワーム類、昆虫、ナメクジ、カエルなどを食べて生活しています。

ただし、その雑食性によって、地面に巣を作る鳥の卵を食べてしまうため、スコットランドの一部などでは害獣と見なされています。

イギリスに生息する動物11:ナガスクジラ

ナガスクジラは、極地などを除く世界の主要な海すべてに生息するクジラであり、シロナガスクジラに次いで、世界で2番目に大きいクジラ。

全長は25m超になり、また体重は大きい個体で80トン近くにもなります。

一方で、熱帯の海域ではほとんど姿が見られないため、世界の主要な海にいると言っても実際には南半球の個体群と、北太平洋、北大西洋の個体群とに隔絶されており、イギリスの沿岸で確認出来る個体は、北大西洋に生息する個体と考えられます。

イギリスでは沿岸にやってきたナガスクジラが、波によって海岸へ打ち上げられてしまった事故もたまに報告されます。

イギリスに生息する動物12:スコティッシュ・ハイランド・キャトル

この記事の中で紹介してきた他の動物とは異なり、家畜化された動物でありながら、イギリスに生息するする動物として有名なのが、スコットランド北部のハイランド地方で見ることが出来る畜牛のハイランド・キャトル(スコティッシュ・ハイランド・キャトル)。

ハイランド・カウやハイランド種としても知られ、ぬいぐるみのような深い体毛を身にまとい、成獣は顔面を覆うように長く伸びた毛と、大きく横に伸びたツノを有します。

また、主に茶色の毛色を持った個体が多いですが、中には白や黒といった毛色のものもいます。

その長い体毛は二重構造になっており、スコットランドの寒さでも暮らしていける特質を獲得した結果、特徴的な外見を有し、そしてイギリスで見ることが出来る動物として有名になりました。

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イギリスの動物一覧|チョウシャクシギからハイランドキャトルまでのまとめ

イギリスの動物を一覧としてまとめ、12種類を紹介してきました。

イギリスに訪れることがあるなら、ちょっとした知識として抑えておくと良いかもしれません。

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