数学者の有名人を一覧として紹介していきます。世界の歴史に多大な貢献をして名前を残してきた、13人について見ていきましょう。
今日、世の中が便利になっている理由は科学の発達が根底にあります。
病気を直すために薬を開発したり、コンピューター技術を進歩させたり、公共機関が遅延なく運行するには、科学は絶対に無くてはならないものになっています。
一方で、その科学を用いるために使われている概念や数式などは、過去何百年、何千年という中で時折現れてきた、偉大なる数学者達によって考案され、提唱され、確立されてきたものなのです。
ある意味、これら数学者が世界の歴史の流れを変えてきたと言っても過言ではないかもしれません。
一方で、それほど多大な貢献をしてきたわりには、多くの数学者はそれほど一般的に認識されていないのが現状です。
そこで、そんな偉大な数学者にスポットライトを当てるためにも、世界の歴史に大きな影響を与えてきた、数学者の有名人達を13人ピックアップして紹介していきたいと思います。
世界の歴史を変えた数学者有名人一覧
世界の数学者有名人1:エウクレイデス(ユークリッド)
古代ギリシアの数学者エウクレイデスは、プトレマイオス朝(古代エジプトの王朝)の紀元前323〜283年に生き、著書『原論(ユークリッドの原論)』は19世紀初めまで、数学の初歩的なテキストとされていました。
エウクレイデスはユークリッド幾何学を提唱し、おそらく現代の数学の創始者とは言えなくても、そこに繋がるほとんどの初歩的な数学は、この偉大な歴史上の数学者から始まったと言えるのです。
そのような理由から、エウクレイデスは「幾何学の父」としても知られています。
またエウクレイデスは、物事を解説する上で主要な方法である、数学的な証明を初めて組み立てた人物の一人でもあります。
世界の数学者有名人2:ブレーズ・パスカル
「人間は考える葦である」という言葉を覚えている人もいるかと思いますが、この名言を最初に言った人こそ、1623年から1662年まで生きたフランスの数学者ブルーズ・パスカル。
数学者としては、パスカルの三角形、パスカルの原理、パスカルの定理を発見したことで知られており、また、当時は哲学者、物理学者、神学者としても有名で、物理学者としては大気圧と真空の概念を明確にした最初の人物です。
加えてパスカルは、初期のルーレット盤、液圧プレス、注射器の開発、初期の確率論と保険数理に貢献し、最初の機械式計算機を作り出すなど、現代人には欠かせない様々なものを発明した発明家としての側面も持っています。
世界の数学者有名人3:アイザック・ニュートン
アイザック・ニュートンは1643年から1727年)に生きた、イギリスの自然哲学者で物理学者、そして天文学者でもありながら数学者として人類の歴史に名を残す有名人。
おそらくニュートンの名前を耳にしたことがない人は、ほとんどいないとも言えるでしょう。
ニュートンは初期の物理学、科学的手法、万有引力の法則、そして数学に関して言えば、中学や高校で勉強する「微分積分」を発展させた人。
また、望遠鏡のテクノロジーを推し進め、ニュートン力学を発展させました。
ニュートンの法則は今日では科学界以外の人々にさえ広く知られており、ニュートンが現代物理学や数学に与えた影響の大きさは計り知れません。
世界の数学者有名人4:ダニエル・ベルヌーイ
ダニエル・ベルヌーイ(1700年〜1782年)はスイスの物理学者で数学者。
流体力学への貢献と統計学及び確率論の研究で知られており、また、ダニエル・ベルヌーイは数学に対して歴史的に多大な貢献をしベルヌーイ家(三世代のうち8人の傑出した数学者を輩出した)の一人です。
空気や水の流れがはやくなると、そのはやくなった部分は圧力が低くなる。はやく流れるほど圧力は下がる。
(引用:wikipedia)
というベルヌーイの定理を提唱し、流体力学の基礎を作りました。
また、実は医学においてもパイオニアであり、1766年に天然痘に対する予防接種効果に対して、数学的側面から統計を使って考察して研究を進めるなどし、さらに、財政学や経済学に関して、リスクの回避や効用についての最初の理論を打ち立てたりもしています。
世界の数学者有名人5:ピエール=シモン・ラプラス
