プラスチックゴミ問題|その汚染原因や対策とは?今私達に出来る事

プラスチックゴミ問題について見ていきます。その汚染問題を引き起こしている原因や、対策方法として我々が出来ることを考えていきましょう。

社会は便利になっていく一方で、これまで人間は、様々な環境問題に直面してきました。

例えば、近年最も耳にすることが多い環境問題として「地球温暖化」を挙げることが出来るでしょう。

しかし最近は、この地球温暖化問題に加えて、プラスチックゴミ問題に対する関心も高くなってきています。

このプラスチックゴミ問題とは何なのでしょうか?また、その原因や対策方法とはどういったものが考えられるのでしょうか?

プラスチックゴミ問題について詳しく見ていこうと思います。

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プラスチックゴミ問題とは何か?

世界の人口が増え続けると同時に、多くの人が忙しく活動する都市型のライフスタイルを送るようになったこともあり、ジュースのペットボトル、スーパーのビニール袋、さらにお惣菜のプラスチック容器など、多くの物が便利なプラスチック製になってきました。

一方で、プラスチックは簡単に捨てることが出来るため、結果として世界中でプラスチック汚染が拡大しています。

例えば、プラスチックゴミ問題の一つを挙げるとすると、ここ最近よく耳にする「海洋プラスチック」の問題を挙げることができるでしょう。

海から流れ着いて海岸を埋め尽くすようになったプラスチックのゴミを始め、太平洋には多くのプラスチックゴミが集まった結果、まるで海に浮かぶ島のようになった「太平洋ゴミベルト」が出来てしまっているのです。

また、人間がこれまでに出してきたプラスチックの量は、

足首ほどの高さに広げて並べたら、世界で8番目に面積の広い国、アルゼンチンを埋め尽くすほど

(引用:Asahi Shimbun Globe+

であるにも関わらず、そのおよそ8割はそのままの形で埋立地や町中、そして海を始めとした自然の中に残されてしまっていると言われます。

ちなみに、この汚染問題を引き起こすプラスチックには、非常に大きなものから顕微鏡を通してようやく確認出来るマイクロプラスチックと呼ばれるものまであります

なかでもマイクロプラスチックは、海にいる魚が知らず知らずのうちに体に取り組み、その魚を食べた人間にも蓄積する恐れがあると懸念されているのです。

プラスチックゴミの問題は主原料と分解が困難な点

そして、このプラスチックゴミ問題が恐ろしいのは、プラスチックの主原料によって、空気汚染、水質汚染、土壌汚染を引き起こし、自然環境に大きな害をもたらすおそれがある点と、プラスチックの分解はそのままだと困難で非常に時間が掛かるという点にあります。

まず、プラスチックの主原料は「石油」であるため、この石油が集積して出来たと言えるプラスチックをそのままに放置しておくことは、長期的に見て、植物、野生動物、人間に悪影響を及ぼす可能性があることを意味します。

また、プラスチック製品が作られるのは、あくまでも人間の利便性を考慮してのことであるため、耐久性が重視された結果、生物分解性、つまり自然環境の中で容易に分解されることが不可能であることから、捨てられたプラスチックゴミは非常に長い時間、自然界の中に残ってしまいます。

