東ヨーロッパの一つウクライナと、そこに住むウクライナ人の特徴について見ていきます。文化に関してはもちろん、人となりを知って、国と人に対する理解を深めましょう。
ウクライナと言えば東ヨーロッパの一国で、大国ロシアの隣に位置する国。
以前はソ連の一部に含まれていたため、未だに旧ソ連の国としてのイメージが残りますが、近年では西洋諸国寄りの政権が誕生しているのに加え、ウクライナは何世紀もの間、独自の特徴的なアイデンティティーや伝統、文化を維持してきたため、良く良く見ると世間一般的にイメージされるのとは異なった特徴を持つ国だったりします。
また、ウクライナ人と聞いてすぐ思いつくのが「美女」ですが、他にもウクライナ人を表す特徴はたくさんあります。
そこで、ウクライナやウクライナ人の特徴を理解するためにも知っておきたい、17の情報を確認してみましょう。
ウクライナ人の特徴や人となりを理解するために知っておきたい情報
ウクライナ人の特徴1:ウクライナ人は冷たくない
ウクライナ人の特徴として、出会ったばかりの頃は「冷たい」とか「目線がキツイ」といった印象を抱かせやすい点があります。
これは、見知らぬ人に最初から心を開いて笑顔で接することが、ウクライナ人の習慣ではないために起こること。
特に、アメリカ人のような対応を期待していた場合、最初はその違いに戸惑うかもしれません。
しかし、一度知り合いになれば、ウクライナ人は思っていることや感情をよりオープンに出し、表面だけで繕う一部の西洋諸国の人より、率直かつ誠実な付き合いができたりします。
ウクライナ人の特徴2:そこまで肥満じゃない
ウクライナ人の誕生会や家族でのお祝い事に参加すると、大量の料理でいっぱいのテーブルに出くわすという話を耳にしたことがあるかもしれません。
しかし、ウクライナ人の日頃の食事は健康的で控えめ。それは国の肥満率からも分かります。
肥満率は約20パーセントで、この数字は世界の上位30位にも入っておらず、ほとんどの西洋諸国、またロシアの数字よりもかなり低くなります。
恐らく、ウクライナの田舎やロシア、ウクライナの下に位置する一部のコーカサス地域でお客さんをもてなす時に大量の料理を出す習慣が、ウクライナのイメージにも影響したために生まれた話かもしれません。
ウクライナ人の特徴3:ウクライナ人女性は美しい
これは迷信なんかではなく、かなり正しい事実だと思います。
ウクライナは美人が多い国のランキングで常にトップ10入りを果たしており、実際、ウクライナの街を歩いていると、周りを歩いている女性のほとんどが美人であることに気づきます。
感覚値的に言えば、おそらく80%程度の女性は日本人基準で「美女」と言えるのではないでしょうか?
そんなウクライナ女性の特徴として、女性らしく、おしゃれであることを誇りに思っている人が多いため、ちょっと近場へ行くだけでも驚くほどおしゃれに時間を掛けることも普通です。
ウクライナ人の特徴4:ウクライナ人女性は優しい
ウクライナの女性が美人であることは、世界的な一般常識レベルで知られていますが、ウクライナ人女性の多くが「優しい」という点はあまり知られていません。
ウクライナ人に詳しい人の間では、ウクライナ人女性は愛情深く、誠実な妻、面倒見の良い母親として知られ、外見だけでなく内面も魅力的なウクライナ人女性が話題に上ります。
ただし、そんなウクライナ人女性と付き合いたい場合、彼女らの気を引くのは簡単なことではなく、どの男性も懸命に努力しなければいけない点は覚えておきましょう。
ウクライナ人の特徴5:結婚時期が遅くなってきている
過去のウクライナでは、結婚が家庭を築くための第一歩で最も大切なこととみなされていたため、比較的早い時期に結婚をするのが一般的でした。
しかし、今は違います。
今日では、女性はよりキャリア志向になり、多くの男女が必要な基盤を整えるまで家庭を持ちたがらないため、ウクライナ人も他の先進国と同様に晩婚になりつつあります。
男性の結婚平均年齢は30歳、女性は27歳と言うのが、現在のおおよその平均です。
ウクライナ人の特徴6:専業主婦の女性は少ない
日本とは違い、ウクライナには専業主婦がいる家庭の割合が低い傾向にあります。
ウクライナ独立後に生まれた若い世代は特にそう。
女性の高等教育の普及に伴ってキャリアを持つ機会が増え、ほとんどの女性が専業主婦でおさまることに満足できません。
また最近、ウクライナの大部分の女性は、大学卒業後にキャリアを形成するために仕事に励む傾向があるので、26歳から28歳ぐらいまでは結婚も出産もしない人たちが増えています。