ピエール=シモン・ラプラス(1749年〜1827年)は、フランス生まれの数学者であり物理学者。また、天文学者としても活躍した人物。
数理天文学の発達において世界の歴史上、重要な人物であり、数学に関しては統計学に果たした功績で知られています。
確率論を体系化するための中心的な役割を果たし、今日ではベイズの定理と呼ばれる統計学の基礎を築きました。
また、ラプラスは光の速度について最初に研究した一人でもあり、加えてブラックホールの存在を初めて提唱した一人としても有名です。
世界の数学者有名人6:ウィリアム・プレイフェア
ウィリアム・プレイフェア(1759年〜1823年)は、スコットランドのエンジニアで政治経済学者として活躍した人。
また他にも、銀行家、会計士、ジャーナリストとしても知られ、1787年にフランスへ移住した後、フランス革命の始まりとされるバスティーユ襲撃(1789年)に参加した人物の一人。
(出典:wikipedia)
一見すると数学とは関係なさそうに見えるけど、実は近代数学において重要な「グラフ」を発明した人なんです。
折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフを発明し、数学を大いに発展させました。
おそらく仕事によっては、これらのグラフを日頃からよく使っている人もいるはずです。
世界の数学者有名人7:ジョゼフ・フーリエ
ジョゼフ・フーリエ(1768年〜1830年)は、フランスの物理学者であり数学者。
(出典:THE FAMOUS PEOPLE)
8歳で孤児になり、その後、地元の司教の下に預けられ、後のフランス革命期には地元の革命委員会で働きました。
フーリエはナポレオンのエジプト遠征に加わり、エジプトのロゼッタで1799年に発見されたロゼッタ・ストーンの解読に一役買います。
また、フーリエは熱力学と次元解析の研究を続け、熱の拡散を説明する偏微分方程式を確立し、これは今日の物理学で初期に学ぶ、物理学の基礎の一つです。
そして、現代社会に生きる人々全てにとって重要なこととして、1820年代に世界で初めて、いわゆる「温室効果」を提唱した人物の一人でもあります。
「大気の働きによって熱が溜め込まれる」という現象を世界に対して発したのです。
世界の数学者有名人8:カール・フリードリヒ・ガウス
ガウスは世界の歴史上、最高の影響力を持つ数学者の一人と考えられる人物。
1777年から1855年まで生きたドイツ生まれの学者で、小さい頃から神童として知られていたらしく、数学以外にも物理学や天文学に多大な影響を残しています。
ガウスの業績は、非常に広範囲の研究分野によって、近代数学の分野ほとんどに影響を与えたとされること。
生きている間はもちろんのこと、死後に発見された法則や手法の多くにも、その名前が残されています。
また1833年には、世界で最初の電磁式望遠鏡を共同開発したことで、天文学にも大きな功績を残しています。
世界の数学者有名人9:エイダ・ラブレス
エイダ・ラブレス(1815年〜1852年)は世界の数学の歴史において有名人となった、数少ない女性の数学者。
(出典:wikipedia)
イギリス貴族でありながら無類の数学好きで、世界最初のコンピュータ・プログラマーだと言われることもあります。
エイダ・ラブレスは詩人のジョージ・ゴードン・バイロン卿の娘で、当時のイギリスの数学者であった、チャールジ・バベッジ(世界で初めてプログラム可能な計算機を考案した人物)の文通相手でした。
そんなラブレスは自分自身を「分析家」と考え、また、バベッジは彼女のことを「数字を使いこなす女性」と描写しています。
36歳で亡くなったラブレスの翻訳書やメモは、今日ではバベッジ研究の歴史的な記録であると共に、コンピュータ・プログラミングに関する最初の論文の一つだとされています。
世界の数学者有名人10:ジェームズ・クラーク・マクスウェル
マクスウェル(1831年〜1879年)はスコットランドの理論物理学者で数学者で、1864年に古典電磁気学を生み出したことで、世界の歴史にその名を残している有名人。
古典電磁気学によって、何世紀にもわたる磁気、電気、光学の研究が、一つの理論的枠組みの中にまとめられたのです。