これら二つの特徴が近年、世界的に警鐘を慣らされているプラスチックゴミ最大の問題と言えるのです。

プラスチックゴミ問題による影響

プラスチックゴミ問題による影響を、いくつかのポイントに分けてもう少し掘り下げて考えていきましょう。

水質汚染

水が豊富な日本ではそこまで意識されることがないものの、実は水を確保することは、世界中の多くの国で強い関心ごととなっています。

しかし、人体に外を与えない綺麗な水の確保は今後、より厳しくなっていくかもしれません。

というのも、プラスチックゴミの垂れ流しにより、人間にとっては最も重要な飲料水が汚染されてしまう可能性が考えられるからです。

土壌汚染

プラスチックがゴミ処理場に投棄されると、水や他の化学物質と反応して有害な物質を発生させてしまう可能性があります。

そして、これらの有害物質は土壌に少しずつ広がり、長期のまま放置されることで深刻な土壌汚染に繋がってしまう可能性が考えられるのです。

大気汚染

発展途上国などでは大量のゴミがそのまま廃棄されたゴミの山がいくつもあり、そこには大量のプラスチックゴミが含まれます。

そして、時にはそのゴミの山に積もったゴミによる化学反応や、乾燥した摩擦熱などによって、炎が発生し、それによってプラスチックゴミが低温で燃やされることになります。

すると、有害物質のダイオキシンなどが発生して大気を汚染し、近隣住民や動物達へ呼吸器系の健康被害を与えることが考えられます。

食物連鎖に与える悪影響

プラスチックの大きさは大小様々であることから、体の大きさに関係なく、様々な生き物の体内に取り込まれます。

大きな口を開けてプランクトンを大量に飲み込むクジラから、その微小なプランクトンにまで言えます。

つまり、直接的にプラスチックを飲み込まなかったとしても、プランクトンのような食物連鎖上で最も下層に位置する生物を食べた生物を、より大きな別の生物が食べることで、食物連鎖のつながりを通して生物全体がプラスチックで汚染されてしまう可能性が考えられるのです。

自然界の動物達を危機に追いやる

テレビのニュースで、プラスチックが絡まった鳥などの野生動物の姿を見たことがあるかもしれません。

自然界に大量のプラスチックゴミが散乱した結果、日々世界のどこかで野生の動物が、プラスチックゴミによる直接的な被害を被っています。

また他にも、プラスチックゴミが体積した場所からは、本来そこを住処にしていた動物達が追い出されている現状もあり、自然界に住む動物達へ大きな悪影響をもたらしているのです。

経済的な影響

プラスチックゴミはまた、将来的に莫大なコストとなって人間に跳ね返ってくると言えます。

というのも、プラスチックゴミによって汚染された土壌や水を浄化するには、非常に大きなコストが掛かり、これは、プラウチックゴミを放っておけばおくほど、増えていってしまいます。

加えて、プラスチックゴミにより汚染が進むと、そこに住む人々の健康が害されて経済活動に悪影響が出たり、観光客を減少させたりと、間接的な経済的損失を招くことになります。

プラスチック問題を引き起こしている主な原因

プラスチックゴミ問題の基本的なポイントは理解出来たかと思いますが、この問題を引き起こしている主だった原因とは何なのでしょうか?

ここでは、そのプラスチックゴミ問題を引き起こしている原因を、大まかに3つに分けて見ていきたいと思います。

プラスチック問題の原因① あらゆるところで使われている

プラスチック問題を引き起こしている最大の原因と言っても良いのが、「プラスチックが使われすぎている」現状でしょう。

これは、プラスチック製品は作り上げるためにほとんどコストが掛からず、また様々な形へ加工出来るなど、非常に便利であるというのが大きな理由です。

そのため、スーパーで買い物をした際に当たり前のように貰うビニール袋やペットボトルを始め、実は予想もしないようなものにもプラスチックは使われています。

例えば、紙で出来ているように見える牛乳パックの内側には、コーティングのためにプラスチックの一種であるポリエチレンが薄く伸ばされて使われているなど、あらゆる物にプラスチックが含まれています。

このように、はっきりとプラスチック製品だと分かる物だけでなく、一見プラスチックとは関係ない物であっても、ゴミとして捨てることで汚染物質が土壌に染み込み、野生動物や地下水に流れ込んでしまった結果、何年にもわたって問題を引き起こす可能性があるのです。

プラスチック問題の原因② プラスチック自体の特徴

プラスチックは耐久性が高くなるように作られているため、分解することがほとんど不可能なのはすでに触れた通りです。

そこで、中にはプラスチックを捨てるのではなくて「燃やしてしまえば良いのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、プラスチックは十分な高温で焼却(完全焼却)しない限り、ダイオキシンといった有害な問題物質を発生させてしまう可能性があります。

このプラスチックの完全焼却に関しては、日本であれば高温に耐えうる施設の建設が進み、また、ダイオキシンの発生を抑える仕組みなども普及していますが、それでも国内で廃棄されるプラスチックゴミ全てに対応出来るほどではありません。

そのため、プラスチックゴミは埋立地に捨てられることがあり、この場合は非常に長期に渡ってプラスチックのまま残り、土壌汚染を引き起こす可能性が考えられます。

また、代わりにプラスチックをリサイクルしても、結局新しいプラスチックに生まれ変わるだけなので、プラスチックの減少にはつながりません。

加えて、日本のように完全焼却が可能な国はまだましですが、そうでない国ではプラスチックを低温で焼却処理している場所もあり、その場合は大気に有害な物質が放出されている可能性が考えられます。