ウクライナ人の特徴7:そこまでの暴飲はしない
安価なアルコール飲料の普及がアルコール依存症の原因となっている一方で、WHO(世界保健機関)によると、ウクライナのアルコール消費量は世界で22番目、イタリアと同じ程度だとされます。
実際、ウクライナ人は毎食アルコールを取ろうとはしません。
一方で、特別な機会に友人や家族、または招待客とウォッカで乾杯を交わすような、付き合いでの飲酒はかなり儀式化されています。
そのため、その光景がウクライナ人がアルコールを過度に消費する印象を与えることがあります。
国としてのウクライナの特徴や知っておきたいこと
ウクライナの特徴1:思っているよりは温暖
ウクライナは大陸性気候であり、その位置から東京などに比べると寒い国ではありますが、思った以上に温暖な気候を持つ国であると言えるかもしれません。
全国平均で夏の平均気温は25度前後まで高くなり、日によっては乾燥して非常に暑くなることもあり、寒い冬であっても日中であれば0度前後であるため(もっと寒い日もありますが)、決して極寒というほどの地域ではありません。
また、南部の地域に関してはより温暖であり、ぶどうの栽培に適した気候を持つ地域もあります。
ウクライナの気候は、シベリアやカナダの大部分よりもかなり穏やかであるのは確かです。
ウクライナの特徴2:意外に教育水準が高い
耳にすることは少ないですが、ウクライナの教育水準は意外に高かったりします。
まず、識字率に関しては99.4%を誇り、先進国以外の国としては非常に高い水準を維持しています。
また、数学と科学のスコアを基準とした最も賢い国上位40か国のうち、高等教育を受けた市民の割合において、ウクライナは上位4位にランクインした実績もあります。
さらに、最近では企業が従業員にIT技術を教育するという取り組みをしており、将来ウクライナには、世界的に熟練したITスキルを持つ働き手が増えてくると予想されます。
ドバイのスマートシティプロジェクトなどを支えるIT企業のディレクターは、積極的にウクライナのエンジニアを採用していると話していた。探せば世界でもトップレベルのIT人材が見つかるフロンティアになりつつあるみたい。
ウクライナの特徴3:西洋諸国との共通点も沢山ある
ウクライナは過去にソビエト連邦に属していたため、西ヨーロッパとは異なり異国情緒ある東ヨーロッパの国というイメージが強いかと思います。
首都キエフのアパートや街並みの一部は、他の旧ソビエトの国に近いのは確かです。
しかし、地理的にヨーロッパの中心はウクライナの国境上にあり、西ヨーロッパからの影響も大きく受けているため、西洋諸国に対して身近な印象を与える文化や伝統もウクライナにはたくさんあります。
特にウクライナ西部には、オーストリアハンガリー帝国など、他の欧州の国と併合した地域もあり、中央ヨーロッパの影響を受けた顕著な特徴が今日まで残っています。
そのためウクライナは、旧ソ連と西洋諸国とのちょうど中間的な色合いを持つ国ととらえた方が正解かもしれません。
ウクライナの特徴4:チェルノブイリ原発事故
1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故は、ウクライナに長く暗い影をもたらし、事故が起きた工場周辺の地域は、今後何世紀も人が住めない場所へと化してしまいました。
しかし一方で、国の大部分は、爆発した原子炉から出た放射性物質の影響を受けておらず、ウクライナ人にとってあの大災害は悲しみとして心に残っている一方、現在、大多数のウクライナ人の日常生活ではほとんど問題にはなっていません。
また、ウクライナの食糧や水は定期的に放射能検査がなされているため、市販されているものは安全であると考えて良いかと思います。
ウクライナの特徴5:ウクライナ後はロシア語に似ているけど違う
ウクライナ語は同じスラブ語派に含まれているため、ロシア語に似ていると感じる一方、ロシア語とは異なる言語でもあります。
どちらかというと、クライナ語はロシア語よりも、ベラルーシ語やチェコ語、スロバキア語、ポーランド語、セルビア・クロアチア語と様々な言語的特徴を同じくしていると言った方が適切かもしれません。
そのため、国は隣同士であっても、ウクライナ語とロシア語だけでは相互理解ができるほど近い言語ではなく、多くのウクライナ人はロシア語とウクライナ語を話す相手によって変えます。
ウクライナの特徴6:サービスの質は期待しすぎないのがベター