またマクスウェルは、空間における電磁波の伝播速度が、光の速さと同じであることを示した最初の人でした。
このように、数学界の中では言わずと知れた偉人であるマクスウェルですが、実は、数学とは関係ない一般の人々にとっても、マクスウェルは重要な人物。
というのも、マクスウェルは世界で初めてカラー写真の撮影に成功した人物であるから。
写真好きな現代人にとっては、感謝しても感謝しきれないほどの数学者ではないでしょうか。
世界の数学者有名人11:ダフィット・ヒルベルト
ダフィット・ヒルベルト(1862〜1943年)は、証明論の創始者の一人として活躍し、関数解析に多大な貢献をしただけでなく、現代数学の父とも呼ばれる人物です。
(出典:THE FAMOUS PEOPLE)
その理由は主に以下の二つ。
一つ目は、ヒルベルトは数学業界において指導的な人物であり、後世において活躍する多くの数学者を育成してきたこと。
そして二つ目が、1900年に伝説的な「ヒルベルトの23の問題」をまとめたこと。
ヒルベルトは何世代にも渡り、数学者を発奮させ動機づけた偉大な指導者であり、また、ヒルベルトの23の問題によって、20世紀における数学全体の研究の方向性を示したのです。
世界の数学者有名人12:スタニスワフ・ウラム
スタニスワフ・ウラム(1909年〜1984年)はポーランド出身ですが、アメリカへ招かれ、ホロコーストを避けるためにもアメリカに残り、最終的にはアメリカ人となった数学者。
(出典:pinterest)
第二次世界大戦中に実施されたマンハッタン計画(アメリカ、イギリス、カナダが原子爆弾開発のために学者を総動員した計画)に従事したユダヤ人数学者で、水爆の発案者としても有名。
また、計算理論の分野において重要なモンテカルロ法を考案するなど、今日の数学で重宝される理論をいくつも残しています。
ちなみにモンテカルロ法は、数百のシミュレーションを同時に行い、ある現象の確率を推測するもので、今日では一貫してモンテカルロ法を使って対象をモデル化(業務を効率よく行うために、現状を調査し収集したデータを基に、データと処理の流れを図式化すること)しています。
世界の数学者有名人13:アラン・チューリング
アラン・チューリング(1912年〜1954年)はイギリスの数学者であり、2014年に彼の業績を映画化した「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」が公開されたため、数学に興味がなくても知っている人が多そうな世界的有名人。
また、コンピューターサイエンスの父と称されており、今現在この記事を読むために使っているPCやスマホ開発の基盤を作った一人が、実はこの偉大な数学者だったりするんです。
さて、そんなチューリングが偉大な数学者として名を残した有名な業績が、第二次世界大戦中に行った一連の仕事。
当時の連合軍(アメリカ、イギリス、フランス、ソ連、中国など)は、その戦況を左右する上で超重要でありながら解読不可能とまで言われた、ドイツ軍のエニグマ(暗号機)に苦しめられていました。
しかし、イギリスのブレッチリー・パークにある暗号解読センターの政府暗号学校で働くようスカウトされたチューリングは、エニグマによって作られた暗号を解読する方法を考案したのです。
チューリングが考案した方法のおかげで、連合軍が作った巨大な電気機械式の装置によるエニグマ暗号の効率的な解読が可能になり、ドイツ軍の情報のほぼ全てが筒抜けになりました。
それにより、当然ながら大西洋の戦いにおける連合国側の勝利に最も重要な貢献を果たした人の一人と言え、また同時に、第二次世界大戦の終結時期がより早くなったことで、何十万〜何百万人という人の命を救ったとも言える偉大な数学者です。
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世界の歴史上、人類の社会へ大きな貢献をした数学者を紹介してきました。
一般的にはそこまで有名ではなくても、彼らの存在なくしては、人間社会が今ほど進歩することはなかったとさえ言えるのです。
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