フィッシュアンドチップスに関して、基本的な情報からとても面白い驚愕の事実までを紹介していきます。イギリスを代表する有名な食べ物に関する雑学知識を増やしていきましょう。
イギリスの有名な食べ物と言ってもなかなか名前が浮かばないなかで、フィッシュアンドチップスは唯一多くの人が知っているかもしれない、イギリスを代表する有名な料理。
イギリスやオーストラリアへ旅行または留学で訪れたことがある人は、実際に目で見たり食べたりしたことがあるかもしれません。
そのフィッシュアンドチップス、実は思っている以上に美味しくて健康的、さらに興味深い歴史や特徴を持った食べ物なんです。
フィッシュアンドチップスの基本情報から面白い事実までを紹介していきます。
フィッシュ・アンド・チップスとは?
フィッシュアンドチップスは、押しも押されぬイギリスの国民的料理の一つで、イギリスの文化そして食べ物のシンボル的存在として有名。
また、イギリスとその植民地であった主権国家から成る、緩やかな国家連合「イギリス連邦」の国の中には、イギリスと同じようにフィッシュアンドチップスがよく食べられる国、例えばオーストラリアやニュージーランドといった国を見つけることが出来ます。
このフィッシュアンドチップスとは、白身魚(主にタラを使う)の身をフライで揚げたものへ、厚めのフライドポテトが添えられた食べ物で、好みに合わせて塩や、その他のソースで軽く味付けして食べます。
いわゆるファストフードの一つで、お店で食べるのはもちろん、手軽にテイクアウト出来る食べ物として、絶大な人気を博し続けているんです。
ちなみに、フィッシュアンドチップスの起源は19世紀中頃。
イギリスへ多くの変化をもたらした産業革命と密接な関係があるとされ、その中でイギリス人の食べ物や味覚にも変化が起こった結果、このフィッシュアンドチップスが根付いたと考えられています。
その後、「フィッシュアンドチップスのごとくイギリス風(As British as Fish and Chips)」と表現されるように、フィッシュアンドチップスは、世界中で瞬く間に「イギリスのもの」として有名になり、100年以上経った現在までずっと、イギリスの有名な食べ物として食べられています。
フィッシュアンドチップスの発祥地は?
フィッシュアンドチップスが完成された料理として初めて食卓に出されたのは、1860年頃のこと。
ロンドンのマリン家(Malin Family)と、マンチェスタ近郊モスリーのリー家(Lee Family)が、それぞれ自分たちが一番最初にフィッシュアンドチップスを完成させたのだと主張しあっています。
一方で、イギリスでは、フライドフィッシュとじゃがいも料理の販売が、これより何年も前から行われていたのも事実。
フライドフィッシュが初めてロンドンで紹介されたのは、ポルトガルやスペインから来たユダヤ移民によってで、それはおそらく17世紀にまで遡るとされます。
また他にも、アメリカ大統領のトーマス・ジェファーソンは、18世紀終わりに首都ロンドンを訪れた際、「ユダヤ風フライドフィッシュ」を食べたことについて触れていたし、イギリスの小説家チャールズ・ディケンズも「オリバー・ツイスト」の中で、フライドフィッシュ卸売業者について言及しています。
そのため、「フィッシュアンドチップに良く似た食べ物」は、19世紀中頃以前にはすでに作られていたわけで、中には現在のフィッシュアンドチップに非常に近しい形で提供されていたものもあったと考えられ、実際には上に挙げた両家よりも早く、フィッシュアンドチップスを作っていた人たちがいるかもしれません。
フィッシュアンドチップスは意外に万能な食べ物
ちなみに、フィッシュアンドチップスに限らず、イギリスの食べ物は不味いというイメージがあるかと思いますが、フィッシュアンドチップスはシンプルで想像以上に旨い上に、栄養面でも万能食と言えるかもしれません。
まず、一人前のフィッシュアンドチップス(343.2g)のカロリーは529kcalで、
- タンパク質:18.33g
- 脂質:28.62g
- 炭水化物:45.71g
と、三大栄養素が比較的バランスよく含まれます。
さらに、タラにはビタミンCやビタミンB6、B12、他にも健康に良いオメガ3脂肪酸、鉄分、亜鉛、カルシウムなど、新陳代謝や各器官の機能維持や改善に役立つ微量栄養素も多く含みます。
また、魚と一緒に添えられたポテトには、食物繊維に加えてカリウムやビタミンCが含まれています。
このようなことから、実はフィッシュアンドチップスはそれ自体でかなり栄養価が高くて万能な食事になります。
ただし、脂質が比較的多めではあるので、ダイエット中の人などは控えめにした方がいいかもしれませんが。
イギリスの有名な食べ物フィッシュアンドチップスに関する驚愕の事実
イギリスを代表する有名な食べ物フィッシュアンドチップスの基本情報を見てきましたが、フィッシュアンドチップスにまつわることとして、非常に興味深いいつくもの話が存在します。
そこでここからは、世界の雑学ネタとしておすすめな、フィッシュアンドチップスに関して知っておきたい9の話を、それぞれ簡潔に紹介していきます。
イギリス国内に専門店が10500店舗以上ある!