ウクライナに限らず、旧ソビエトの国々では、ホテルやレストランなどのサービスが悪いという共通点があります。
実際、ウクライナでも、レストランやスーパーのスタッフの態度がとても悪い(仕事する気がない?)と感じることがあります。
一方で、ウクライナ人のサービスの質は、特に大都市において、ここ20年ほどでかなり高くなってきているのも事実。
資本主義経済へ移行後、サービス産業が発展してきており、そこでの競争や、西洋諸国からの影響が大きな理由です。
ウクライナではチップはないのですが、接客スタッフに何か残してあげれば、次回からは心のこもった暖かいサービスを受けられることもあるので覚えておいて損はないはずです。
ウクライナの特徴7:クリミア問題
実効支配によて2014年、ロシアが一方的にクリミアをロシア側へ併合してしまったのは記憶に新しいことですが、クリミアという地域はかなり複雑な歴史を抱えています。
まず、オスマン帝国との戦争の中で、18世紀にロシアはクリミアを占領しましたが、クリミアは長い間、ロシアとまたウクライナとさえほとんど関係を持たなかった歴史があります。
その後、クリミアの先住民であるクリミア・タタール人達が独立を主張しますが、彼らはソビエト連邦がクリミア半島を支配下に置いた時に抑圧され国外追放されました(※この時にはすでに、ロシア人の占める割合が増えていた)。
ウクライナ独立後は状況が良くなり、クリミアは単一国家ウクライナの中で自治権を得て、クリミア・タタール人達は国外追放先の中央アジアから徐々に戻ってくるようになります。
一方で、すでにロシア系住民が過半数以上を占め、ついで1/4程度をウクライナ人、そしてクリミア・タタール人は1割程度でした。
このように、近代においてクリミアの土地は状況が複雑に繰り返し変わってきたこともあり、クリミアを単純にロシアの領土と見なすのは、近年のまた昔からの歴史の大部分を無視することになります。
ウクライナの特徴8:外国人価格は過去のもの
以前のウクライナではよく、ウクライナ人向けと外国人向けの別々の価格が存在していました。外国人向けの価格が高くなっていたのです。
でも今はほとんどそのような心配はありません。
外国人が良く訪れるレストランや観光場所などでは、同じ価格をウクライナ人も支払うようになっており、観光客に対して値段を高めにふっかけてくるようなことはだいぶ少なくなっています。
ウクライナの特徴9:伝統的なヴィシヴァンカ
ヴィシヴァンカはウクライナの民族衣装の一つで、革命以降はシンボル、そして国家アイデンティティやプライド、そして文化を表現する手段になっています。
さらに現在では、ヴァレンティノからH&Mに至るまで、世界の有名ブランドがこの服の刺繍を取り入れており、ウクライナやその国境を越えて、人気のあるファッションアイテムともなっています。
ウクライナ人はかつて大きな行事の時、年に1〜2回程度しかヴィシヴァンカを着ていませんでしたが、今では誇りを持って普段着としてこの刺繍入りのTシャツやドレスを着ています。
ウクライナの特徴10:ウォッカじゃなくてホリルカ
隣のロシア人と同じように、ウクライナ人も確かにウォッカを飲みますが、ウクライナ人が実際に飲んでいるのはホリルカ(horilka)と呼ばれる、ウクライナ版ウォッカと言えるアルコール飲料。
種類にもよるものの、35〜60%のアルコール度数を誇り、非常に強いお酒です。
また、昔から人気のあるホリルカのフレーバーはチリペッパー風味で、中には喉が焼けるほどほど辛いホリルカもあるらしく・・・。
ちなみに、ウオッカはロシアの言葉で、「Little Water(少量の水)」という意味で、ロシア人におってウォッカは水のような感覚で飲むものであるから。
一方で、ウクライナの言葉でホリルカとは「焼けるように辛い水」の意味にあたり、火酒(アルコール度数の高い酒)のことを示しているそうです。
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ウクライナとウクライナ人の特徴|国・文化・人となりを理解するための情報17個のまとめ
東ヨーロッパに含まれるウクライナは、隣国のロシアと多くのことを共有している一方、独特な文化や習慣を持っている国。
ウクライナへ行ったり、ウクライナ人と出会う機会があるなら、今回挙げた17個のポイントを覚えておくと良いかもしれません。
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