プラスチック問題の原因③ 漁網

漁業は世界各地で行われており、地域によっては生活に欠かせない商業活動です。

しかし、近年の漁業は海洋プラスチック問題を引き起こしてきた原因の一つとなってきました。

というのも、魚を獲るために利用される漁網の中にはプラスチックで出来た物も多く、何度も繰り返し使われる中で、摩耗した網の一部が切れて海を漂うことになったり、そうでなくても目に見えない微笑のプラスチックが剥がれ、これまたマイクロプラスチックとなって海中を漂うことになるからです。

さらに、漁網ほどではないにしろ、釣りに使われる釣り糸も、同じ様な理由から海におけるプラスチックゴミ問題の原因となってしまっています。

プラスチックゴミ問題に対して考えていきたいいくつかの対策

プラスチックゴミ問題について、影響や原因までを見てきましたが、最後に我々が日常的に少しずつでも出来る対策をいくつか考えていきたいと思います。

プラスチックゴミの解決策① 環境にやさしく買い物をする

ビニール袋は便利な物ですが、プラスチックゴミ問題を考えると、代わりに環境に優しいエコバッグを利用していくのを基本とするのが良いでしょう。

エコバッグは簡単に折りたためて持ち運びやすく、しかも何度でも繰り返し使えるため環境に優しいのが最大の利点。

最初こそコストが掛かりますが、一度買ってしまえば、その後は長期に渡って使用できます。

現在は通販でも簡単に買えるので気に入ったものを購入し、買い物へエコバッグを持っていくようにすれば、無駄なプラスチックゴミを増やさなくて済みます。

プラスチックゴミの解決策② コーヒー用にマイカップを持参

お店や会社でコーヒーを飲む時の紙コップは「紙コップ」と言われますが、その多くにはプラスチックが使われています。

というのも、ほとんどの紙コップは断熱や液漏れを防ぐ目的で、内側がプラスチックでコーティングされているから。

これら紙コップを捨ててプラスチックゴミを増やさないためにも、代わりにコーヒー用のマイコップを持っていけば、それだけでプラスチックゴミを抑えることにつながります。

プラスチックゴミの解決策③ ペットボトル以外の商品を購入する

人は毎日たくさんの水分を摂取する必要があるわけですが、現在、その水分を摂るにあたって最も一般的な方法の一つが、ペットボトルに入った飲み物を購入することでしょう。

しかし、ペットボトルはプラスチックから出来ているため、ペットボトルに入ったものを購入するということは、それだけプラスチックゴミ問題を拡大させてしまう原因となってしまいます。

そこで、代わりにペットボトル以外の容器に入った飲み物を購入するようにしていけば、一つの解決策となっていくと言えるでしょう。

(出典:コカコーラ

具体的には、再生可能な植物由来素材を使用した「プラントボトル」やビンなどに入った飲み物を優先的に購入していくという方法です。

このような地道な行動を続けることで、企業側もより環境に優しい容器の研究へ資金を注ぎ始め、将来的にはペットポトルの代替となる100%自然に優しい容器が開発されるかもしれません。

プラスチックゴミの解決策④ 声を上げていく

自分一人が声を上げたからと言って、すぐにプラスチックゴミ問題の解決に繋がるわけではありません。

しかし、少しずつでもこの問題に対する意識を持った人が増えれば、それだけ大きな力となって、状況が良い方向へ向かっていきます。

そのためにも、自分のSNSでプラスチックゴミ問題について発信したり、地域社会の中で問題提起をしたりすると言うのは、一人一人が出来る対策です。

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プラスチックゴミ問題|その汚染原因や対策とは?今私達に出来る事のまとめ

プランスチックゴミ問題について見てきました。

この問題は人間が便利な生活を追い求めてきた結果として生まれ、将来の地球環境に対して大きな懸念点となっています。

そしてこの問題を解決するためには、単にプラスチック製品をリサイクルしたり、プラスチックゴミを拾うだけでなく、そもそもの使用を控えるというのが重要になってくると言えます。

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