さすがイギリスの有名な食べ物No.1だけあって、イギリス国内には現在、およそ1万500店舗以上の「フィッシュアンドチップス専門店」があるとされるとか。
この数字は、他のファストフードの出店数を劇的に上回るもので、例えばイギリス国内のマクドナルドは1200店舗、ケンタッキーフライドチキンは350店舗程度しかないことを考えると驚愕です。
しかも、上の数字に専門店じゃないけどフィッシュアンドチップスを提供している店を加えたら、どれだけの数になるか予想もつきません。
フィッシュアンドチップスの消費量がやばすぎる!
イギリスの消費者が食べる年間のフィッシュアンドチップスは、なんと3億8200万人分だそう。
これは、イギリスの人口を考えると、男性、女性、子ども関係なく、一人当たり平均して6食も一年を通して食べていることになります。
しかも、このフィッシュアンドチップスに対するイギリス国民全体の年間支出は、およそ12億ポンドにも上り、仮に1ポンド150円だとした場合、日本円に直すとおよそ1800億円分ってことになります。
つまり、フィッシュアンドチップスは、イギリスの国内経済にとって非常に重要な食べ物であるとも言えるんです。
世界最大のフィッシュアンドチップスは54.99kg!
2018年2月9日に、イギリスのバーミンガムにある「Resorts World Birmingham」によって、世界最大のフィッシュアンドチップの記録が塗り替えられることに。
なんと、そのサイズは54.99kg!
使用された調理前のタラは27.83gもあり、そこへ大量のフライドポテトが添えられたことで世界記録が誕生しました。
一人前を350gとした場合、およそ155人分のフィッシュアンドチップスってことになりますね。
ちなみに、バーミンガムの住人がフィッシュアンドチップスを食べる時は、カレーソースを掛けることが良くあります。
地域によって異なるフィッシュアンドチップスの食べ方
上で触れたように、バーミンガムではカレーソースを利用してフィッシュアンドチップスを食べるのと同様に、地域ごとに独特の食べ方をされるもの、フィッシュアンドチップスの特徴。
例として以下の4つの地域の違いを挙げておきます。
- ニューカッスル
- 紙箱に入れて食べるのが大好きで、ケチャップをつける、海辺で食べるといった楽しみ方をする傾向にあるらしい
- マンチェスター
- 柔らかくつぶした豆と、グレーヴィーソースをかける人が多いらしい
- カーディフ
- シンプルに塩をつけて食べる人が最も多く、また、パブからの帰り道に食べるのが大好き
- エディンバラ
- テレビの前のソファーに座り、塩辛いソースをかけて食べることを好むらしい
戦時中に大活躍!
第二次世界大戦中、ウィンストン・チャーチルはフィッシュアンドチップスの重要な役割を認め、「良き友」と呼ぶほど、フィッシュアンドチップスはイギリスにとって大切だったみたい。
フィッシュアンドチップスは国の文化に深く浸透していたため、制限すれば国民の士気を損なう恐れがあるとし、政府による食糧配給の対象とはならない数少ない食糧の一つとされるほど。
また他にも、フィッシュアンドチップスは、ノルマンディー上陸作戦に一役買ったと言われ、具体的には「フィッシュ」「チップス」の合言葉で、イギリス人兵士たちはお互いを識別していたっていう・・・。
フィッシュアンドチップス様様です!
フィッシュアンドチップス専門店には面白い名前のものが多い
昔から、フィッシュアンドチップスの店には面白い店名をつけるという伝統(?)があるのか、とても興味深い名前のお店が多いです。
例えば、「The Cod’s Scallops(タラのホタテ貝)」や、「mobile fish and chip shop StarChip Enterprise(移動式フィッシュアンドチップ・ショップ・スターチップ社)」なんて名前の店。
他にも、1865年にオープンして世界最古のフィッシュアンドチップスのお店と言われる、イギリスのリーズ近郊にあるお店の名前は、ずばり「The Oldest Fish & Chip Shop in the World(世界最古のフィッシュアンドチップスのお店」と、「そのままか!」とツッコミたくなる名前を持っています。
ベルファスト市民がフィッシュアンドチップスNo.1?
北アイルランドの首都ベルファストの住民が、イギリス国内で最もフィッシュアンドチップスが好きな人たちみたい。
もともと、フィッシュアンドチップスの魚であるタラ好きで知られ、その影響なのかフィッシュアンドチップスもよく食べるそう。
住民の50%以上の人たちが、月に最低でも一度はフィッシュアンドチップスを食べると言っていることからも分かります。
417席あります
「フィッシュアンドチップスどれだけ好きなの!?」と聞いてみたくなるお店が、イギリスのボーンマウスにあります。
なんとそのお店は、フィッシュアンドチップスの専門店でありながら、417席もあるっていう!
こんなに多くの席を設けてもお店の経営が成り立っているっていうことは、それだけたくさんのお客さんが来るっていう意味で、その地域のフィッシュアンドチップス愛をひしひしと感じられます。
1日に12,406食売った
グラスゴーにあるMarini’s(マリーニズ)というお店は、1999年になんと1日で12,406食分ものフィッシュアンドチップスを売ったんだとか。
その凄さを数字に表すと、平均して1分で8.5食分のフィッシュアンドチップスを24時間売り続けたって感じ。
その日は近隣住民のほとんどが、フィッシュアンドチップスを食べたに違いありません!
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フィッシュアンドチップス|イギリスの有名な食べ物に関する基礎知識から驚愕の事実まで!のまとめ
イギリスの有名な食べ物として知られるフィッシュアンドチップスは、非常にシンプルでありながら美味しく、さらに深い歴史を抱えた食べ物です。
機会があったら、ぜひ食べてみることをおすすめします!
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